Yahoo!ニュース

デビューが近づく18歳ルーキーコンビ!才木浩人投手と浜地真澄投手《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
高校から入団した2人、才木浩人投手(左)と浜地真澄投手。まもなく実戦登板します!

阪神タイガースのファームは今週前半に予定されていたウエスタン・中日3連戦(ナゴヤ、四日市、ナゴヤ)をすべて雨で流し、11日のソフトバンク戦もグラウンドコンディション悪化により中止でした。12日は天気も回復し、5日のルートインBCリーグ・滋賀ユナイテッド戦以来となるゲームが行われたわけです。公式戦でいえば、3日の広島戦(由宇)以来。登板予定の投手陣も多く、もちろん野手陣も久々の実戦とあって、計20人が出場しました。

前半に大量失点し、9回の打者一巡攻撃を見せたものの及ばず、10対6で負けています。登板した7投手のうち、竹安投手だけが三者凡退の被安打0!吉村選手をスライダーで空振り三振に、塚田選手からは真っすぐで見逃し三振を奪う、素晴らしいピッチングでした。また小豆畑選手が2年ぶりの長打となるタイムリー二塁打を放ち、実戦復帰のキャンベル選手は2打席目で右前打という内容。結果と個人成績のみ書いておきます。

ちなみに18安打10点のソフトバンクは、スタメンで釜元選手だけがノーヒットだったんですけど、よく見たら阪神は先発野手全員安打ですね。

《ウエスタン公式戦》4月12日

阪神-ソフトバンク 4回戦 (鳴尾浜)

ソフ 042 210 100 =10

阪神 020 000 004 = 6

◆バッテリー

【阪神】●岩田(2敗)‐守屋‐島本‐安藤‐高宮‐竹安‐石崎 / 小豆畑

【ソフ】○松本裕(1勝2敗)(6回)-飯田(1回)-島袋(1回)‐児玉(1/3回)‐加治屋(2/3回) / 栗原

◆本塁打 ジェンセン2号2ラン(岩田)、川崎1号ソロ、明石1号ソロ(守屋=2者連続)

◆二塁打 栗原2、今成、小豆畑、川崎

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]遊:植田  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .294

〃打:狩野  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .400

2]二:板山  (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .185

3]右:伊藤隼 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .288

4]左:陽川  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .255

5]三:キャン (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .500

〃三:大山  (1-0-1 / 0-0 / 0 / 0) .200

6]一:今成  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .241

7]中:緒方  (4-3-2 / 1-0 / 0 / 0) .275

8]捕:小豆畑 (3-1-2 / 0-1 / 0 / 0) .133

9]投:岩田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃投:守屋  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:島本  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .375

〃投:安藤  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:高宮  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:竹安  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:小宮山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃投:石崎  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:俊介  (0-0-1 / 0-1 / 0 / 0) .333

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩田 3回 71球 (8-1-1 / 6-6 / 9.00) 143

守屋 1回 16球 (3-2-0 / 2-2 / 9.28) 146

島本 1回 15球 (2-0-0 / 1-1 / 3.24) 139

安藤 1回 14球 (1-0-0 / 0-0 / 0.00) 136

高宮 1回 23球 (3-0-0 / 1-1 / 3.60) 136

竹安 1回 11球 (0-2-0 / 0-0 / 9.00) 140

石崎 1回 16球 (1-2-1 / 0-0 / 5.40) 147

18歳ルーキーズの初シート

大山選手は141キロの直球をホームラン。
大山選手は141キロの直球をホームラン。
続く西田選手も才木投手からホームラン。
続く西田選手も才木投手からホームラン。

さて、この試合が終わったあとシートバッティングを行い、ドラフト3位の才木浩人投手(18)と浜地真澄投手(18)が投げました。フリーバッティング登板は既に経験済みの2人、これが初めてのシートバッティングです。守備陣はいないものの、フリーと違って「打たせない」ピッチングをする、プロ初の実戦形式。いきなり先輩方から“洗礼”を浴びてしまいました。

才木17球

【植田】6球 中前打

【板山】1球 右前打

【大山】2球 左本塁打

【西田】5球 右本塁打

【陽川】3球 空振三振

浜地19球

【植田】6球 四球

【板山】3球 右前打

【大山】2球 遊飛

【西田】5球 左前打

【陽川】3球 右飛

2人とも直球のみという指示を受けていたそうで、最速は仲良く同じ145キロ、球数も近いですね。では、それぞれ登板後のコメントをご紹介しましょう。

投げられて楽しい。でも打たれると悔しい

ちょっと緊張した顔でマウンドへ向かう才木投手。
ちょっと緊張した顔でマウンドへ向かう才木投手。

まず先に投げた才木投手です。結構打たれた、かな?と言ったら「そうですね。甘く入ったりして。西田さんのも、いいとこに投げられたんですけど、うまく打たれたので…。これがプロの力だなあと思いました」と顔を曇らせたものの、「でも(ボールの)出どころが見にくいと言ってもらった。そういうところをこれからも続けていきたい」と前を向きます。

それは誰に?「直接ではなくて、浜中コーチがそう言われていたとトレーナーから聞きました」。自分では意識している?「いえ意識はしていないです。自然とそうなっているんだと思う」。なるほど。それは大きな武器になりますね。いきなり初球で最速の145が出た点は「速いにこしたことはないですけど、スピードにこだわっていません。実際にきょうも打たれたので。それよりバッターが嫌がるボールを投げたいですね。きょうはボールのまとまりも全然よくなかった」と反省は尽きないルーキー。

長い手足が映える才木投手のピッチング。
長い手足が映える才木投手のピッチング。

まだ続きます。「きょうは初めてバッターとの真剣勝負で、ちょっと力みが出てしまいました」と振り返ってから「久しぶりに実戦形式で投げられたので、楽しい。でも打たれると悔しい。そういう気持ちを持ちながら、次のステップに向けてやっていきたいです」と、なかなか大人のコメントでしょう?

最後に「次は焦らず、落ち着いて投げたいです」と締めくくった才木投手。今度は変化球もまじえて?と聞かれ「いえ、次もまだ真っすぐです!」とキッパリ。ここは普段の笑顔でした。

自分と向き合って、やることをやる

浜地投手は「自分の投球というか、投げられたので、いい悪いは別として、そこはまずよかったです」という感想。振り返って「自分のフォームや球でいうと、修正できなかったところがわかっているので、そこを修正したい。バッターが立つと力が入ったり、雑念ではないけど、別のとこに意識がいったりして集中できなかったかなと思います」 と、やはり反省していましたよ。そりゃ力も入りますよね。初めてですから。

クールダウン中をするソフトバンクの選手も注目。
クールダウン中をするソフトバンクの選手も注目。

打たれたのは甘いところにいった球?「いえ、甘いところというか…その前にストライクが入らなかったんで」と苦笑。そして「甘いとこにいったら、とらえられてホームランや長打になるので気をつけないと。ブルペンではフォームだけ意識していればいいけど、バッターが立つと抑えたい気持ちが出てしまう。それで力みがが出て、やってきたフォームが崩れたかも」と言います。

最速が145キロでしたが、これも才木投手と同じで「手応えはなかったです。球速は意識しないけど、空振りを取れなくて、全部シュート回転していました。もっとスピンのきく球を投げないと」とのこと。変化球もまじえて投げるようになっても「いい意味で力まず投げていきたいです。きょうはできなかったので、まずは自分と向き合って、やることをしっかりやるように」。浜地投手、なかなか冷静なコメントです。

シート打撃登板を終え、少し複雑な横顔?の浜地投手。
シート打撃登板を終え、少し複雑な横顔?の浜地投手。

才木投手、浜地投手とも、もう一度シートバッティングに投げ、そのあと来週の練習試合(18日・カナフレックス、19日・四国アイランドリーグplus徳島)で、いよいよ実戦デビューとなる見込みです。新人8選手の中で高校出はこの2人だけだし、背番号も才木投手が35で浜地投手は36と1番違い。これから何かと比較されることになるでしょう。のびやかに成長していってほしいと願います。

またドラフト8位の藤谷洸介投手(21)も、今週末のシートバッティングで登板するとか。これで全員が出そろいますね!ますます楽しみが増えてきました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事