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オリックス戦で快投!山本翔也投手が1軍初先発を手中に《6/28 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
試合を終えて出てきた山本投手。次に向かうのは1軍の先発マウンドでしょう。

きのう28日は、梅雨を忘れさせるような青空が広がる神戸総合運動公園第二球場(神戸サブ)でオリックスと対戦した阪神ファーム。このカードは舞洲ベースボールスタジアムで2試合、神戸サブで1試合の3連戦でしたが、初戦は雨天中止。27日の舞洲では阪神が10対3とオリックスに大差をつけて勝っています。陽川選手が今季公式戦1号と三塁打、森越選手は二塁打2本を含む4安打、北條選手も二塁打2本を含む3安打、西田選手は7回~9回で3打席連続安打など、計16安打!10得点は4月28日のオリックス戦(鳴尾浜)以来、今季2度目のことです。

28日は一転、二塁打3本など計7安打したものの11三振を喫して無得点。しかし山本投手が7回を投げて散発3安打の無失点、二神投手と石崎投手がパーフェクトリリーフで、結局3安打完封リレーでした。これを受けて甲子園のデーゲーム・DeNA戦が終わったあと、山本投手の次回登板は7月4日の1軍戦でプロ初先発!と決まったようですね。雨に邪魔されることなく迎えられますように。阪神ファンのお父さんも楽しみにしていらっしゃるでしょう。

では、オリックス戦の試合結果をどうぞ。

《ウエスタン公式戦》6月28日

オリックス-阪神 15回戦 (神戸第二)

阪神 000 000 000 = 0

オリ 000 000 000 = 0 

※9回 規定により引き分け

◆バッテリー

【阪神】山本-二神-石崎 / 小豆畑

【オリ】松葉(2回)-森本(2回)-佐藤峻(1回)-白仁田(2回)-マエストリ(2回) / 若月-斎藤俊(8回~)

◆二塁打 北條2、ペレス

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:森越  (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .366

2]右:緒方  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .224

3]遊:北條  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .267

4]左:ペレス (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .200

〃左:田上  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .259

5]指:中谷  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .289

6]三:陽川  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .227

7]中:横田  (4-1-0 / 3-0 / 0 / 0) .205

8]一:黒瀬  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .214

9]捕:小豆畑 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .208

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

山本 7回 106球 (3-7-1 / 0-0 / 0.85) 142

二神 1回 20球 (0-2-0 / 0-0 / 2.37) 144

石崎 1回 14球 (0-1-0 / 0-0 / 3.86) 148

試合経過

まず阪神の攻撃からです。1回に先頭の森越が三塁線を破る二塁打を放ち、2死後にペレスの一ゴロで奥浪がエラーして一、三塁としますが、中谷は三ゴロで森越を還せず。2回は三者凡退。3回は2人目の森本から森越が二塁打(レフト、センター、ショートの間に落ちる)して1死二塁となったものの、緒方は中日、北條はバットが三塁ベンチ方向に飛んでいく空振り三振で無得点でした。4回は先頭のペレスがセンターへの二塁打、中谷はショート内野安打で無死一、三塁。陽川が空振り三振に倒れたあと暴投で1死二、三塁とするも、横田は空振り三振、黒瀬が中飛と後続を断たれます。

5回は佐藤峻の前に三者凡退。ついで登板した白仁田から6回、先頭の北條が左前打。ペレスは見逃し三振でしたが、続く中谷の打席で一塁へ牽制した白仁田の送球を奥浪が捕れず(記録は白仁田のエラー)北條は三塁へ。しかし中谷は一ゴロ、陽川も三ゴロで得点なし。7回は先頭の横田がセカンド内野安打、黒瀬の犠打で1死二塁の場面、小豆畑は三直で森越は空振り三振。

8回はマエストリから緒方が左前打(先頭のヒットはこの試合5度目)、北條の犠打で1死二塁となるも、次のペレスはサードに代わったばかりの奥浪がナイスキャッチの三邪飛、中谷は空振り三振で無得点。9回は陽川と横田が連続で空振り三振を奪われ、黒瀬の三ゴロで攻撃を終えました。

変わって、投手陣は先発の山本が1回、新外国人・チャベスをチェンジアップで空振り三振、川端は真っすぐで見逃し三振、他も真っすぐで中飛に打ち取る上々の立ち上がりを見せます。2回は先頭の4番・ヘルマンに中前打と盗塁を許し、伏見の三ゴロで1死三塁とされましたが、若月の遊ゴロでヘルマンをホームタッチアウト。奥浪も遊ゴロで0点に抑えています。

3回と4回は三者凡退。5回は2死を取ってから奥浪に中前打されただけ。6回はまた三者凡退。前日の試合でホームランを打ったチャベスを3打席連続三振に斬って取りました。球種はチェンジアップ2つと、この回は114キロのカーブで奪ったものです。そして7回、先頭の谷に右前打を浴びた山本ですが、次のヘルマンを遊ゴロ併殺打!伏見には四球を与え、代走・小田の盗塁を許しながらも代打の武田を左飛に仕留めて終了。

8回は二神が登板して奥浪をカーブで見逃し三振、堤は二ゴロ、山本はスライダーで空振り三振の三者凡退。9課の石崎もチャベスを真っすぐで空振り三振に仕留め(結局、チャベスは4打数4三振…)、川端は投ゴロ、最後は途中出場の園部を真っすぐで遊ゴロに打ち取って三者凡退。阪神7安打、オリックス3安打の0対0で引き分けました。

「反省点を挙げたら…」といつもの言葉

試合後に「ナイスピッチング!」と声をかけたら、笑顔でうなずいた山本投手。いつものように「反省点を挙げたらきりがないです。カウントを悪くしたところが良くなかった」と言いますが、それでも「データ通り、振ってくるバッターが多いと思っていたので、しっかり低めに投げられてよかったです」と手応えも。

決め球の多くは「ほとんどがチェンジアップで、たまにフォークもありました。2回1アウト三塁のところはフォーク(若月選手を遊ゴロ、三塁走者のヘルマンを本塁でアウトに)」だったそうです。また7回、谷選手のヒットのあとヘルマン選手を遊ゴロ併殺打に仕留めたのはカーブ。「タイミングを外すという意味で投げて、結果的にゲッツーを取れてよかったです」と振り返りました。

チェンジアップ、フォーク、カーブでオリックス打線を翻弄した山本投手。
チェンジアップ、フォーク、カーブでオリックス打線を翻弄した山本投手。

7月4日のDeNA戦(横浜)の“先発権”を賭けた、この日の登板にも「新聞とかの記事は見ていて、ただ自分にできるのはファームで結果を出していくことだけ。1試合を大事にしようと、きょうもマウンドへ上がりました」と過大な意気込みやプレッシャーはなかったという山本投手。「ファーム全チームに放らせてもらって、まだまだ反省点は見えてきている。もっといいピッチングができると思う」と言います。

その反省点は?「きょうに関しては、2アウト取ってからカウントを悪くしたりしたこと。2アウト取って気が抜けているわけではないんですけど、周りから見ればそう感じるかもしれないので。そういうとこは、さらに気持ちを入れていきたいと思います。毎回毎回、反省点が出る。それを克服していいピッチングができるように頑張ります」。あくまで謙虚で、そして真摯に向き合う2年目左腕です。

制球力を武器に変化球で色づけ

なお28日の試合後、久保投手コーチは「いいよ。ずっといい。続けて欲しいというのと、まだ高めていけるというのとがある。チェンジアップやフォークといった良いボールをランクアップして、パターンを自分のものにしてしまうこと。去年の後半から先発をさせ、フェニックスでも長いイニングを投げて、いいものが出てきてるね」と期待十分の言葉。具体的には「先発でチェンジアップやフォークを使った。中継ぎでは真っすぐ、スライダー、カットボールなど速いボールで力に頼りすぎる形になっていたのでね。コントロールがいいという武器があるから、そこに変化球を交えて色づけしていけば」とのこと。

この時点では1軍登板についての話は出ていなかったため、明言を避けた久保コーチですが「1軍では西武戦でいいピッチングをしてるから、見てみたいね。チャンスを待つところには居る。与えられてもいいんじゃないの?というところに」と話していました。与えられるみたいですね。久保コーチも楽しみでしょう。

受けた小豆畑選手は、こちらが質問する前に「山本、よかった!相手が振るってことは、腕の振りがいいんでしょう。よかったですよ」とコメントしてくれました。

ファームの先発5試合は防御率0.31

山本投手は今季5試合目の先発でプロ最長の7回、最多の106球を投げました。
山本投手は今季5試合目の先発でプロ最長の7回、最多の106球を投げました。

ファームでは昨年10月のフェニックスリーグで3試合に先発した山本投手も、ことしは5月上旬まで再び中継ぎでの起用でした。しかし5月14日のソフトバンク戦(鳴尾浜)で今季初先発し、5回4安打無失点でチームの10連敗を阻止!5月20日の中日戦(ナゴヤ)は6回4安打無失点。1軍から戻って6月14日の広島戦(やまみ三原)が5回5安打2失点、自身と森越選手のエラー絡みで自責は0です。21日の広島戦(鳴尾浜)では6回2安打1失点、グスマン選手のソロホームランのみという結果。

そしてプロ最長の7イニング、最多の106球を投げた28日分を入れて、ことし先発した5試合の内容を計算してみました。合計29イニングで401球(1イニング平均が14球未満)、被安打18、奪三振22、与四球7。失点3で自責点1なので、先発5試合の防御率は 0.31 ということになります。とても安定した数字ですね。

ことしは1軍で1試合だけ、5月30日の西武戦(西武プリンスドーム)に投げています。横山投手と石崎投手が打ち込まれ、9点を失ったあとの6回に登板して4番・中村選手、5番・メヒア選手、6番・森選手を3者連続三振!7回は味方のエラーで先頭を出したものの、しっかりと後続を断ち2イニングを無失点でした。昨年投げた2試合ももちろん中継ぎですから、無事に7月4日が迎えられればプロ初先発。ファームで残した数字を自信に変えて、山本投手らしいピッチングを見せてください。

石崎 1球の精度を上げること

この日も最速148キロを出した石崎投手。ただ本人は制球面などまだ不満のようです。
この日も最速148キロを出した石崎投手。ただ本人は制球面などまだ不満のようです。

石崎投手は三者凡退の結果にも「まだダメですねえ」と表情は緩みません。「狙ったところに投げられていない。引っかけたりしてしまって。ここってとこでコントロールが定まっていない。もっとブルペンから“試合カン”を出していかないと」と反省しきり。つまり1軍では捉えられてしまう甘さがまだあり、もっと1球の精度を上げていかなければ…ということのようです。久保コーチは「出てきたねえ~石直球」と笑いながら「気楽なところでなく、ほんとに際どいところでそれが出せるかどうか、だね」と言っていました。

オリックスの白仁田投手です。まあ~ほんと、相変わらず長い手足で。
オリックスの白仁田投手です。まあ~ほんと、相変わらず長い手足で。

また、きのうはオリックスのユニホームで投げる白仁田投手を、生で初めて見ました。2イニングで2安打無失点だったのですが、前日の舞洲では6回1失点だった先発・バリントン投手のあとを受け7回に登板。清水選手の犠飛や北條選手の2点タイムリー二塁打など3安打1四球で3点を失い、2/3回で降板してしまった白仁田投手。「きのうはやられました…」と肩を落とします。ずっと1軍にいたのに。「ちょっとずつ何かがズレてきたんですよ。でもまた頑張ります!」と最後は笑顔で帰っていきました。そういや、阪神時代は「にた」と呼ばれていたけど、オリックスでは「にーた」のようで。なぜ伸びたんでしょう?

大学生打ちを誓うオリックス・武田選手

左の黒いバットが武田選手自身のもので、右の白いのが北條選手のバットです。
左の黒いバットが武田選手自身のもので、右の白いのが北條選手のバットです。

タイガースのチームバスが出たあとオリックスの練習を見ていたら、3年目の武田健吾選手がフリーバッティングで快音を響かせていました。武田選手はきょう29日に神宮球場で行われる、ユニバーシアード日本代表壮行試合『侍ジャパン大学日本代表 対 NPB選抜』のNPB選抜メンバー。阪神からは横山投手が辞退して、代わりに岩本輝投手が出場します。あ、古屋ファーム監督もコーチとして参加です。

武田選手は27日、28日とスタメンを外れていて途中出場。「外国人選手がいるので…」。なるほど、チャベス選手ですね。まあ阪神もペレス選手がいるから同じような状況と言えます。その分、フリーバッティングでいい当たりを連発していたのかな。打撃投手を務めた方も「武ちゃん、覚醒!?」と言われていたくらいです。「見てました?きょう試合前に北條のバット貰ったんですよ」とニコニコ。白い方が北條選手のバット?「そうです。両方で打ってました。でも黒い方がよく飛んでた」。えーと黒い方って、自分のバット?「はい。自分のです(笑)」

北條選手と武田選手は同い年で、昨年11月に行われた『21Uワールドカップ』の代表メンバーとして侍JAPANのユニホームを着た仲。武田選手いわく「北條と誠也と辻と4人で、ずっと一緒にいました」とのことで、広島の鈴木誠也選手、巨人の辻東倫選手も同じ1994年生まれです。練習が終わってから東京へ出発するという武田選手は、間違いなく北條選手のバットも荷物に入れたはず。白かったら北條選手の方ですよ。テレビでチェックしましょう。

バッティング練習を終えて戻ってくるオリックス・武田選手。
バッティング練習を終えて戻ってくるオリックス・武田選手。

「選抜メンバーはチームから僕ひとりなんで、オリックスの代表として頑張ってきます!」と爽やかな武ちゃんでした。もちろん我らがタイガースを代表して出場する岩本投手もしっかり応援しなくちゃいけませんね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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