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甲子園でのカープ戦、江越選手が1号3ラン!青柳投手は左打者に…《6/23 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
5回に反撃の3ランを放ち、ベンチで迎えられる江越選手。

阪神タイガースは23日から、1軍もファームも広島東洋カープとの3連戦。ファームは甲子園球場、1軍はマツダスタジアムでの試合です。きのうの初戦は残念ながら揃って負けてしまいましたが、特に1軍の大敗っぷりは…。そんな中でも今季初登板だった山本翔也投手がキラリと光るピッチングを見せてくれましたね。ファームでも数少ない2イニングを無失点という結果、さすがです!

さて、昼間に甲子園で行われたウエスタン・広島戦は土生選手の3打席連続二塁打(うち1本はタイムリー、1本は3点タイムリー)で4点を取られ、こちらの打線は江越選手が1号3ランを放ったものの、9回に田面投手がメヒア選手の2ランを浴びて6対3の敗戦。これで対戦成績は阪神の4勝9敗2分けとなっています。

《ウエスタン公式戦》6月23日

阪神-広島 15回戦 (甲子園)

広島 010 300 002 = 6

阪神 000 030 000 = 3

◆バッテリー

【阪神】●青柳(2勝2敗)‐福永-田面 / 小宮山-長坂(8回~)

【広島】○中村祐(2勝1敗)(5回1/3)-横山(2/3)-ヘーゲンズ(2回)‐Sブレイシア(2S)(1回) / 坂倉-白浜(9回裏)

◆本塁打 江越1号3ラン(中村祐)、メヒア7号2ラン(田面)

◆二塁打 岩本、土生3

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]遊:西岡  (4-0-0 / 0-0 / 1 / 0) .286

2]二:植田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .215

3]三:今成  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .229

4]左:陽川  (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .269

5]三:キャン (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0) .309

6]右:板山  (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .183

7]中:江越  (4-1-3 / 2-0 / 0 / 0) .077

8]捕:小宮山 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .175

〃捕:長坂  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .139

9]投:青柳  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

〃打:西田  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .256

〃投:福永  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃投:田面  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

青柳 7回104球(9-3-3 / 4-4 / 2.57) 143

福永 1回 23球 (1-1-1 / 0-0 / 3.26) 149

田面 1回 19球 (2-0-0 / 2-0 /11.12)142

<試合経過>

先発の青柳投手は7回4失点。
先発の青柳投手は7回4失点。
0点に抑えたイニング、ゴロをさばいた今成選手とタッチ!
0点に抑えたイニング、ゴロをさばいた今成選手とタッチ!
陽川選手は2打席連続安打でした。
陽川選手は2打席連続安打でした。
2人目は福永投手。約1か月ぶりの試合です。
2人目は福永投手。約1か月ぶりの試合です。
9回は田面投手。2ランを浴びるも自責は0です。
9回は田面投手。2ランを浴びるも自責は0です。

先発の青柳は1回1死から坂倉にストレートの四球、続く堂林には死球を与えましたが、4番・メヒアは一ゴロ併殺打で無失点。でも2回は2死を取ったあと、7番・岩本に右中間二塁打、次の土生は左翼線二塁打で1点を失います。3回は三者凡退で片づけたのに、4回はメヒアとペーニャの連打で無死一、二塁。小窪を三振に取ったものの岩本に中前打されて満塁となり、またもや土生に走者一掃の右翼線二塁打…。

5回は1安打と盗塁などで2死三塁とするも、ここはペーニャを三振に仕留めて0点でした。打線は1回に先頭の西岡が二ゴロ失策で出て、植田の犠打で二塁へ。さらに三盗を決めると今成は四球で1死一、三塁と攻めますが、陽川の三振で西岡もアウトになって無得点。2回からは3イニング連続で三者凡退と4回までノーヒットです。

しかし5回、キャンベルと板山が連続四球で無死一、二塁として江越がレフトへ今季1号ホームラン!これで4対3と1点差に詰め寄りました。1死後に青柳が左前打を放ちますが、ここは追いつけずに終了。その青柳は6回に2死から土生に3本目の二塁打を浴びたものの後続を断ち、7回も2死から堂林に中前打されたあとメヒアから空振り三振を奪って無失点。

8回は福永が登板し、キャッチャーも長坂に代わります。小窪の中前打や盗塁、暴投などで2死二、三塁とピンチを招きながら高橋大は空振り三振!1点差のまま9回を迎えたのですが、3人目の田面は先頭をサード今成の捕球エラーで出し、2死二塁となってメヒアの7号2ランを許しました。

後半の打線は、6回1死から陽川が左前打し暴投で二塁へ、キャンベルは四球を選ぶも板山の三振で陽川が盗塁死。7回、8回は三者凡退。9回は先頭の陽川が右前打、ボークと暴投もあって2死三塁となりましたが、最後は江越が3球三振に倒れて試合終了です。

反省の青柳、収穫の福永

試合後のコメントは青柳投手から。土生選手に3打席連続の二塁打、岩本選手にも二塁打を含む2安打と、左打者に打たれての4失点。「やられましたね。あの2人にやられた。打たれたのは真っすぐとツーシームなんですけど、初回のフォアボールとデッドボールを少し気にしていて…でも中に入ったところを打たれました」と反省の言葉です。

打席では走者なしでもバントを試み、6回には左前打も放ちました!
打席では走者なしでもバントを試み、6回には左前打も放ちました!
左の岩本選手と土生選手に計5安打4打点を献上し、複雑な表情です。
左の岩本選手と土生選手に計5安打4打点を献上し、複雑な表情です。

やはり四死球は課題?「立ち上がりについては(高橋)建コーチにも言われたのですが、デッドボールを生かさないといけないところもあると。どうしても気にしてしまうので」。左打者へのインコースが課題と掛布監督も。「土生さんは左のインコースへ投げたのも、うまく打たれていますね。いずれも140キロ前後の球を打たれている。他の球でもっと組み立てればよかった」

5回は先頭にヒットを打たれ、盗塁とゴロで2死三塁としながらもペーニャ選手を見逃し三振に仕留めて無失点でした。でもベンチへ戻る時に、ちょっと唇を突出して首を傾げていたので、その理由をきいたところ「あれは盗塁ですね。クイックとか工夫していたのに、なんであんな簡単に走られるのかなあって」と、試合後に思い出しても悔しそうでした。なるほど、それで不満げな表情だったのでしょう。

最後に、次は1軍での登板だと思いますが、と振られた青柳投手。「わかんないですねえ。きょうのピッチングがこんなんだったんで…」と言ったあと、気を取り直して「いえ、はい。きょう出た反省を繰り返さないようにしたいです。(次が)1軍であっても、ファームでも」と締めくくりました。

0点に抑えてベンチへ戻る福永投手。「ふうっ」と息を吐きました。
0点に抑えてベンチへ戻る福永投手。「ふうっ」と息を吐きました。

福永投手は、21日に予定されていたソフトバンク3軍戦が雨で流れたこともあり、5月28日のウエスタン・広島戦(周南)以来の実戦です。間隔が空いた点も「違和感はありません」とのこと。「テーマは腕を振って投げるだけだったので。最後までしっかり腕を振ってなげられたのでよかったと思います」。この日は最速149キロが4球、自己最速の152キロには及びませんが149キロはプロ最速タイで、高橋大選手から空振り三振を奪ったのも149キロのストレートです。

この一発で変わっていけたら

続いて、5回に今季1号の3ランを放った江越選手。まず掛布監督の談話をご紹介しましょう。「とにかく、これで変わっていってくれれば。意識が変わっていっている中での一発だから、これで変わっていければね。あすは西岡のあとなので打席は減りますが、この3連戦で様子を見てきたいですね」

では本人のコメントです。2球で追い込まれたあと1球ボール、次の136キロの球でした。「タイミングをしっかり取って、追い込まれていたのでコンパクトにという気持ちで打ちました。結果が出てよかったです」。打ったのは真っすぐ?「真っすぐを引っかけたのか、ツーシームか、ですね」

連続四球の板山選手とキャンベル選手を連れて、祝福のタッチを交わす江越選手。
連続四球の板山選手とキャンベル選手を連れて、祝福のタッチを交わす江越選手。
試合中も西岡選手から何かアドバイスを受けていましたが、試合後のもこんな感じです。
試合中も西岡選手から何かアドバイスを受けていましたが、試合後のもこんな感じです。

1回の空振り三振が頭にあって?「そういう配球からの変化球かなと思っていたけど、配球より自分のタイミングで打ちに行くことで対応できたと思います」。感触は?「よかったけど、当てただけという感じで。風に乗りましたね。浜風に」と少し笑います。「低めをああいう角度で打てたのは、上半身だけでなくしっかりタイミングを取っていけたからかも」

なお3点を追う9回も、2死三塁で同じように2ストライクとなり、でも3球目の変化球で空振りしてしまった点を聞かれた江越選手。「間ができていなかった。急いで、慌てて振ったような…。間ができていないと、ああいう結果になる」と、反省の言葉を最後に引き揚げました。

弟の江越海地選手が所属するMHPS(三菱日立パワーシステムズ)は都市対抗出場を決めていて、初戦に勝てば2回戦は7月22日の10時半からです。ちょうど1軍は22日から神宮での3連戦。都市対抗は東京ドーム。こんなに素晴らしいタイミングはありませんよねえ。ぜひ1軍に上がって、応援に行ってください!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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