序盤は残塁の山…しかし土壇場に追いついてカープと引き分け《5/2 阪神ファーム》

9回2死満塁で2点タイムリー!負けを消した森越選手。1回には左翼線二塁打も。

5月に入り、今季初めて公式戦で広島を鳴尾浜に迎えました。赤いユニホームがスタンドを彩ったのは3月の教育リーグ以来で、ゴールデンウィークの谷間ながら試合開始前には入場を制限される盛況ぶり。ことしは広島に対し、開幕直後にマツダスタジアムで3連敗、4月1日からの由宇での3連戦は、負け、雨天中止、勝ちで1勝4敗。それから1か月が経ち、ともに12勝12敗の5割(阪神は引き分け2つ、広島は1つ)という状況です。

きのう2日の初戦は、5回まで0点に抑えていた岩田投手が6回にソロ2本を浴び、こちらの打線は序盤から残塁の山…。ようやく9回裏の土壇場で追いついて延長に持ち込んだものの、引き分けで終わっています。これで仲良く5割のまま。首位のソフトバンクとは1ゲーム、2位のオリックスとは0.5ゲーム差となりました。

《ウエスタン公式戦》 5月2日

阪神-広島 6回戦 (鳴尾浜)

広島 000 002 000 0= 2

阪神 000 000 002 0= 2

※延長10回、引き分け

◆バッテリー

【阪神】岩田‐守屋‐メンデス / 小宮山‐小豆畑(8回~)‐長坂(10回)

【広島】辻(5回)-佐藤(2回)‐永川(1回2/3)‐オスカル(1回1/3) / 坂倉‐白濱(8回~)

◆本塁打 バティスタ7号ソロ、メヒア3号ソロ(岩田)

◆二塁打 森越、小宮山

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]右:俊介  (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .222

〃打中:板山 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .191

2]遊二:森越 (5-2-2 / 1-0 / 0 / 0) .254

3]中:伊藤隼 (4-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .315

〃投:メンデ (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

4]三:陽川  (4-1-0 / 2-1 / 0 / 0) .262

5]二一:今成 (5-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .288

6]左:狩野  (4-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .342

7]一:新井  (4-3-0 / 0-0 / 1 / 0) .750

〃走遊:植田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .243

8]捕:小宮山 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .091

〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .100

〃打:西田  (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .385

〃走捕:長坂 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .154

9]投:岩田  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃打:大山  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

〃投:守屋  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打右:緒方 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .272

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩田 7回112球(7-3-2 / 2-2 / 5.57) 144

守屋 2回 31球 (0-3-1 / 0-0 / 8.79) 148

メン 1回 13球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 152

試合経過

まず投手陣。岩田は1回、先頭の下水流に右前打されますが併殺もあり3人で終了。2回は三者凡退、3回は1安打2四球で2死満塁としたピンチをしのぎ、4回と5回は1安打ずつ許しただけ。ここまで散発4安打無失点でした。しかし6回は1死からバティスタの7号ソロ、2死後に今度はメヒアの3号ソロで2失点。7回は2死から下水流の左前打と盗塁があったものの追加点は与えていません。

ついで守屋と小豆畑のバッテリーに代わり、7回に1死球を与えただけで8回は連続三振を含む三者凡退。2イニングを0点に抑えています。

9回2死満塁。三塁走者は代走・植田選手。
9回2死満塁。三塁走者は代走・植田選手。
二塁には西田選手の代走・長坂選手。
二塁には西田選手の代走・長坂選手。
一塁は代打で四球を選んだ緒方選手。
一塁は代打で四球を選んだ緒方選手。
森越選手がレフトへ鮮やかなタイムリー!
森越選手がレフトへ鮮やかなタイムリー!

一方、いきなり満塁のチャンスを作るなど活発に攻めた打線。1回は俊介の四球、森越の左翼線二塁打、1死後に陽川も四球を選んで満塁!しかし今成の二飛で陽川が戻れず併殺となって無得点でした。2回も狩野と新井が中前打、小宮山は四球で無死満塁となりますが、岩田の一ゴロで本塁封殺。あとは連続三振を喫して3者残塁です。

3回は伊藤隼の四球、4回は新井の中前打といずれも先頭打者を出しながら進めることもできず、5回は三者凡退。2人目の投手・佐藤に代わった6回も三者凡退、7回は先頭の小宮山が三塁線を破る二塁打を放ったものの後軸を断たれて得点なし。8回は永川から先頭の伊藤隼がバックスクリーンへ放り込んだ…と思ったら、なんとセンター・高橋大がジャンプしてキャッチ!ホームランをもぎ取られました。陽川と今成は連続で見逃し三振。

2対0のまま迎えた9回裏、狩野が遊ゴロに倒れあと新井は左前打(代走・植田)、代打の西田が右前打(代走・長坂)、代打の緒方は四球を選んで1死満塁。代打の板山は微妙な判定もあったけど結果的に空振り三振で2死となりますが、続く森越が1ボールからの2球目を打って左前タイムリー!植田と長坂の代走2人が還って、ついに追いつきました。ここで広島の投手はオスカルに交代し、伊藤隼は空振り三振で延長戦へ突入です。

10回はメンデス選手が三者凡退に。
10回はメンデス選手が三者凡退に。

10回はメンデスと長坂のバッテリーが三者凡退に切って取ります。最後の岩本は見逃し三振!そして負けがなくなった10回裏の阪神の攻撃は、先頭の陽川が左前打で出るも、今成のバントはサードが捕って二塁へ送球され走者が入れ替わり、狩野の四球で1死一、二塁。最後は植田が三ゴロ併殺打で試合終了。ベンチ入りの野手を使いきった総力戦、よく追いついたけれどサヨナラ勝ちとはいきませんでした。

「よく追いついた」と指揮官、ただし…

掛布監督は試合後、まず1回無死二、三塁の場面で投ゴロに倒れた伊藤隼選手のことを挙げ「状況判断が大切」と話しました。「二遊間の守備が後ろに下がっていたでしょう?まずセカンドゴロという選択肢を考えて。ヒットを狙いにいかなければならない気持ちはよくわかるが、状況判断をすることが大事。どういうアウトになるか。いいアウトと悪いアウトがあるからね」

確かに、序盤で得点していれば楽に勝てたかもしれません。なお今季はDHを使わない試合も多く、それについて「ことし、鳴尾浜では基本的にDHを使わないことにしたんですよ。例外もあるけど、ピッチャーが打席に立てるようにね。DHを使わない時の、7番や8番の役割は大きい」と言います。

試合後の西田選手。怒っているんじゃありませんよ。口に水を含んでいるだけです。
試合後の西田選手。怒っているんじゃありませんよ。口に水を含んでいるだけです。

また9回を振り返って「西田、素晴らしかったね!緒方のフォアボールも意味がある。板山はちょっと固くなりすぎたかな。でも、よく追いついた」と、最後は笑顔になった掛布監督。

素晴らしいと絶賛された西田選手は、9回に代打で右前打を放って1死一、三塁とチャンスを広げたもの。永川投手のツーシームを打ったそうです。「代打で即ヒットって、ことし初めてですよ。出て2打席目でヒットはあったけど」と話し、試合後も室内練習場で長く打ち込んでいました。

直球の使い方、変化球の使い方

久保投手コーチは、まず岩田投手について「変えたのは配球面ですね。いかに真っすぐを速く見せるか、真っすぐと変化球の使い方。岩田はきょう、真っすぐの使い方を考えて投げたでしょう。変化球ピッチャーという印象が強くなっていて、130キロ台のボールをいかに速く感じさせるか。だからイニングが伸びたと思います」と説明。

先発の岩田投手、5回まで無失点の好投。
先発の岩田投手、5回まで無失点の好投。

そして「守屋は反対に変化球の使い方。真っすぐは速いけど、真っすぐばかり出す癖がある。変化球を多く使ってみて、速い真っすぐを、すごく速く感じさせるように。チェンジオブペースですね」とのことでした。

岩田投手のコメントです。「(課題は)ホームランだけですね。投げミスではないし、前の打席は攻め切れたので。次も同じように攻めていったのですが、やりたいことをやる前に打たれた感じ」

変化球が生かすストレート

久保コーチが「よくなったでしょう?」とニコニコだった守屋投手は「配球は小豆畑さんが考えてくれました。真っすぐをエイヤ、エイヤ!って投げて、強いボールで抑えようとしていた。それが逆に打ちやすいボールになるんですね。調子はいいのに何で打たれるんだろう?って。もっと変化球を使っていけば抑えられるかなと思った」と言います。

守屋投手は8回と9回を1死球のみで無失点。
守屋投手は8回と9回を1死球のみで無失点。

9回は代打・土生選手と庄司選手から連続三振を奪いましたね。「左バッターから、あれだけ三振を取れたのは成長できてきたのかな?」と少しハニカミ笑顔。この日の最速は148キロですが「ダメな時はスピードを気にしていたと思います。気にせず、バッターに対して投げることを考えます。それでスピードが出たなら嬉しいですね」と、すっきりした表情でした。

リードした小豆畑選手は「左バッターのインコースだけにならないよう外へもと、バッターの目線を意識しながら配球しました」とのこと。

また10回にメンデス投手と組んだ長坂選手は、最後の岩本選手を見逃し三振に仕留め、メンデス投手が三塁方向へ歩き出した時にはもうベンチに到達するくらいの勢いでダッシュ。狙い通りの球だったから?「いや首を振って投げたスライダーですね。でもミットを構えたとこに来たので」。なるほど。

「今のスタイルがはまっているのかな?」

9回裏の2点タイムリー!
9回裏の2点タイムリー!
一塁で少し笑顔を見せる森越選手。
一塁で少し笑顔を見せる森越選手。
生還した植田選手と長坂選手を迎えるベンチ。
生還した植田選手と長坂選手を迎えるベンチ。

大トリは、9回2死満塁の土壇場で追いつく2点タイムリーを放った森越選手です。「打った結果がゴロだったんですけど、理想の打球でした。ピッチャーの方が苦しい状況で、(ワンボールのあと)次はストライクが絶対ほしい場面。0対2だけど、押せ押せのところで絞っていけたのでよかったですね」

また「序盤に岩田さんがいいピッチングをしていて、1回か2回に点を取ってあげられたら楽だったと思います。そういうとこは反省。結果は追いつけましたけど。みんながつないでくれた場面、板山はボール球をストライクと言われて…。それを救えたのはよかった」と、チーム全体を見てのコメントもあります。

このところ守備でチームやピッチャーを助けるところをよく見ますが、バッティングもいい仕事ぶり。「(2月の)キャンプからやっている足を上げないスタイルが、はまりつつあるのかな?」と言ったあと、謙虚な森越選手らしく「はまっているのかな?はまってほしいな」と付け足して笑顔を見せました。

とらえた打球も多いのでは?と聞かれ「5回のレフトフライになった打席、その前のファウルは振りすぎてる。あれを完璧にとらえるようにしないといけないと思います。あんなに振らずコンパクトに。フルスイングも時には必要だけど、ミスショットを減らしていければいいですね」と答えた森越選手。でも常にアピールをするという、その気持ちは“フルスイング”です!