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真っ赤なマツダスタジアムで逆転負け、連勝が5でストップ《6/12 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
7回裏の攻撃前に赤い風船が上がるスタンド。6年前とは少し違う光景でした。

きのう12日はマツダスタジアムでのウエスタン・広島戦。私も久々にマツダスタジアムへ来ました。いつ以来かなあと思ったら、ここがオープンして1ヶ月後の2009年5月。ちょうど新型インフルエンザが猛威をふるっていた時で、そういえば広島も薬局やコンビニでマスクが品切れ状態だった記憶があります。あの時はまだ球場周りも、場内の売店も“整備中”という感じだったんですけど、さすがにかなり変わりましたね。

しかし蒸し暑かった!雨あがりの湿気に日差しが加わって、ムッとする暑さでした。選手はベンチに戻って汗を拭いても、すぐにダラダラと流れ出すので、こまめに水分補給。言っても仕方ないとはわかっているけど、顔を見るとお互いに「暑い!」しかありませんね。練習もユニホームではなく、黒の半袖シャツ姿。田上選手だけは普通にユニホームだったので聞いてみると「単に持ってくるのを忘れただけ」とのことでした。でも緒方選手に、ユニホームより多少は涼しいの?と尋ねたら「あんまり変わらないかも。色が黒なので」という答えです。

黒い半袖シャツ姿で練習をする一二三選手。黒も結構いいですね。
黒い半袖シャツ姿で練習をする一二三選手。黒も結構いいですね。
ただし「黒いから暑い」と緒方選手。でも背中に番号も名前も入っていてわかりやすい!
ただし「黒いから暑い」と緒方選手。でも背中に番号も名前も入っていてわかりやすい!
久しぶりに堂林選手を間近で見ました。結婚しても…可愛いです(笑)
久しぶりに堂林選手を間近で見ました。結婚しても…可愛いです(笑)

その蒸し暑い中、試合開始3時間前にはもうチケット売り場に何人ものお客様が並んでおられ、11時半の開門の際は敷地内に長打の列でした。そのあとも次々に真っ赤な帽子やユニホーム、Tシャツの方々がスタンドへ。三塁側は黄色いユニホームがポツポツ程度で、圧倒的に赤の勝ち。そりゃそうです。鳴尾浜でも圧倒されそうな時があるくらいですからね。この日発表された観衆は2715人。

広島のスタメンは1番から順に天谷、安部、堂林、ロサリオ、グスマン、岩本、土生、庄司、磯村。ピッチャーは先発が予定されていた久里が1軍に昇格したため佐藤に代わり、以降も江草、池ノ内、今村、永川、ザガースキーという豪華な面々でした。きょう13日はルーキー薮田投手の先発(阪神は岩崎投手)で、さらに廣瀬選手が先発出場とあり、前日をはるかに上回るお客様でしょう。

試合は3回に小豆畑選手と森越選手の連続三塁打で先制しながら逆転負け。連勝が5でストップしています。では結果と試合経過からどうぞ。

《ウエスタン公式戦》6月12日

広島-阪神 13回戦 (マツダ)

阪神 002 000 000 = 2

広島 001 200 03X = 6 

◆バッテリー

【阪神】●サンティアゴ(2勝3敗)-加藤-桑原-二神 / 小豆畑

【広島】佐藤(3回)-○江草(2勝)(1回)-池ノ内(2回)-今村(1回)-永川(1回)-ザガースキー(1回) / 磯村-白濱(9回表)

◆三塁打 小豆畑、森越、グスマン

◆二塁打 岡崎、横田、小豆畑

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二遊:森越 (3-2-1 / 1-1 / 0 / 0) .317

2]三:黒瀬  (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .200

3]遊二:北條 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .237

4]右:中谷  (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .296

5]一:原口  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .225

6]中:横田  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .204

7]指:岡崎  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .268

8]左:一二三 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .130

9]捕:小豆畑 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .200

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

サン 5回 77球 (9-3-1 / 3-3 / 1.98) 146

加藤 1回 17球 (0-2-1 / 0-0 / 0.93) 145

桑原 1回 37球 (3-1-1 / 3-2 / 2.70) 146

二神 1回 10球 (0-1-0 / 0-0 / 2.65) 145

試合経過

まず阪神の攻撃。1回は先頭の森越がサードへの内野安打で出塁するも盗塁失敗、そのあと黒瀬の中前打と北條の四球でチャンスを作りますが、後続を断たれて無得点でした。2回は三者凡退で、3回に先頭の小豆畑が左翼線三塁打を放ち、続く森越も右中間への三塁打で1点!1死後に広島の先発・佐藤の暴投があり、森越も生還と鮮やかに先制しました。しかし…その後は1点も入らずじまいです。

もちろん阪神ファンの方も参戦されていますが…かなり少なめの三塁側スタンド。
もちろん阪神ファンの方も参戦されていますが…かなり少なめの三塁側スタンド。
一方の一塁側スタンド。赤いです!ベンチにいる選手たちの白いユニホームが眩しい。
一方の一塁側スタンド。赤いです!ベンチにいる選手たちの白いユニホームが眩しい。
こちらタイガース側。このタイプのベンチにはあまり慣れていない感じ?
こちらタイガース側。このタイプのベンチにはあまり慣れていない感じ?

4回は江草から岡崎が左中間二塁打を放ったもののチャンスは広がらず。5回は森越の四球と黒瀬の中前打で無死一、二塁としますが北條は中飛、中谷は遊ゴロ併殺打(ピッチャー返しの打球、ショートが追いつく)。6回は1死から横田が左翼線二塁打を放つも岡崎の右飛で併殺。7回は1死から小豆畑はレフトフェンス直撃の二塁打!ところが森越と黒瀬が連続三振…。8回は中谷が永川の初球、真っすぐを右前打しただけ。というわけで5イニングとも毎回1安打ずつ出るのに追加点はないままでした。

投手陣は、先発のサンティアゴが三者凡退の立ち上がり。2回はロサリオの中前打のみ。ところが3回は1死後、磯村に三塁線へのヒット、天谷は左前打、安部が右前打であっという間に満塁。続く堂林にカウント2-0とした3球目、インコースの球にバットを折って左前へ運ばれるタイムリー。ロサリオとグスマンは打ちとったものの、この回4連打で1点を返されます。

さらに4回、岩本をショート内野安打で出し、土生は左線打(三塁線への飛球、ショート北條が体勢を崩しながら果敢に捕った…と思ったら落とす)、庄司の投犠打で1死二、三塁として9番・磯村の中前タイムリー。天谷にも右前タイムリーを浴びて2失点です。続く安部は二ゴロ併殺打で、5回はグスマンへの四球のみでした。5回で被安打9のサンティアゴ。とはいえ全部シングルヒットで、ほとんどが詰まって外野の前に落ちたり、不運に塁間を抜けていったものと言っていいでしょう。

6回は加藤。2死を取ってから磯村に四球を与えますが、大きな歓声に迎えられた代打の下水流を空振り三振に仕留めて無失点。7回は5月30日以来の登板だった桑原が先頭の安部に中前打され、堂林は空振り三振。しかし安部に盗塁を許して、ロサリオは自身のエラー(投ゴロを捕れず)で1死一、二塁。グスマンの右中間越え三塁打で2人を還してしまいました。続く岩本は四球で1死一、三塁として土生にも左前タイムリー。計3点を奪われています。

そして8回は二神が、やはり5月30日以来のマウンドへ。まず天谷を右飛、安部は空振り三振、堂林を二直と計10球で三者凡退!決め球はすべて真っすぐです。ただし6対2で迎えた9回はザガースキーの前にこちらも、すべて真っすぐで三者凡退に斬って取られました。岡崎が149キロ、一二三は147キロで連続の空振り三振、最後は小豆畑が148キロを打って右邪飛で試合終了です。

変化球でも腕を振ること

試合後スーツに着替え、ひと足先に帰阪したサンティアゴ投手。アディオス!
試合後スーツに着替え、ひと足先に帰阪したサンティアゴ投手。アディオス!

試合後の話はサンティアゴ投手から。3回、4回に集中打を許したことについて「あのイニングは単打を重ねられて良くなかった」と反省もしながら「全体として自分の調子はよかった」と振り返っています。ボール自体も「カウントが不利になってしまったり、高めに浮いてしまった、あの回以外はしっかり腕も振り切れていたので」とのこと。また「3回と4回につかまったけど、5回に修正できた。久保コーチのおっしゃっる通り。次も意識して腕を緩めないようにしたい」そうです。暑さに関しては以前と同じく「慣れているので大丈夫」と言いますが、この湿気も平気?「はい、慣れています」。そう言って爽やかに帰っていきました。

なお“久保コーチのおっしゃる通り”とは何だったのか、久保投手コーチに聞いてみると「腕を振って変化球を放る、ということです。腕を緩めてコントロールするのではなく、変化球こそ腕を振り切らないと。変化球ってのは、もともと“変化球の握り”をしているんだから、振りは変化球じゃダメ。真っすぐと同じでなければ。腕を振ったら奥行きが出る。ちょっとの変化でダブルプレーになる」という話でした。なるほど、4回に2点を失ったところでマウンドに向かった久保コーチ。ここでそういう話をしたわけですね。

有効な時間を過ごした二神

約2週間ぶりの登板だった二神投手。久しぶりに見ました、と言ったら「僕も久しぶりでした」とナイスな返しです。投げていなかった間は「課題をやっていました。時間を貰ったので。どんな?バッターを抑える、という課題。3試合続けてやられていたから。ボールはそんなに悪くなかったんですけど、フォームの修正をしたりしていました。方向的に“ひねり”が加わって、ロスが生じて腕がうまく出てこないというところを久保コーチに指摘してもらった」とのことです。

その結果、きのうはキッチリ三者凡退!「これまでも感覚的に悪くて打たれてはいなかったので、きょう結果が出て3人で抑えられてよかったです」。最速145キロの真っすぐも手応えがあったのでは?「そうですね。いいボールはしっかり指にかかっていたので」。試合の締めで登板する二神投手が、これからまた見られますね。

また加藤投手は試合後、ちょっと不満な面持ちで引き揚げてきました。2死からの四球がよくなかったのでしょうか。「あそこはちょっと…。ちょっと自分が嫌ったというところはあったんですけど。あとは配球面でうまくできたのでよかったと思います」。変化球で2三振を奪っていますが、ストレートの最速は145キロ。「この球場はねえ、出やすいとこもあるからねえ。自分としてはそんなに変わったのはないから、球場のせいでしょう(笑)。でも逆に、ガンを見てスピードが出ていたら『あ、これで出るんだ』と思って、力まなくて済むという効果があるかも」。皆さん、結構スピード表示は目に入っています。

次に上がったら暴れたい!

先の昇格では不完全燃焼だったと森越選手。この調子でまた1軍へ行きましょう。
先の昇格では不完全燃焼だったと森越選手。この調子でまた1軍へ行きましょう。

初回に内野安打、3回にタイムリー三塁打を放った森越選手は「1本目、ラッキーでした!(サードの)堂林がヒットにしたでしょ?」と笑います。なるほど、いいアシストをしてくれたわけですか。そして無死三塁での三塁打を「内野手が前に来ていたし、高めのボールを振りにいこうと思っていました。最低限、先制点を取れればいいなと。低めを捨てて高めを打つことだけ考え、それでしっかり高めを振れたので結果的に(右中間を)抜けたということですね。引っ張りにかかるとゴロになるから、少し右に意識はあった」と振り返っています。

それから「左ピッチャーのインコースばかり意識すると外に手が出なくなるので、真ん中よりのボールという意識はありました」とも言っています。また1軍で暴れてこないといけませんね。「そうですね。前は暴れる前に終わったので(笑)今度はしっかりと。この、いい状態を維持していきたい」と気合いを込める“もりこ選手”でした。

今季初長打にも、反省しきり

試合後の素振りでも力が入る小豆畑選手ですが、心の中は“捕手”としての反省も…。
試合後の素振りでも力が入る小豆畑選手ですが、心の中は“捕手”としての反省も…。

また、その森越選手のタイムリーをお膳立てした小豆畑選手は、7回にもレフトフェンスを直撃する二塁打を放っています。しかし「打ったのはいいいんですけど…」と浮かない表情。「それよりグスマンへの配球とか、スチールへの投げミスとか」。7回に安部選手の二盗を刺せなかった送球、そのあとグスマン選手に打たれた2点タイムリー三塁打のことなど、やはり“キャッチャー小豆畑”として反省することが大きいのでしょう。「ああいうところをしっかりやらないと」と再度、自身に言い聞かせています。

ちなみに三塁打については「必死で走りました!」と笑う小豆畑選手。レフトのロサリオ選手が手間取ったのか、意外に余裕で(失礼)到達できましたね。それにしても小豆畑選手の三塁打って初めて見たかも?と調べてみたところ、初めてでしたよ~。育成試合や練習試合までは確認できなかったのですが、公式戦で2013年と2014年は二塁打が2本ずつあるのみ。これが3年目にして初の三塁打ということになります。そして7回に放った二塁打も、今季公式戦初でした。そろそろ打っときます?公式戦第1号も。

最後におまけで江草投手。岡崎選手に左中間二塁打を許したものの、4回1イニングをわずか8球で無失点でした。まさかそんな早きに登板するとは思わなかったけど、ナイスピッチ!と言ったら「ダメ!岡崎に打たれたもん。あーもう」と相当な悔しがりようでした。しかも初球ですもんね。真っすぐだったそうです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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