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満塁弾で始まって満塁弾で終わった、今季最後のオリックス3連戦《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
11日に「多分、人生初」の満塁ホームランを放った今成選手(写真中央)。

 今季、ウエスタン・リーグの優勝争いは早くから阪神とソフトバンクに絞られた感じですが、9月半ばを迎えてもマジックナンバーは点灯していません。気づけば鳴尾浜のグラウンドを赤とんぼが飛び交い、空には秋の雲が広がっています。

 そんな中、今季本拠地での最終カードとなるソフトバンク戦は19日が予定通り鳴尾浜で、20日と21日は甲子園球場に変更されました。昨年は狩野選手の引退試合と掛布監督のラスト采配で、同じように最後の2試合が甲子園でした。ことしは、もしかしたら優勝が決まる可能性も?ということで、より多くのお客様に来ていただくための措置でしょう。

 甲子園で優勝が決まる場合、それはもちろん阪神なんですけど、何といっても先日のオリックス3連戦で最後の試合を落としたのが痛かったですねえ。11日と12日に連勝しながら13日は逆転負け。ソフトバンクも中日相手に2勝1敗で、結局2.5ゲーム差のままです。

 阪神は19日からの直接対決まで公式戦がなく、その間にソフトバンクはタマスタ筑後に広島を迎えての3連戦。きのう15日は6対2で広島が勝ちました。もしソフトバンクが3連敗して鳴尾浜に来れば、19日に阪神の勝ちでマジック2が点灯、翌20日も勝ったら優勝決定!これが最短となります。真逆のパターンで、もしソフトバンクが優勝するなら最短で23日…というのは考えずに、とにかく勝ちましょう!一番心配なのはお天気。微妙な降水確率ですね。

 ところで、阪神ファームは14日と15日に交流試合を行っています。14日はトヨタ自動車戦で、9回に代打の藤谷選手がサヨナラホームランを放ち2対1の勝利!野手に転向してから、まだ2試合目、しかも2打席目ですよ。ビックリさせてくれますねえ。この件はまたいつか書かせていただきます。そして15日の大阪ガス戦は初回に2点を取りながら6点を与え、逆転負けでした。

 きょうは11日から13日まで行われたオリックス戦の話をご紹介します。満塁ホームランで始まり、満塁ホームランで終わった3連戦。3試合とも阪神は4得点だったんですね。これをもって今季のオリックス戦はすべて終了しました。対戦成績は阪神の17勝7敗3分けです。

【11日】今成選手の満塁弾で決着!

 この試合は、藤浪投手が3回3安打1失点、そのあと浜地投手が5イニングを3安打無失点。8回に2四球と代打・荒木選手のヒットで1死満塁として、今成選手が逆転満塁ホームラン!最後は伊藤和投手が締めて20セーブに到達しました。

《ウエスタン公式戦》9月11日

阪神-オリックス 25回戦 (鳴尾浜)

 オリ 100 000 000 = 1

 阪神 000 000 04X = 4

◆バッテリー

【阪神】藤浪-○浜地(3勝1S)-S伊藤和(1勝2敗20S) / 坂本-長坂(8回~)

【オリ】榊原(4回)-海田(1回)-岩本(2回)-●山崎颯(2勝7敗)(6回)-佐藤世(1回2/3)-戸田(1/3回) / 飯田

◆本塁打 神:今成5号満塁(黒木)

◆三塁打 オ:小島

◆盗塁 オ:佐野2(6)

“ロサリオ監督”?の真相

“トロ”こと、ロサリオ選手は楽しいことが大好き。
“トロ”こと、ロサリオ選手は楽しいことが大好き。

 まず11日の試合開始前、メンバー表交換の際に三塁側ベンチから出てきたのはロサリオ選手!手にはメンバー表を持って、オリックスの田口監督や審判の方々と笑顔で握手までしちゃいました。小走りにやってきた矢野監督が割って入り、笑いながら「帰って」と。ロサリオ選手は「え、お呼びでない?」というようなリアクションで、あちこちお辞儀をして去り、スタンドからは大きな拍手です。

 試合後、矢野監督に尋ねてみたところ「いや~、あいつがやりたいって言うから(笑)」と。なるほど、志願したんですね。ロサリオ選手が出ていくのをベンチから見ていて「途中で戻ってくるかと思ったら最後まで行ったんで、これは相手に失礼かなと思って」矢野監督は止めにいったそうです。田口監督も審判の皆さんも笑顔だったので問題なし、でしょう。

元阪神・岩本投手は久々の鳴尾浜

オリックスの岩本投手。阪神時代よりさらに力感が増したピッチングです。
オリックスの岩本投手。阪神時代よりさらに力感が増したピッチングです。

 また7月にオリックスへ入団した、もと阪神の岩本投手が6回に登板。2イニングを投げ2安打無失点でした。退団後に鳴尾浜で投げるのは初めてとあり、名前がコールされると阪神ファンから「ガンちゃん、お帰り!頑張って~」の声援。本人にもしっかり届いたそうですよ。

 球速がかなりアップしたこともNPB復帰の大きな要因です。BCリーグ・福井では150キロもマークしたとか。この日の最速は148キロで「まだ(オリックスに)来てから150は出ていないんですよ。この阪神3連戦で出します!」と宣言しました。でも登板することなく、14日に1軍昇格!さっそく札幌ドームで投げていますね。

なぜマイクを地面に置いたのか?

グラブと帽子の隣に、そーっとマイクを置く今成選手。
グラブと帽子の隣に、そーっとマイクを置く今成選手。

 ヒーロースピーチは今成選手です。マイクを受け取ってから自身の立ち位置を確保し、足元にグラブと帽子を置いて、そのあと「あ、あ」と念入りにチェックをしたマイクを、なぜかグラブの隣にそっと置きます。古すぎてわからない人もいらっしゃるでしょうけど、まるで山口百恵さんのラストコンサートのように。

 そして、応援団長のごとく大声で何かを叫び、早すぎて噛んだのか少し遅めになったものの声が大きすぎて「5万5千人の」という言葉がチラッと聞こえただけ。そのあと声を落として「きょうは僕のホームランを見に来ていただき、ありがとうございました!これで終わります。アイッ!」と、ポーズを決めました。

今成選手のパフォーマンスに笑顔

藤浪投手は11日に3イニングを投げ、14日から1軍に合流。きょう16日のDeNA戦で先発します。
藤浪投手は11日に3イニングを投げ、14日から1軍に合流。きょう16日のDeNA戦で先発します。

 試合後の矢野監督の話は藤浪投手から。「この前より球の質はよかったと思うよ。スピードガンが目安にもなるけど、バッターを押し込んでいるっていうのも前回よりはあったと思う。短いイニングでも、いろんな球種を使えたし、牽制も。やることをやれたと思う。1軍の日程が厳しくなっていく中で、晋太郎も絶対に必要とされるやろうし。上で投げる時に場所が変わってもやることは変わらない、そういう気持ちでいったらいいんちゃうかな」

8回2死一、三塁の場面で小谷野選手を中飛に打ち取ってホッ。植田選手を見やる浜地投手。
8回2死一、三塁の場面で小谷野選手を中飛に打ち取ってホッ。植田選手を見やる浜地投手。
フェンス際の飛球をナイスキャッチ!その植田選手(中)と中谷選手(右)、高山選手(左)。
フェンス際の飛球をナイスキャッチ!その植田選手(中)と中谷選手(右)、高山選手(左)。

 浜地投手には「ある程度の間隔で、ある程度の球数とイニングを投げられるようになってきているから、それは成長。しっかり自分で目標を定めてやっていってくれたら。ことしのうちに、もしかしたら1軍で投げるチャンスがあるかもしれんしね。毎回言っているけど、真っすぐの質は1軍に行っても通用するようなものを投げるんで、楽しみは多い」とのこと。

 今成選手のグランドスラムの話になると「出会いがしら(笑)」と矢野監督。「満塁ホームラン、初めてらしいわ。ナイスバッティングやね。荒木もそうだけど、途中から行って打つってすごく難しいのよ。そういうのはスタメン出ているやつが見習うべき部分。あの場面も状況も、途中から行ったことも、すべて含めて価値のある1本やったと思う。もちろんファームやけど、勝てるに越したことはないので」

 そしてヒーロースピーチも「最後はマイクも要らんかったみたいやな。気持ちが先走って準備も早いし、声もデカすぎてようわからへんし(笑)。でも嬉しいよね。ああやってファームでもテンション上げて、お客さんを喜ばせたいと思ってやっている姿は、俺もそういうことは頑張ろうって言っている部分もあるから、すごく嬉しい」と絶賛でした。

選手コメント 浜地&島田

浜地投手は5イニングを投げ、内野安打2本を含む3安打のみで無失点。
浜地投手は5イニングを投げ、内野安打2本を含む3安打のみで無失点。

 浜地投手に、前回登板では好投しながらも自身で納得できなかった真っすぐについて聞くと「きょうは悪くなかったんじゃないですかね。前回の修正はある程度できていたかなと思います」という返事。どこをどう修正?「この前は浮いたり精度が悪かったりしたので、そこにまず取り組みました。ある程度は修正ができていたのでよかったかなと。変化球も4回くらいまではしっかりコントロールできていたから」

 この日の最速は149キロでした。プロ最速?「去年も150は出ていないですね。149くらいだと思います。(プロ入り最速)タイですね」。0点に抑えて、次への課題は?「いろいろありますけど、もっと全体的にレベルアップしないと、とは思いますね。まだまだなので」。とても冷静で、自分をしっかり見られるところはベテラン並みかもしれません。次も期待しましょう!

島田選手が3回に試みた二盗。スタートは悪くなかったですね。
島田選手が3回に試みた二盗。スタートは悪くなかったですね。

 島田選手は試合後、我々の顔を見るなり「すみません!ほんと、すみません!」と謝ります。ヒットで出塁した3回、盗塁の瞬間を待つ記者やカメラマンの視線を感じたらしく、新記録挑戦失敗を詫びてくれたもの。「スタートもスライディングも悪くなかったんですけど、1つ前の変化球で行っておけばよかった(走ったのは真っすぐ)。駆け引きがダメでした。そこが自分の課題でもあります」

諦めない心、そしてサービス精神

11日の8回、今成選手が放った打球はレフトへ。行方を見守って静止しています。
11日の8回、今成選手が放った打球はレフトへ。行方を見守って静止しています。
見事、逆転満塁ホームランとなって浜地投手(右)ともハイタッチ。
見事、逆転満塁ホームランとなって浜地投手(右)ともハイタッチ。

 お待たせしました。ヒーロー・今成選手です。2球目のファーストストライクを打った満塁弾に「1打席しかないと思っていたし、全体的にも序盤からあまりチャンスがなかったので、ここだなと思って打席に入りました」と振り返ります。「人生初めてじゃないですかね。3ランとかはあるんですけど、満塁は多分ないと思う」と振り返っています。

 0対1で迎えた終盤でしたからね。「最悪でも犠牲フライという気持ちもあったんですけど、あえて外野へ持っていくという気持ちで。いいところに打てて、たまたま。狙いにいってではないです」。入ると?「いや思わなかった。切れるかなと思って打ってから止まっちゃったんですよ。そしたら真っすぐ飛んで行ったので、やばい!と思って走りました(笑)」

そして大きな声で「…!」。よく聞こえませんでした(笑)。
そして大きな声で「…!」。よく聞こえませんでした(笑)。

 途中から試合に出て、という部分を監督も評価していたと伝えたら「難しいんですけどね、僕らはそういうとこで結果を出さないといけない。もし1軍に上がるとしても、そういうところからなので。シーズンも終盤ですけど、まだまだチャンスはあると思うので、矢野さんからも“諦めるな”って言葉ももらっていますし、僕もそういう気持ちでやりたい」と、前を向く今成選手。

 そうそう、ホームランボールが返ってきましたね?「絶対、ふざけて何かやられたなあと思いましたよ(笑)。今季5号でしょ?なのに返ってきて。まあ満塁ホームランだからいいかな~と思って」。手渡した藤本コーチも「これ、ホームランボール」って笑っていたような気がします。でも人生初なら、ぜひ記念にしてください。

「5万5千人の!」と叫んでいる今成選手。皆さんには聞こえましたか?
「5万5千人の!」と叫んでいる今成選手。皆さんには聞こえましたか?

 ヒーロースピーチは「聞いていて、マイクを使ったら時間差があるので嫌だな~と思ってたんですよ。だから」地声で叫んだわけですね。それでも聞こえなかった最初の部分を教えてください。「応援団風に、鳴尾浜にお越しの…まで言ったら噛んじゃって(笑)。鳴尾浜にお越しの5万5千人の皆様!って言ったんです」。マイクテストした挙句に置いたのは?「ちょっと面白いかなと思って。関西人ってそういうの好きでしょ?知ってるんだから」。なぜかドヤ顔でした。

【12日】チーム盗塁数のリーグ記録更新!

 12日は、中谷選手の4号ソロで先制。直後に岩田投手が同点ホームランを浴び、7回に高橋聡投手も小島選手のソロで2対1。その裏に板山選手のタイムリー二塁打で追いついたら、8回に谷川投手がまたソロホームラン。その裏、代打・荒木選手が中前打し、島田選手が右翼フェンス最上部を直撃する三塁打で逆転成功!そのまま逃げ切っています。11日に続いて、この日も荒木選手が代打でチャンスを作ったわけですね。

《ウエスタン公式戦》9月12日

阪神-オリックス 26回戦 (鳴尾浜)

 オリ 000 001 110 = 3

 阪神 000 010 12X = 4

◆バッテリー

【阪神】岩田(6回)-高橋聡(1回)-○谷川(7勝1敗)(1回)-島本(0/3回)-S守屋(2勝1敗1S)(1回) / 長坂-岡崎(8回~)

【オリ】山崎福(6回)-小林(1/3回)-斎藤(2/3回)-●青山(2勝1敗3S)(1回) / 飯田

◆本塁打 神:中谷4号ソロ(山崎福) オ:飯田2号ソロ(岩田)、小島1号ソロ(高橋聡)、マレーロ3号ソロ(谷川)

◆三塁打 神:島田

◆二塁打 神:山崎、板山 オ:比屋根

◆盗塁 神:森越(6)、高山(9)

11日も12日も、この荒木選手が代打でヒットを放って逆転につなげました。写真は11日の中前打です。
11日も12日も、この荒木選手が代打でヒットを放って逆転につなげました。写真は11日の中前打です。

 この試合の8回無死一、三塁で今季チーム157個目の盗塁を決めたのは森越選手です。キャッチャーは送球せず、森越選手も滑り込まず、テレビカメラもまったく映さず…という状況で、本人も二塁に到達してベンチが沸いたから、新記録だと気づいたみたいです。そんな静かな更新のあと、高山選手も走って計158個。2013年にソフトバンクが記録した156個を抜いてリーグ最多となりました。

 島田選手のヒーロースピーチを書いておきましょう。「試合の途中で雨が降ってくる中、最後までご声援いただき本当にありがとうございました。1点負けている場面で、先頭の荒木さんが出塁されて、次のバッターに何とかつなぎたいという気持ちがあったので、いい結果になったと思います。ファームの試合も残りわずかとなっていますが、最後まで全力で頑張っていきたいと思います。球場に足を運んでくださって、これからも最後まで応援よろしくお願いします」

【13日】満塁弾を浴びて逆転負け…

8回に左中間へ二塁打を放ち、エラーも重なって三塁まで激走する小宮山選手。必死のパッチ!ですね。
8回に左中間へ二塁打を放ち、エラーも重なって三塁まで激走する小宮山選手。必死のパッチ!ですね。

 先発の馬場投手は1回に1点を失いますが、3回にロサリオが逆転2ラン!4回には今成選手のタイムリー二塁打で3対1としました。しかし5回、2死から連続四球を与え二塁打と内野安打で同点となり、また四球で今度は満塁ホームラン…。さらに3連打でもう1点。この回、馬場は打者11人に6安打3四球で7失点です。以降は竹安投手と尾仲投手が0点に抑えるも、打線は6回1死一、三塁で小宮山選手の投ゴロで1点を返しただけでした。

《ウエスタン公式戦》9月13日

阪神-オリックス 27回戦 (鳴尾浜)

 オリ 100 070 000 = 8

 阪神 002 101 000 = 4

◆バッテリー

【阪神】●馬場(6勝2敗)(5回)-竹安(3回)-尾仲(1回) / 阪本-長坂(8回~)

【オリ】○山崎颯(4勝7敗)(6回)-大山(2/3回)-金田(1/3回)-青山(1回)-佐藤達(1回) / 飯田

◆本塁打 神:ロサリオ5号2ラン(山崎颯) オ:白崎1号満塁(馬場)

◆二塁打 神:今成、小宮山 オ:マレーロ、小谷野、飯田

馬場投手に心構えを説く矢野監督

先発の馬場投手は4回まで1失点でしたが…5回につかまります。
先発の馬場投手は4回まで1失点でしたが…5回につかまります。

 矢野監督は馬場投手について「もったいないというかね。ピンチになったら球数を使って(相手を)じらすくらいの気持ちでいってほしい。本人に聞くと、そういうのはあまりない感じに思えたので。それが経験として次に生かせるからね。2死ランナーなしから7点って…そうは取られへんよ、準備があれば。そこは課題やね。ちょっとした心の準備、頭で考えたら防げる。まずアイツのできることは準備をしっかりすること、それとボールの質を上げていかないと1軍ではしんどいね」と分析しています。

 5回9安打5四球で8失点という結果に馬場投手は「2死という状況の中で一度考えて、変化をつけるというか。何か違ったことをしてバッターの反応を見るとか、そういう余裕を感じ取る力が必要だったイニングかなと思います。相手のバッターを観察していきたい。ピンチになると焦ってしまう。その中で、どう見ていくか。これから身につけていかないといけないところかなと思います」と話しました。

 「それを2年後や3年後でなく、早めに経験して勉強する。1軍でこうなった時に何を投げるかとか、サッと投げずに考えるとか。感じ取る力が必要ですね。1軍でなく、きょう出くわしたことを次につなげていきたい。自分で感じ取る力。頭の部分で成長していかないといけないな、という日でした」

竹安投手と今成選手のコメント

雨天中止が多く、竹安投手も8月30日以来の登板でした。
雨天中止が多く、竹安投手も8月30日以来の登板でした。

 竹安投手に矢野監督は「投げさせてやりたかったけど、なかなかチャンスを作れなくて申し訳なかった。先発で次は使ってみてもいいかなと頭の中ではあるんだけど。いいピッチングをすれば一気にポーンと1軍へ行ける可能性も十分にあるから」と言い、この日のピッチングを差して「それにしても、もうちょっといい方がいいけどね。今の内容じゃまだ“いいですよ”という感じにはならないかな」と続けています。

 竹安投手本人も「きょうはバランスが悪かったです。球がいっていなかったし、フォアボールも同じような球が続いて修正できなかった」と反省。それでも3回1安打無失点という内容ですが「アウトに取った打球も、バッターからしたら芯でとらえているものが多かった。もっとバッターが嫌がることをしないと」と自身の課題を挙げました。

この日はタイムリー二塁打を含む3安打の今成選手。
この日はタイムリー二塁打を含む3安打の今成選手。

 また11日には満塁ホームラン、この日は3安打1打点と気を吐いた今成選手。矢野監督は「絶好調やなあ!ほんとに。ナリらしいというか、思い切って早い段階からどんどん打ちにいけているし、広角に打てるのもナリのいいとこ。みんなのムードが明るくなるってのも大きいし、持ち味を出してくれているよ」と目を細めます。

 早いカウントで打てている件を、今成選手は「いい結果の時はそうかなと思います。コーチからも“いい時は仕掛けが早い”と言われましたし。考えすぎてしまうところがあったので、シンプルに初球から真っすぐを、というのを実践してうまくいっているかも」と振り返っています。そろそろ今成選手が行ってくれませんかね、1軍のムードを変えに。

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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