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1点差で逃げ切り、松田は今季初勝利!サターホワイトが初セーブ!《7/6 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
サターホワイト投手(左)が取材を受けていると必ず、へイグ選手が笑顔で“参観”。

きのう6日、朝は曇っていたのに午後から晴れ間が一気に広がり、ナゴヤ球場は蒸し暑くなりました。ちなみに、きょう7日は朝9時までに30度を超えています。覚悟が必要ですねえ。先発の望月投手は前回が先月26日、甲子園の中日戦で4回7失点(自責2)だったこともあり「この前の借りを返さないと」と意気込んでいました。7回くらいまで投げとく?と言ったら「いやいや」と顔の前で手を振りながら「1回、1回集中して」とのこと。ところが、6回4安打1失点で7回もマウンドに…!結果はあす詳しくご紹介します。

では、きのう6日の試合詳細をどうぞ。

《ウエスタン公式戦》7月6日

中日-阪神 18回戦 (ナゴヤ)

阪神 010 000 100 = 2

中日 000 100 000 = 1

◆バッテリー

【阪神】○松田(1勝3敗)-金田‐山本-高宮‐Sサターホワイト(1S) / 鶴岡-小豆畑(7回~)

【中日】セプティモ(5回2/3)-●福(1回2/3)-武藤(1回2/3)-八木(1/3回) / 松井雅-木下(8回~)

◆三塁打 緒方

◆二塁打 陽川

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:森越  (4-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .231

2]左:緒方  (3-1-1 / 1-2 / 0 / 0) .261

3]一:へイグ (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .368

〃一:荒木  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .261

4]中:横田  (4-2-0 / 0-0 / 1 / 0) .305

5]指:陽川  (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .308

6]三:今成  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .300

7]右:板山  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .216

8]捕:鶴岡  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .303

〃捕:小豆畑 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

9]遊:植田  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .079

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

松田  6回 88球 (3-5-1 / 1-1 / 3.82) 147

金田 0.1回 10球 (1-1-0 / 0-0 / 3.80) 150

山本 0.2回 10球 (0-0-0 / 0-0 / 1.57) 140

高宮  1回 10球 (0-0-0 / 0-0 / 2.25) 138

サタ  1回 10球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 149

試合経過

陽川選手は2回に先制の二塁打!
陽川選手は2回に先制の二塁打!
先発の松田投手。6回1失点でした。
先発の松田投手。6回1失点でした。
ファインプレーの板山選手(左)と、嬉しそうな横田選手。
ファインプレーの板山選手(左)と、嬉しそうな横田選手。
5回を終わって両チーム、まったく同じ数字。
5回を終わって両チーム、まったく同じ数字。

先取点は阪神。2回に横田がショートのエラーで出て、続く陽川がセンターのフェンスを直撃する二塁打!横田は一塁から生還しています。なおも無死二塁だったんですが、ここは1点止まり。3回は緒方の四球のみ、4回は先頭の横田が中前打を放ったものの、陽川と今成がともに近藤の好守備に阻まれ中飛に倒れるなど、二塁へ進めることもできず無得点でした。

一方の松田は1回1死から溝脇に右前打されながら4番・松井佑を真っすぐ3球で三振に仕留め無失点。2回、3回は三者凡退。ここまでで4三振を奪っています。しかし4回、1死から3番・遠藤に中前打され、2死後に盗塁と鶴岡の二塁悪送球で三塁まで進め、阿部への四球で2死一、三塁。6番・赤坂の右中間タイムリーで追いつかれました。なおも一、三塁で井領がライトへ大きな当たり…それをフェンス際でジャンプした板山がキャッチ!5回、6回は再び三者凡退に切って取って取り交代です。

6回2死から森越選手は中前打!
6回2死から森越選手は中前打!
7回、2人目の金田が登板。
7回、2人目の金田が登板。
ついで山本投手が2死を取ってチェンジ。
ついで山本投手が2死を取ってチェンジ。
8回は高宮が三者凡退!
8回は高宮が三者凡退!

打線は5回2死から森越が左前打を放ち、暴投で二塁へ進むも得点なし。6回は横田がファースト内野安打、陽川の三振で盗塁を決め、2死二塁となったところでセプティモが降板しました。代わった福から今成が四球を選んだのですが無得点。ようやく7回、2死から森越が中前打し、続く緒方が右翼線へのタイムリー二塁打で2対1と勝ち越し!

その裏は2人目の金田が登板、キャッチャーも小豆畑に代わっています。金田は5番の阿部を空振り三振に仕留めたあと赤坂に内野安打(自身が手を伸ばしたグラブに当たってショート植田が捕球)を許し、ここで山本に交代。井領への初球でバッテリーエラーとなり(記録は捕逸)1死二塁とするも、外野フライ2つで片づけ事なきを得ました。8回は3人で攻撃を終え、その裏に登板した高宮が内野ゴロ3つで三者凡退です。

2対1のまま迎えた9回、1死から小豆畑がセカンド内野安打で出塁。植田はこの日初めての左打席でバントをしますが、キャッチャーから二塁へ送られて失敗…。そのあと森越と緒方の四球で2死満塁と攻めたものの、荒木は空振り三振。追加点を挙げられません。それでも、9回裏はサターホワイトが遠藤を二ゴロ、代打・友永は見逃し三振、代打・阿部は中飛、決め球はすべて真っすぐで三者凡退!1点差で逃げ切りました。

掛布監督と高橋コーチ

試合後は、まず掛布監督にサターホワイト投手のことを聞いています。「上々じゃないの?ゾーンにきちんと投げられるのが強み。1軍でどうかまだわからないけど、ファームのレベルであれば、あのゾーンに投げられたら、そう大量失点することはない。球速も上がってきたし、フォークやツーシーム系に手応えを感じているんじゃないかな。楽しみですよ」

9回1イニングを三者凡退!来日初セーブです。
9回1イニングを三者凡退!来日初セーブです。

今後について「あとは連投だね。あす投げるかどうかは、まだ決めてない。これから会議で高橋コーチとも話をします。きょうみたいなゲームなら投げるかもしれないが、今8連戦中だからね。3連投はさせたくないんですよ。どこかで連投はあると思うと掛布監督。また、9回限定か?との問いに「7回や8回でも(相手打線の)強いところにぶつけるかもしれないね」と答えています。

高橋投手コーチは「安心して見ていられる。低めのコントロールが非常によかったし、伸びも高低もよかった。登板前にコミュニケーションを取って、低め低めと伝えていたんですけど、コースは別として投げられていたと思います。危なげないピッチングでしたね。連投の準備をしてくれとは言ってあろます」とのことでした。

上々のサターホワイト

では、サターホワイト投手のコメントです。1点リードの9回に登板した感想は「フォアボールで無駄なランナーを出すのは一番避けるべきことなので、ストライクをしっかり投げた。でも逃げるわけにはいかないから、ゾーンに投げることも意識しました。あとは低く、低くと」

試合後のランニングを終えて戻ってくるサターホワイト投手。なぜか急に拍手を。
試合後のランニングを終えて戻ってくるサターホワイト投手。なぜか急に拍手を。

日本のマウンドに慣れてきた?「まだまだ慣れてきたら投げるごとによくなるし、ちょっとずつ慣れてきたとは思う。きょうみたいにパッと調整できればいい。きょうはいい調子で投げられた」

掛布監督が、相手打線の“強いところ”にぶつけるかもと。抑える自信は?「もちろん自信あります。1軍でも、どんなビッグシチュエーションでも投げられる準備をしているし、監督の言うところで投げるだけ」。連投に関しても「ことしもやってきたし、とにかく言われたところで投げます」とキッパリ。頼もしい新助っ人です。

そして、きのうもまた囲み取材を受けているサターホワイト投手のそばにはへイグ選手の姿が(笑)。聞き耳を立て、ニコニコ微笑みながらOKサインを出したり、うなずいたり。まるでマネージャーのようでした。

松田、緒方、陽川 3人のコメント

6回を投げ3安打1失点で、今季初勝利となった松田投手。いい結果ですねと聞いたら「いいとこ、悪いとこがありました」と、まだ不満げな様子です。「1点で抑えられてよかったとは思います。でもまだ力強さとかがなかったので、そのあたりをしっかりしないと」とのこと。テンポもよく低めにいってたでしょう?「そうですね。意識して低めに投げられたのはよかったです。ただ、その中で球が弱かった。もっと威力のあるボールを投げられたら」

7回2死一塁、緒方選手は右翼線へ勝ち越しの三塁打!
7回2死一塁、緒方選手は右翼線へ勝ち越しの三塁打!

次に、7回に勝ち越しのタイムリー三塁打を放った緒方選手。これで4試合連続打点をマークして「調子はいいですね」とニッコリ。要因を尋ねると「ボールがしっかり見られているから」と言います。確かにこの日、2四球を選びましたし、三塁打の打席でも見極めてカウント3-1からの5球目、真っすぐを打ったもの。チャンスでの長打に「チームに貢献できたのが一番です。これからも頑張ります!」と緒方選手。また1軍に戻った時の活躍が楽しみです。

また、2回に先制のタイムリー二塁打を放った陽川選手は「センターに打つことを意識していました。いい結果につながったと思います」と振り返りました。

いい雰囲気の “アズサタ”

最後に、7回からマスクをかぶった小豆畑選手のコメントもご紹介します。その7回、1死一塁で代わった山本投手の初球を捕逸したことで、自分にものすごく腹を立てています。「上から捕りに行くか下からいくか、迷いました…。やっちゃいけないことです。ほんとにもお!」とプンプン、自分に怒っていました。0点に抑えられてよかったですねえ。

マウンドへ向かう小豆畑選手と迎えるサターホワイト投手。
マウンドへ向かう小豆畑選手と迎えるサターホワイト投手。
手を合わせたあと、がっちりとハグ!優勝したかのような(笑)
手を合わせたあと、がっちりとハグ!優勝したかのような(笑)

2死を取った時、マウンドへ向かったのは?「次が代打だったので、そこで勝負しようと言いにいきました」。そのあと高橋コーチも同じことを?「はい、そうです。初球から勝負しようと」。なるほど。結果は真っすぐ2球で右飛。そのあと高宮投手とサターホワイト投手が完璧に抑えて逃げ切ったわけで、小豆畑選手もいい仕事をしましたね。

そうそう、サターホワイト投手は公式戦3度目の登板で、すべて小豆畑選手がリードしています。すっかり意気投合したような感じ。試合終了時、マウンドへ歩み寄った小豆畑選手と右手でタッチしたあと笑顔でハグ!さらに肩を組んで野手陣を迎え、みんなとタッチしてから再び小豆畑選手と手を合わせるサターホワイト投手。とってもいい雰囲気で、私はこのバッテリーを“アズサタ”と呼んでいます。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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