原口選手 復帰2戦目で初ヒット、3戦目で初マスク!《阪神ファーム》

8日に実戦復帰、9日に初安打、10日には初守備と一歩ずつ前進している原口選手。

 7日にファームの本隊に合流、8日のウエスタン・中日戦で実戦復帰を果たした阪神の原口選手は、翌9日の同戦に5番DHで先発出場。最初の打席で初安打を放ちました。その模様はのちほど詳しくお伝えします。7日、8日に比べると阪神側のテレビカメラが減ったものの、取材陣はやはり普段より多め。スタンドも通路までお客様がぎっしりでしたね。

 きょう10日からカードが変わってオリックス戦です。きょうは呂投手が先発して、5回に連続二塁打で1点を失ったものの5イニングを投げて3安打だけ。そのあと高橋聡投手が1イニング、尾仲投手が2イニング、石崎投手が1イニングを、それぞれ1安打ずつで無失点リレーでした。しかし…1軍から江越選手、植田選手、中谷選手が参戦した打線は散発4安打で完封負け。1回は江越選手が、2回はナバーロ選手が先頭で二塁打を放ったのに、あとが続きません。

 なお原口選手は8回(2死ランナーなし)に代打で出て、カウント2-2から7球目の変化球を打ち中飛。私はテレビ中継を見ていたのですが、それで終わりかと思いきや、なんとベンチからキャッチャー防具をつけた原口選手の姿が!スタンドはざわざわ、やがて拍手も沸き起こりました。もう守備にもついちゃいますか。とんとん拍子とはこのことでしょう。

 ※8日の初実戦については、こちらをご覧ください。→<実戦復帰した原口選手「これからの野球人生はみんなのために」>

復帰3戦目で初マスク!

 石崎投手とバッテリーを組んだ9回表を振り返ります。先頭の4番・頓宮選手は初球で左前打。杉本選手に対してカウント1-1からの3球目を振らせたものの原口選手がミットに当てて逸らしてしまい、走者は二塁へ。杉本選手は次の変化球で遊飛に打ち取って、6番の宜保選手も遊飛で2死。続く西村選手はフルカウントからの6球目で遊ゴロ。捕逸があってヒヤリとしたけれど、0点に抑えました。

 では、きょう10日の原口選手のコメントをご紹介します。

 久しぶりの守備でしたね。「また一歩。そういう機会があったので、きょうはよかったかなと。ミスもしたので何とかピッチャーを助けられるように、しっかり実戦を積み重ねていきたいです」。守備のイニングについては「これから伸ばしていきたい」と言い、さらに「なかなか、まだ投手全員の球を受けられていないので、積極的にブルペンでもゲームでもどんどんピッチャーと会話して、ボールをとってやっていきたい」と意欲的。

 また「試合展開的に大事な場面で、僕のミス(捕逸)で得点圏にランナーが進んで、石崎さんはしんどかったと思うんですけど。1点もやれない状況だったので、そういうところは緊張している中でも、次のバッターであったり、キャッチャーとしての考えっていうのを、久しぶりにしては思い出しながらできたなと思います。どんどん実戦を踏んでやっていきたい」と原口選手。初守備の感想も「問題なし!」と即答だったので、安心しました。

10日のオリックス戦で9回にマスクをかぶった原口選手。写真は7日、中日戦の試合前です。
10日のオリックス戦で9回にマスクをかぶった原口選手。写真は7日、中日戦の試合前です。

 このカード、11日と12日は和歌山県上富田町での開催となり、原口選手も帯同すると、きのう平田監督が名言しました。夕方、大きなバックを手に「荷物を持っていかなくちゃいけないから」と帰っていった原口選手。自主トレも春季キャンプも行けなかったので、久しぶりの“遠出”ですね。

 慌てないでほしい、急がないでほしいという気持ちは常に付きまといますが、このいい流れに乗って進んでいけば何もかもがうまくいくんじゃないだろうか―。そんな考えがよぎるのも確かです。1軍の試合に出るたび何かの“初”を見せてくれた、3年前の今ごろを思い出して。

 

片山選手の一打で完封は阻止

 さて遅くなりましたが、9日の中日戦の詳細です。試合は望月投手と梅津投手の先発で始まり、中日が4回に藤井選手のソロで先制、6回にモヤ選手のタイムリー、9回にもモヤ選手のソロで3点を取っています。阪神は中日の小刻みな継投の前に、ヒットや四死球で走者を出しながら決定打がなく、9回に片山選手のタイムリーで1点返して何とか完封負けは免れました。

《ウエスタン公式戦》5月9日

阪神-中日 10回戦 (鳴尾浜)

 中日 000 101 001 = 3

 阪神 000 000 001 = 1

◆バッテリー

【阪神】●望月(4勝2敗)‐石井 / 長坂-片山(8回~)

【中日】梅津(1回)-○垣越(2回)-石田(2回)-三ツ間(2回)-祖父江(1回)-S伊藤準(2S)(1回) / 石橋

◆本塁打 中:藤井2号ソロ(望月)、モヤ7号ソロ(石井)

◆二塁打 中:石橋

◆盗塁 神:島田(9)

◆打撃    (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]中:島田   (2-0-0 / 0-1 / 1 / 0) .230

〃打中二:荒木 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .226

2]二:熊谷   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .239

〃打中:板山  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .162

3]一:ナバーロ (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .179

4]左:陽川   (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .247

5]指:原口   (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .333

〃打指:伊藤隼 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .143

6]右:俊介   (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .317

7]三:山崎   (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .346

8]捕:長坂   (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .264

〃打捕:片山  (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .257

9]遊:小幡   (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .226

   

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ※

望月 7回 87球 (8-3-1 / 2-2 / 1.89) 153

石井 2回 26球 (1-3-0 / 1-1 / 1.38) 148

   ※チーム測定による最速数値

《試合経過》※敬称略

先発の望月投手。7回2失点ですが8安打されました。
先発の望月投手。7回2失点ですが8安打されました。
石井投手は8回から登板。モヤ選手以外はナイスピッチングです。
石井投手は8回から登板。モヤ選手以外はナイスピッチングです。

 先発の望月は1回が内野安打1本、2回は連打されながらも後続を断ち、3回は1安打のみで、ここまで0点に抑えます。しかし4回、先頭の藤井にカウント2-1からの4球目を打たれレフトへのホームラン。5回は2死から内野安打を許すも、長坂の盗塁阻止により3人で片づけました。ところが6回、先頭に四球を与え、犠打と内野ゴロで2死三塁となってモヤの右前タイムリーで2点目。7回は2死から石橋の二塁打があったものの追加点は与えていません。

 そのあと石井と片山のバッテリーに代わり、まず8回は10球で三者凡退!中でも代打・三ツ俣には一度もバットを振らせず、最後は148キロの真っすぐで見逃し三振という見事なピッチングでした。でも9回、先頭のモヤにカーブをライトへホームランされて3点目。ただ、次のアルモンテを空振り三振、松井佑は三ゴロ、根尾は見逃し三振に切って取り、最少失点で投げ終えています。

9回裏、1死から俊介選手が中前打で出ます。
9回裏、1死から俊介選手が中前打で出ます。
2死二塁となって、片山選手が中前タイムリー!
2死二塁となって、片山選手が中前タイムリー!

 阪神打線は、1回が2死からナバーロが右前打しただけ。2回は先頭の原口が中前打を放ち、俊介の三振で二盗を刺されて併殺。続く山崎が四球を選ぶも無得点でした。3回は三者凡退。4回は先頭のナバーロが右前打、1死後に原口の四球で初めて一、二塁としますが、後続は連続三振。5回は2死から島田が四球を選んで盗塁を決めたものの得点にはつながらず。

 6回は1死から陽川の中前打、7回は2死から小幡の内野安打(ショート根尾がランニングスロー、しかしセーフ)があっただけ。8回は三者凡退。チャンスらしいチャンスがないまま迎えた9回裏、1死から俊介が右前打で出ます。山崎の投ゴロで2死二塁となり、途中出場の片山がカウント2-1からの4球目に鋭く反応。低い弾道の打球がセンター前へ!俊介が還って1点を返しましたが、小幡は二ゴロで試合終了。

2戦目は初安打と初死球

 試合後の談話は、まず原口選手から。復帰2戦目、きのう9日は先発出場でした。最初の打席は2回に先頭で迎え、相手は2人目の垣越投手。ストライクを見送って2球目、110キロの変化球をセンター前へ!一塁上で笑顔がこぼれる初ヒットとなります。2打席目は4回、1死一塁で石田投手から背中あたりに死球を受けました。3打席目は6回で、これも1死一塁の場面でカウント0-2からの3球目、三ツ間投手の変化球を打ち上げてセカンドフライとなり、2打数1安打という結果です。

試合終了後、隣の伊藤隼選手(左)からインタビューされている?原口選手。
試合終了後、隣の伊藤隼選手(左)からインタビューされている?原口選手。

 平田監督は原口選手の初安打に「打ったところで驚くことはないよ」と言います。まあ彼の能力からすれば騒ぐ方がおかしいということでしょう。そして「1本出てフミ自身もホッとしただろう。ホッとしたというか、ヒットの感触があるから」と続けました。今後については「考えながら徐々に。実戦をこなしていった方がいいからね。もし途中で(本人が)打ち込みたいというのがあれば別だけど、ゲームで勘を取り戻して、そのうち守備にもつかないとね」とのこと。

 では、9日の原口選手本人のコメントをご紹介しましょう。

「開幕したかな」いう初安打

2回、1打席目で中前打!2019年の初ヒットです。
2回、1打席目で中前打!2019年の初ヒットです。
三振ゲッツー、二塁から戻ってくるところ。
三振ゲッツー、二塁から戻ってくるところ。

 1本出ました!「そうですね。開幕したかな、という感じですね。またこれから打席を重ねて、守備機会も重ねて、どんどん実戦感覚をしっかりつけて結果も出していきたいと思います」。打ったのは?「カーブだと思うんですけどね。カーブかスライダー」。このヒットのあと、ベンチの様子がテレビ画面に映っていて、小宮山選手に「スライダー?」と聞かれ「いや、カーブですかね」と答えていた原口選手。声が聞こえたわけではなく、口元を読みました。

 前日は直球を打ち、この日は変化球でヒット。着実に感覚は戻ってきているのでは?「そうですね。バッティングの方は打席の中でしっかり対応できているので、そこの部分ではいいかなと思っています」。ところでデッドボールは大丈夫?「ああ、大丈夫です!」。復帰戦のあと祝福のLINEなどは多かった?「いや、そんなことないですよ、意外と。意外と…ないです。まあ元気にがんばっているのを見てもらえたら、ありがたいなと思います」

4回は背中?に死球。ベンチの様子も一緒に撮ってみました。
4回は背中?に死球。ベンチの様子も一緒に撮ってみました。
3打席目は二飛で、この日は2打数1安打です。
3打席目は二飛で、この日は2打数1安打です。

 守備の方もなるべく早く?「そうですね、したいなとは思っていますし。しっかり練習してそこまで持っていけるようにやりたいです」。自身ではいつごろと?「僕の中では、いつでもいける準備はできているので。あとはタイミングとかあると思うから、そこは流れに任せていきたいと思います」

 9日の試合中も、予定されていた3打席を6回で終えるとブルペンへ。「ちょっと間隔が空いていたので」と、ピッチャーの球を受けました。そして、きょうマスクをかぶったわけで、7日に本隊合流、8日に代打で初打席、9日はスタメン&初安打、10日に初マスク。着実な歩みですね。初ホームランはいつ出るかなあ。

土壇場で完封を阻んだタイムリー

 片山選手は7回に代打で出場し、そのままマスクをかぶって石井投手をリード。0対0の9回1死二塁の場面で、中前タイムリーを放ちました。平田監督は「久しぶりだね。坂本と長坂がいるので出場機会が減ったり、バッティングも考えすぎて。あいつのよさを忘れかけている。食らいついていくことを。相手も研究してくるから。彼のいいところはああいうライナー。大きいのを打とうとして天井を向いていたからね」と言います。

 片山選手本人に、チャンスで片山選手らしいヒットを見たのは久しぶりのような気がすると言ったら「僕もです(笑)。久しぶりですね」という答え。「打つ、打たないの前に気持ちの面でしっかりピッチャーと勝負しようと、気持ちで負けたくないと思ったし、このまま0点で終わるのは嫌だ。1本打って、あしたにつなげたいと。必死の思いでした」

片山選手らしさを取り戻して

試合終了時の整列を終えてベンチへ戻る片山選手。
試合終了時の整列を終えてベンチへ戻る片山選手。

 平田監督が話していたように、最近は出番自体が減ったこともあって、“らしい”ヒットがなかなか出なかった片山選手。

 「勝負事なので、それにしっかり入りきれていなかったという答えに辿りついたんです。技術の前に何としてでもピッチャーのボールを打ち返すという意識を持って、集中して入っていたのに、途中で自分の方向性を見失っていた。やるべきことをやらずにいたと。だから、なるべくしてなったと思っています。周りもそう思っているはず」

 なるほど。確かに、食らいついていく姿が何より印象的だったけれど、少し落ち着いてきた感じはありましたね。このヒットは大きな意味を持つかもしれません。

 ところで、平田監督から「モヤへの配球を聞いてみて」という言葉もあったんですけど、あの一発については?「準備不足ですかね。途中から出て、ワンチャンスで引っくり返せる状況で使っていただきながら、準備ができていなかった。たとえば前打席のモヤのことも把握するとか、そこは自分の失敗です。防げたホームランでした」

直球が「まだまだまだ」

まだ納得できるピッチングではないという望月投手です。
まだ納得できるピッチングではないという望月投手です。

 次に投手陣です。先発の望月投手は7回を投げて2失点ながら、毎回の8安打で常に走者を背負うピッチング。振り返って「うーん、そうですねえ。うーん。ちょっとストレート自体が、こう…」と言葉が続きません。まだ?「“まだまだまだ”ぐらいですねえ」。まだの数がとても多いようです。

 「ヒットのされ方が、簡単に捉えられている感じがあるので。そこまでの変化球でのタイミングのはずし方なのか、質をもっともっと上げて詰まらせるような真っすぐを投げていかなきゃいけないのか、というのを感じましたね」

 最速153キロと球速は出ていますが。「そうですね。でも最近ちょっと僕自身、そんなに出ている感じはしなかったので。ストレートも変化球も、スピードだけじゃなくて質とかキレとかを、もっともっと上げていかなくちゃいけないと思います」

またモヤ選手にやられました

 石井投手に、またモヤ?と話を振ったら「またモヤです」と苦笑。実は、ずっと続いていた無失点ピッチングが止まったのは4月27日の中日戦(ナゴヤ)で、それがモヤ選手のソロホームランでした。そのあとの2試合は再び無失点で迎えた、きのう9日の試合。1イニング目はビシッと三者凡退の快投!ところが2イニング目で、先頭のモヤ選手にまたしてもホームランを許してしまったわけです。

1点取られたあとはピシャリ。でも複雑な表情で戻ってくる石井投手。
1点取られたあとはピシャリ。でも複雑な表情で戻ってくる石井投手。

 まず106キロのカーブをハーフスイングさせ、打たれた2球目も108キロのカーブ。「1イニング目の感じでモヤに入ってしまった。手伸びのローボールヒッターなので、もっと最初にスイングを取ったくらいのボール球でよかったですね。もうちょいインハイとか投げて、外を広く使っていけばよかったけど、思ったより早いカウントでいかれちゃいました」と反省しきり。

 この日、最速は148キロで「ことしに入ってから何度か出ていると思う」と石井選手。昨年もありましたね。「球も最近はいい感じで投げられています。球速を意識しないと言ったら嘘になるけど、(スピードが)出ていなくてもストレートで抑えられているから、感じはいいかなと」。ホームランを打たれたあとは2奪三振など3人で片づけ「真っすぐが走っていて、カーブも決まっていた」と、モヤ選手以外は納得の投球だったようです。 

    <掲載写真は筆者撮影>