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タマスタ筑後での初対戦 陽川が4号!鶴岡は3打席連続の二塁打!《3/29 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
7回表にはスコアボードにこんな映像が。このあと歌詞もしっかり出ました!

ことしから福岡ソフトバンクホークスのファーム本拠地となる『タマホームスタジアム筑後』(タマスタ筑後)に行ってきました。今月15日に竣工したばかりの新球場。19日に行われたウエスタン・広島戦が“こけら落とし”で、今回の阪神戦がまだ2カード目です。関係者入口のロビーにはお祝いのお花がいっぱい!

すべてがピカピカで、とにかく広々としています。メインとなる球場以外にも、3軍が試合を行う第2球場(8月完成予定)、大きな室内練習場、選手寮など。すべてを含めた施設を『HAWKSベースボールパーク筑後』というみたいですね。鳴尾浜が『Tiger Den (虎の穴)』だから、筑後は鷹の穴?

最寄りの筑後船小屋駅から、すぐ目につく球場とその名前。
最寄りの筑後船小屋駅から、すぐ目につく球場とその名前。
その外周を歩いて正面(バックネット側)に行くと『sh』のロゴ。
その外周を歩いて正面(バックネット側)に行くと『sh』のロゴ。
玄関ロビーにズラリと並べられたお祝いの鉢植え。
玄関ロビーにズラリと並べられたお祝いの鉢植え。

球場は中堅122メートル、両翼100メートルの大きさ。試合前練習中、陽川選手は「広いっすねえ」と言っていて「放り込めそう?」と聞いたら首を傾げただけでしたが、打ったんですよ~!さすが。この球場の第1号は、こけら落としとして行われた19日の広島戦で出ていますが、ソフトバンク・東浜投手が広島の磯村選手に打たれたもの。翌日は両チームともホームランが出ず、お披露目の2連戦が終了。次のカードが今回なので、陽川選手はタマスタ第2号ですね。そして、すぐあとに江川選手が1号ソロを放って、これがタマスタのチーム1号となりました。

残念だったのは終日どんよりと曇っていたうえに強風が吹き、寒いのなんの。おまけに、きょう30日は予想外の大雨が練習中と試合中に合わせて3度も降って大変でした。その雨の影響をもろに受けたルーキー・青柳投手。その話は…次の記事まで待ちください。では29日の試合詳細です。

《ウエスタン公式戦》3月29日

ソフトバンク-阪神 1回戦 (タマスタ)

阪神 102 101 010 = 6

ソフ 000 200 000 = 2 

◆バッテリー

【阪神】○岩崎(1勝)-田面-金田-石崎 / 鶴岡

【ソフ】●加治屋(1敗)(5回)-山田(2回)-山下(1/3回)-星野(2/3回)-伊藤大(1回) / 細川-張本(9回表)

◆本塁打 陽川4号2ラン(加治屋)、江川1号2ラン(岩崎)

◆二塁打 鶴岡3

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (5-2-0 / 2-0 / 0 / 0) .300

2]右左:俊介 (4-2-2 / 1-1 / 1 / 0) .412

3]指:ペレス (5-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .368

〃走指:清水 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .333

4]一:陽川  (5-1-2 / 3-0 / 1 / 0) .326

5]三:新井  (4-1-1 / 2-1 / 0 / 0) .400

6]二:坂   (5-1-0 / 3-0 / 0 / 0) .172

7]左:板山  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .227

〃打右:中谷 (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .286

8]捕:鶴岡  (3-3-0 / 0-2 / 0 / 0)1.000

9]遊:森越  (2-0-0 / 0-3 / 0 / 1) .241

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩崎 5回 88球 (3-6-3 / 2-2 / 3.60) 139

田面 2回 21球 (0-2-0 / 0-0 / 5.63) 143

金田 1回 12球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 148

石崎 1回 16球 (0-2-0 / 0-0 / 1.50) 149

試合経過

25日からの広島戦は3試合連続で初回に得点した阪神打線。この日も1回に柴田の内野安打、俊介の中前打、ペレスの右前打で無死満塁とし、陽川は三振に倒れるも新井が右前タイムリー!俊介はホームでタッチアウト、坂は三振で1点だけでしたが、これで4試合連続の初回得点です。

先発の岩崎投手。4回だけがもったいなかったですね。
先発の岩崎投手。4回だけがもったいなかったですね。
連投の田面投手は2イニングをパーフェクト。
連投の田面投手は2イニングをパーフェクト。
金田投手も連投で1回をピシャリ。出迎える鶴岡捕手。
金田投手も連投で1回をピシャリ。出迎える鶴岡捕手。
締めは石崎投手。今週は3試合に投げて無失点です。
締めは石崎投手。今週は3試合に投げて無失点です。

また3回には1死からペレスが右前打 (上林の好守備で危うくライトゴロになりかけ…) 、続く陽川がレフトへ4号2ラン!さらに4回には鶴岡の右越え二塁打 (今度はバックしながらコケた上林) と森越の四球、柴田の右前打で満塁として俊介が中犠飛。4対0とリードを広げました。

一方、阪神先発の岩崎は1回が三者凡退、2回は江川に左前打されますが猪本を二ゴロ併殺打に仕留めるなど3人で終了。3回は1四球があったものの、他は3奪三振とピシャリ。しかし4回、先頭の牧原にストレートの四球を与え、1死後に江川の2ランを浴びてしまいます。5回は三者凡退に切って取り交代。

後半に入っても手を緩めなかった打線。6回は先頭の鶴岡が左中間への二塁打を放つなど2死三塁として俊介が右前タイムリー!8回にもまた鶴岡が先頭で今度は左越え二塁打、バントを試みた森越はストレートの四球、柴田が投犠打を決めて俊介の四球で1死満塁となり、ペレスがタイムリー内野安打!これで6対2です。9回は3連続四球で1死満塁としながら、柴田と俊介が連続三振で追加点なし。ちなみにこの回は3四球と3三振でした。

阪神の継投は、まず田面が6回から2イニングを投げて三振2つと内野ゴロ4つ!3番からの6人を完璧に抑えます。8回は金田がピシッと三者凡退。9回の石崎も、江川をショートのエラーで出しただけで、2三振を奪って無失点。3投手そろってノーヒット素晴らしいリリーフで試合終了です。

監督監督、小鷹の新施設に感激

まず掛布監督の談話をご紹介します。まず新しい球場の感想を伺うと「素晴らしいですよね!室内練習場も第2球場も。非常に恵まれた施設。スタンドもこれだけ入れる。鳴尾浜はちょっと手狭になってきたかなあ。室内練習場もね。これだけの環境でキチッとやれば、ファンの方はお金払っても来たいでしょう。電光掲示板もいろいろ趣向を凝らしてるし。野球そのものだけでなく、来て楽しめる球場。ほんと素晴らしい!」と大絶賛でした。

試合終了時、整列したあとスタンドに手をふる掛布監督。根強い人気です!
試合終了時、整列したあとスタンドに手をふる掛布監督。根強い人気です!

13安打の打線について「俊介がいろんな意味で、いい仕事をしてくれた。2番がね。ペレスもいいでしょ。陽川も。陽川は4番としてまだまだ脆さはあるけど、ひと振りで決める力がある。5番くらいまで打線のつながりがいい感じで戦えているんじゃないかな」と話しました。岩崎投手には「久しぶりで88球。一発はしょうがない。あれくらいから球威が落ちたかな。ブルペンでの100球とは違う。これからじゃない?3回まではよかった」とのことです。

また、ここ数年は相性があまりよくなかったホークスに対し、教育リーグを含めてもう3戦3勝。「自分たちの野球をやれば苦手ってのはないんじゃないかな。広島で2つ勝って1つ落としたけど、きょうまた初戦を取りましたし。チームらしくなってきたかな」と掛布監督。「若い子が上にいくってことは、それなりの選手がここにいるわけで。柴田、俊介、森越、このあたりが上に行ったら必要だから、きょうもバントさせたんだよ」。最後は、二塁打3本のベテランキャッチャーに「鶴岡の元気な姿、頭が下がるよ」と感嘆の言葉で締めくくっています。

岩崎は5回に修正、田面が好投

岩崎投手は実戦マウンドが、宜野座キャンプ中の2月21日に行われたヤクルトとのオープン戦(浦添)以来。久しぶりでしたねと話を振られ「練習ではできないことが試合でわかったりする。感覚を早く取り戻したいです」という返事。立ち上がり、よかったのでは?「最初は丁寧にいって…。4回くらいからですかね、フォームが少し崩れてきて。でも5回に悪いところを修正できた(三者凡退)。6回、7回といけるような感じはしました」

これは試合前の岩崎投手。29日は宜野座キャンプ以来、約40日ぶり実戦登板でした。
これは試合前の岩崎投手。29日は宜野座キャンプ以来、約40日ぶり実戦登板でした。

久保投手コーチの岩崎投手評は「まだようやく発車したところ。きょうもね~4回くらいからかな~暴れてて。暴れてきたのでリリースポイントがばらついた。ゲーム勘の部分です。ブルペンで十二分に投げられているけど、ゲームでの感覚でしょう」とのこと。今後は?「5イニングから伸ばしていけるように。向こう(1軍先発投手陣)がひと通り投げて、不具合が生じた時に彼らが取って代われたら。岩貞、秋山、島本、岩崎、青柳、守屋がね」。きょうは青柳投手、あすは守屋投手が先発予定です。

また田面投手は6回から2イニングを投げ、パーフェクトリリーフ!「全体的にはよかったと思います。ゾーンで勝負できたというところもありました。でも、まだ抜ける球があるので、もっともっとゾーンに投げきらなきゃいけない」と、常に上を見つめています。

陽川、俊介、新井、鶴岡の仕事ぶり

4号2ランの陽川選手(左)。先に生還したペレス選手(中)、次打者の新井選手と。
4号2ランの陽川選手(左)。先に生還したペレス選手(中)、次打者の新井選手と。

野手陣のコメントです。まずリーグ単独トップの第4号を放った陽川選手。「崩されましたけど、崩された中でもしっかり振り切れたと思います。スライダーですかね」。8回の打席でも、レフトポール間際の大ファウルはありましたが「他の打席は全然ダメです。そこを考え直して、あしたに備えたい」と厳しい表情。タイミングが合った時はしっくり来ている?「きょうはうまく拾えたと思います」

まさに“職人”・俊介選手。その仕事ぶりが若手の見本ですね。
まさに“職人”・俊介選手。その仕事ぶりが若手の見本ですね。

次に、掛布監督が「いい仕事をしてくれた」という俊介選手。監督の言葉を聞き「しっかりやってきて結果が出たのは嬉しいですね」。2番という打順、意識はしますか?「後ろにクリーンアップがいるので、そこへつなぐという意識はあります」。ヒット、タイムリー、犠牲フライやフォアボール、そして盗塁といろんなことをしました。「そういうのを求められる立場。しっかりやっていきたいです」

ことしは開幕をファームで迎えた新井選手ですが、25日の広島戦では初回に満塁の走者を一掃するタイムリー二塁打、さらに犠飛もあって3安打4打点!翌日も初回にタイムリー二塁打などマルチヒット、きのうもまた初回にタイムリーと、開始早々の得点に貢献しました。実はきょう30日も2回に先制のタイムリー二塁打を放ったんですよ。その件は次の記事で。

好守備を見せた森越選手(右)とグラブタッチをする新井選手(左)。
好守備を見せた森越選手(右)とグラブタッチをする新井選手(左)。

新井選手は「状態はいいので、しっかり継続していきます!」と力強いコメント。ところで8回の打席では、その前の陽川選手に続いて大ファウルがあったんですけど、あれはもう完全に入ったと思ったでしょう?だって放り投げたバットの飛び方が、手応えの大きさを表していましたから。新井選手は「あはは」と笑って「普通なら入ってるかな~。風がね」と。でもテレビ中継のスロー再生では入ったように見えたとか。残念!あのバット投げで判断してくれたらなあ。

練習中も試合中も、みんなに声をかけムードを盛り上げる鶴岡選手です。
練習中も試合中も、みんなに声をかけムードを盛り上げる鶴岡選手です。

最後は3打席連続三塁打の鶴岡選手です。「しっかりやってきたことが、一日だけでも結果で出るのはいいことですね。続けていけるようにします!」。とても真面目に答えてくれましたが、一日だけってことはありません。そして「岩崎について?岩崎のピッチング?」と自ら質問を提供してくれて「まだまだかなあ。う~ん、まだまだ…」と。まだまだ、“こんなもんじゃない”ってことですか。「そう!」。ありがとうございました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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