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今季も全力疾走の板山選手、大学戦2試合は3本塁打で5安打5打点!《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
6日と7日の対大学戦2試合で、3本塁打を含む5安打5打点と気を吐いた板山選手。

 阪神タイガースのファーム教育リーグはソフトバンク2連戦を終え、次はきょう8日からの中日3連戦です。どうやら中日のドラフト1位ルーキー・根尾昂選手が鳴尾浜にやってくるのでは?という報道でワクワクしますね。

 その前に6日は奈良学園大学、7日は近畿大学を迎えてプロ・大学交流試合が行われました。どちらもお天気がイマイチだったのは残念ですけど、これが鳴尾浜での今季初ゲームとあってファンの方や学生さんたちも来られ、無事に2試合ともできて何よりでした。あす9日からは甲子園でオープン戦、鳴尾浜で教育リーグです。どちらも多くの方が観戦予定でしょう。

 なお7日には、とても嬉しいニュースが!1月に大腸がんであることを公表した原口文仁選手が、チームに戻ってきました。甲子園と鳴尾浜でみんなに挨拶をしたあと、鳴尾浜で約4時間のトレーニング。テレビのインタビューでは今季初のユニホーム姿も披露するなど、笑顔がこぼれる“初出勤”だったと聞いて、ひと安心です。

 でも、すべてはこれから。始まったばかりなので、焦っても、焦らせてもいけません。ゆっくり、じっくり。とはいえ原口選手に「無理をするな」といっても無理な話なので、「無茶はしないように」とだけ伝えまたいと思います。そうそう、安芸キャンプで横田慎太郎選手も言っていました。「ゆっくり治してください。いつか2人で甲子園のお立ち台に上がりましょう!」と。みんな待っていますからね、どんなに時間がかかっても。

奈良学園大との初対戦は引き分け

6日の奈良学園大学側スタンド。右に座る学生の皆さんは後半、雨に中で傘も差さず姿勢も崩さず観戦されていました。
6日の奈良学園大学側スタンド。右に座る学生の皆さんは後半、雨に中で傘も差さず姿勢も崩さず観戦されていました。

 では、6日に行われた奈良学園大学との試合結果をご紹介します。ルーキーの近本光司選手、木浪聖也選手をはじめ、7人が宜野座キャンプ組というスタメン。投手では3人目で投げた斎藤友貴哉投手も宜野座スタートだったので、私はこの3人のユニホーム姿を初めて生で見るんだなあと実感しました。遅ればせながら。

 相手の3番が「ピッチャー・菅田」となっていて、DHは使わないの?とビックリ。菅田大介選手は、いわゆる二刀流なんですね。1回の打席は空振り三振で、その見逃し方や振り方がぎこちなかったんですけど、どうやら緊張していたみたいで。以降は二盗を決めたり、タイムリーを含む2安打!6回からはライトを守ってフル出場でした。

鳴尾浜のことし初試合は、こんなオーダーです。
鳴尾浜のことし初試合は、こんなオーダーです。

《交流試合》3月6日

 阪神- 奈良学園大学 (鳴尾浜) 

 奈学 000 000 020 = 2

 阪神 000 200 01X = 3

  

◆バッテリー

【阪神】秋山-石井-斎藤-歳内 / 岡崎-小宮山(8回~)

【奈学】菅田(5回)-大畑(4回) / 吉岡

◆本塁打 神:板山(大畑) 奈:吉岡ソロ(石井)

◆二塁打 神:木浪3 奈:池尻

◆盗塁 神:俊介、植田 奈:菅田、豊山2

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]右:江越  (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)

〃右:俊介  (2-1-0 / 1-0 / 1 / 0)

2]中:近本  (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0)

〃遊:小幡  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

3]三:木浪  (3-3-2 / 0-0 / 0 / 0)

〃三:藤谷  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

4]指:板山  (4-1-1 / 1-1 / 0 / 0)

5]一:山崎  (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0)

〃一:森越  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

6]左:島田  (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0)

7]二:熊谷  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 1)

8]捕:岡崎  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃捕:小宮山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]遊中:植田 (3-1-0 / 0-1 / 1 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

秋山 2回 25球 (1-1-0 / 0-0) 140

石井 3回 54球 (5-2-2 / 3-3) 136

斎藤 2回 27球 (1-1-1 / 1-0) 147

歳内 2回 39球 (3-3-1 / 1-1) 140

<試合経過>※敬称略

先発の秋山投手2回を投げて1安打無失点。
先発の秋山投手2回を投げて1安打無失点。
1回に先制の2点タイムリーを放った島田選手。
1回に先制の2点タイムリーを放った島田選手。

 先発の秋山は1回、わずか9球で三者凡退。その裏に打線は制球の定まらない菅田から連続四球を選び、木浪が左翼線へ落ちるタイムリー二塁打!ノーアウトで先制です。1死後に山崎は死球を受けて一、二塁となり、次の島田が左前へ2点タイムリー!3点を取りました。2回の秋山は4番・瀬口に右前打されますが、投ゴロと一ゴロ併殺。ここも3人で片づけて予定終了です。

 ところが2人目の石井が3回、1死から8番のキャッチャー・吉岡にレフトへホームラン!そのあと中前打に続いて1番・池尻が中越えのタイムリー二塁打。4回は2死から内野安打と盗塁を許したものの0点に抑えましたが、5回は四球と内野ゴロ2つで2死三塁となって姿に右前タイムリー。これで3対3の同点。

石井投手は3回にホームランを浴びます。
石井投手は3回にホームランを浴びます。

 しかし、その裏に打線が追いつきます。2死から近本が右前打、ついで木浪が右翼線へのタイムリー二塁打!木浪は3回にも左翼線二塁打を放っており、これで3打席連続二塁打です。

5回の木浪選手は右翼線にタイムリー二塁打!
5回の木浪選手は右翼線にタイムリー二塁打!
これで近本選手が一塁から生還!ちなみに鳴尾浜のベンチも2月に改修され、ご覧のように甲子園仕様となりました。
これで近本選手が一塁から生還!ちなみに鳴尾浜のベンチも2月に改修され、ご覧のように甲子園仕様となりました。

 4対3で前半を終え、6回は斉藤が登板。このあたりから雨が降り出しました。先頭に内野安打されるも、後続を断って無失点。7回は先頭に死球を与え、犠打で二塁へ。2死後に姿の二ゴロでエラーがあり、2死一三塁となります。ついで菅田が誘い出され、岡崎から熊谷へ渡ったボールでタッチアウト!その間に三塁走者が生還していて4対4。

 7回くらいからは雨が本降りになった鳴尾浜。8回から歳内と小宮山のバッテリーに交代しました。先頭に死球、次は右前打、内野ゴロ2つで2死一、三塁となり、吉岡が中前タイムリー。1点勝ち越されます。するとその裏に、ここまでヒットのなかった先頭の4番・板山が2ボールからの3球目を打ってセンターバックスクリーンへ同点ホームラン!それから森越と島田が連打、熊谷の犠打で1死二、三塁としたものの、小宮山の打球は三直で併殺。惜しい~。

歳内投手は8回に1点を失いますが、9回は3奪三振で0点に。
歳内投手は8回に1点を失いますが、9回は3奪三振で0点に。

 9回は歳内が2死から菅田に左前打されますがアウト3つをすべて三振に切って取って無失点。その裏は先頭の植田が四球を選び、続く俊介の右前打で三塁まで進みました。さらに俊介も二盗成功!しかし小幡の一ゴロと藤谷の三ゴロで、植田も俊介もともにホームでアウト…。板山の四球で2死満塁としますが、森越は右飛に倒れて試合終了です。

初先発を終え「次に進める」と秋山

 秋山拓巳投手は昨秋の右ヒザ手術明けということで、安芸キャンプスタートだったものの順調な回復ぶり。キャンプでの練習試合に2度登板して迎えた初先発のマウンドに「問題なく投げることができました。準備も、ゲームの入りも、先発の流れで入れた」と話しています。そして「緊張しました。逆球は何球かあるけど、それ以外はまずまずだったかな」と振り返りました。

秋山投手は先発での登板をクリアして、次へ。
秋山投手は先発での登板をクリアして、次へ。

 「カットボールの曲がりを小さくしようとして、それが詰まってくれたけど、プロ(相手)になるとどうかわからない。でも感覚的にもカットらしくなっていると思います」。真っすぐは押し込めていたのでは?「指のかかりは悪くないです」。最速140キロと、スピードガンがあまり出ていなかったことも「感覚的よりは出ていないけど、順調に来ています。次には進めると思う」とのこと。

 矢野監督が見に来ていた点を聞かれ「まだリハビリだし、見に来てもらうことはモチベーションが上がるけど、焦らずにやりたい。何か言われるまでは」と秋山投手。矢野監督が開幕ローテーションの候補だと話していたことにも「まだリハビリなので、ここから問題なくできるようにやるだけです」と冷静でした。

目指すところは変わらず、開幕のローテ入りです。
目指すところは変わらず、開幕のローテ入りです。

 香田投手コーチは「段階を踏んで、今のところ順調に来ていますね。(先発として)ブルペンからすごくよかったですし、ボールのキレも非常によかったんじゃないですか」と分析。矢野監督の開幕ローテ候補という言葉を受けて「まだすぐってわけにはいかないですし、今後も段階を踏んで『よし、これで大丈夫』ってところまで」と話しています。

板山、2試合で3発5打点!打率.625

 板山祐太郎選手は3打席凡退後の8回、勝ち越された直後に同点ソロ!「感覚的には普通に“行った”と思いました。その前の3打席の反省があって、自分の中で技術的な部分を試してみようと。実戦の機会だったし思い切って変えてみました」。試合中に何かを変えるのは、なかなか勇気のいることですね。それはどこを?

ベンチで迎える監督やコーチ、選手の顔を見て白い歯がこぼれた板山選手。
ベンチで迎える監督やコーチ、選手の顔を見て白い歯がこぼれた板山選手。
7日にも2ラン連発ってすごいですね。次は甲子園で!
7日にも2ラン連発ってすごいですね。次は甲子園で!

 「バットの軌道です」。上から?「逆にあの打席は“ちょっと下からいってやろう”くらいの形で。いい時はそうやって打っていたんだからと思ったんです。ゴロも切ったような打球が多くて、なかなか自分の中で感覚がよくならなかった。公式戦に入ったら、試合中にはできない。今は試す場でもあったので思い切って変えてみました」

 それにしても打球が伸びた!「伸びましたねえ。いい感覚だった。バットにボールが貼りついたような。とりあえず走りましたけどね(笑)。本当にいい感覚。でも前の3打席はしっかり反省して」。矢野監督の視察については「関係ないです。打てるにしても打てないにしても、自分のできることを精一杯やるだけです」というコメント。

 最後に確認していいですか?なんせ久しぶりの“直取材”なもんで(笑)。ことしも走塁や攻守交代時の全力疾走は継続?「もちろん!」。力強く肯定。続いて記者陣からの、開幕1軍が目標?という問いにも「もちろん!」とうなずく板山選手です。ちなみに7日の近畿大学戦では1回2死一塁で2ラン、3回2死二塁で2ラン(どちらもライトへ)、5回は右前打、6回は中前打、8回が四球で4安打4打点の10割!2試合で3本塁打を含む8打数5安打5打点と気を吐いています。

宜野座組ルーキーズに初取材

5回に右前打を放って一塁へ。近本選手(左)と日高コーチのグータッチは…ちょうど見えませんね。
5回に右前打を放って一塁へ。近本選手(左)と日高コーチのグータッチは…ちょうど見えませんね。

 そして、ルーキー3選手の話です。近本選手は6日、四球と二ゴロのあと5回に右前打し、木浪選手の二塁打で一気に生還しました。それでも「きょうは大したことができなかった。もうちょっと練習していかないと」という言葉。7日には2打席連続二塁打を放って3打数2安打2打点と結果を残し、きょう8日は1軍のオープン戦です。

木浪選手が放った3本の二塁打のうち、これは2本目。3回です。
木浪選手が放った3本の二塁打のうち、これは2本目。3回です。

 木浪選手は6日に3打席連続二塁打で、そのうち2本がタイムリー。「1軍、2軍でやることは変わらない。しっかりやることができました。チャンスの時は還したいという気持ちが強いので、より集中できます。1打席目と2打席目はたまたま落ちた感じで納得していないけど、結果が出ているのはいいこと」。7日も1回に右前打を放ってアピールしています。

 斎藤投手は6日、6回に登板して2イニングを投げ1安打1失点。「先頭を出してしまって最悪です」と言うように、6回は内野安打で、7回は死球で先頭を出しました。7回は2死から味方のエラーがあったので自責にはなりませんが、最終的にその走者を還しての失点です。真っすぐは?「まだまだ全然です」。雨の影響もあったのではないかと聞かれ「それはないです」とキッパリ。

斎藤投手は6回から登板して1安打1失点(自責0)。
斎藤投手は6回から登板して1安打1失点(自責0)。

 「フォームや力感(という点)で、やろうとしていることはあるんですが、その中でも抑えないと上が見えない。チャンスをもらっている限りアピールしたい」。開幕1軍が目標?「そこはぶれずに。チャンスをもらえる限り、しっかり結果を残したい。モチベーションとしてもあります。そこに向けて取り組みたいです」。ちなみに7日も、牧投手が打球を受けたアクシデントにより急きょ登板。打者2人を抑えました。

7日の近大戦は先発全員安打!

 7日の近畿大学戦は結果と試合経過だけ書いておきます。阪神は18安打を放ち、そのうちホームランが4本。板山選手が2発、育成の藤谷洸介選手と片山雄哉選手が1本ずつ、すべて2ランでした。また近本選手の2本など、二塁打も計6本出ています。4番の板山選手が4安打、9番の植田海選手は3安打、他に2安打も3人など、なんと先発全員安打!すごいですねえ。

《交流試合》3月7日

 阪神- 近畿大学 (鳴尾浜) 

 近大 210 001 000 = 4

 阪神 202 322 02X =13

  

◆バッテリー

【阪神】谷川(4回)-高橋遥(1回)-呂(1回)-湯浅(1回)-牧(1/3回)-斎藤(2/3回)-石井(1回) / 長坂-小宮山(8回~)

【近大】鷲崎(3回2/3)-宮崎(1回1/3)-梁川(1回)-古川(1回)-千代(1回)- / 井町-蔵野(2回~)-大杉(7回~)

◆本塁打 神:板山2ラン、2ラン(鷲崎)、木浪2ラン(梁川)、片山2ラン(千代)

◆二塁打 神:近本2、江越、片山、板山、植田

     近:佐藤、向

<試合経過>※敬称略

 まず谷川は1回1死から連打され、4番・佐藤に先制のタイムリー二塁打。続く中川の犠飛でもう1点を取られますが、その裏に2死から木浪のヒットと板山の2ランで同点!と思ったら、2回に二塁打や死球などで2死三塁として1番・竹村の犠飛で勝ち越しを許しました。谷川は3回と4回を三者凡退に切って取り、その間に打線が逆転しています。

これは6日の近本選手。7日は二塁打2本を放ちました。
これは6日の近本選手。7日は二塁打2本を放ちました。
板山選手が6日にホームランを放った時の写真。ベンチ前で迎えた新井コーチ(右)も笑顔です。
板山選手が6日にホームランを放った時の写真。ベンチ前で迎えた新井コーチ(右)も笑顔です。

 3回は1死から近本が二塁打、2死後に板山が2ラン!これで4対3となり、4回には2死から長坂と植田が連打して、江越と近本の連続タイムリー二塁打で計3点!

 引き続き攻撃をご紹介します。5回は板山の右前打と片山の二塁打が出て、1死後に熊谷の2点タイムリー!さらに6回は植田の中前打などで2死二塁となり、途中出場の藤谷が2ラン!7回は島田の内野安打と植田の二塁打で2死二、三塁と攻めるも追加点なし。しかし8回、連続三振で2死となってから板山が四球を選んで、片山がセンターへ2ラン!全部で13点を取りました。

 リリーフ陣は、5回に高橋遥が登板して3者三振!お見事です。6回の呂はヒットと2四死球などで2死満塁となり、三ゴロで1点返されます。7回は湯浅が、先頭に四球を与えたものの併殺もあり3人で終わらせます。8回は牧と小宮山のバッテリーに。牧は初球で打ち取ったのですが、打球を受けて降板。代わった連投の斎藤が残り2人を片づけ、9回はやはり連投の石井が、先頭から連打されるも後続を断って試合終了です。

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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