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新潟では梅野の逆転3ランで日ハムに勝利!《6/6 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
逆転3ランを放って、ことし新設されたばかりの『ヒーロー賞』を受け取る梅野選手。

阪神タイガースは今、1軍は甲子園で、ファームは新潟県の三条パール金属スタジアム(三条市民球場)で、ともに日本ハムと対戦しています。この三条遠征は、新潟市出身の横山龍之介投手が3年目だった2009年から始まっていて、最初の2年は阪神-ソフトバンク戦。2011年はイースタンのヤクルト-巨人戦が行われ、2012年から昨年までは阪神-中日戦でした。よって、三条市でイースタンとのファーム交流試合は初開催です。

霧雨が降り続く三条パール金属スタジアム。
霧雨が降り続く三条パール金属スタジアム。

そして三条での試合は、主催者の方々も「野球まつりじゃなくて雨まつりだなあ」と苦笑されるくらい雨に降る回されるのが常になっています。影響のなかった年は皆無と言っていいでしょう。2009年は5月末に行われ、2日目が雨天中止。2010年は8月初旬で、2日とも無事にできた…と思ったら2日目の試合終盤にゲリラ豪雨に見舞われて8回コールドゲームに。2011年はイースタンの試合ですが、これも初日は朝まで雨が降っていたとか。それ以降の年も、も雨が降り続いてグラウンドに溜まった水を流すための溝を掘ったこともありました。

ことしは週間予報で2日とも晴れマークだったので、これは初めての“水入らず”か?と期待したら、その予報がコロッと変わってしまったわけで。やっぱり、というか、さすが、というか。きのう6日は練習中も霧雨が止まず、日本ハムの打撃練習が終わった途端に本降り!それでも午後は回復する見込みだったので、ホームベース付近に土を入れ、30分遅れで試合が始まりました。その後はどんどんお天気は良くなり、後半には日差しが痛いくらい。決行してよかったですね!

《ファーム交流試合》6月6日

阪神-日本ハム 1回戦 (三条)

ハム 000 300 010 = 4

阪神 001 040 00X = 5 

◆バッテリー

【阪神】○岩崎(2勝1敗)-筒井-玉置 / 梅野

【ハム】武田勝(4回)-●増渕(2勝1敗)(2/3回)-森内(1回1/3)-金平(1回)-藤岡(1回) / 市川-大島(7回~)

◆本塁打 梅野3号3ラン(増渕)、石川慎10号ソロ(筒井)

◆三塁打 市川

◆二塁打 新井、横田、石川慎、荒張

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:北條  (3-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .249

2]一:黒瀬  (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .182

3]捕:梅野  (3-1-3 / 1-1 / 0 / 0) .364

4]三:新井  (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .357

〃三:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .197

5]右:中谷  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .291

6]指:原口  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .238

〃打指:緒方 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .217

7]中:横田  (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .204

8]左:一二三 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .138

〃左:田上  (1-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .429

9]遊:植田  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .193

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩崎 6回 99球 (9-2-0 / 3-3 / 2.77) 141

筒井 2回 34球 (1-4-0 / 1-1 / 3.52) 142

玉置 1回 18球 (0-1-1 / 0-0 / 5.03) 142

逆転、再逆転のゲーム

日本ハムの先発。武田勝投手。
日本ハムの先発。武田勝投手。
阪神先発の岩崎投手。いい立ち上がりでしたね。
阪神先発の岩崎投手。いい立ち上がりでしたね。

先取点は阪神です。日本ハムの武田勝に2回までピシャリと抑えられていた打線は3回、先頭の横田が左翼線二塁打を放ち、2死三塁となったあと北條の左前タイムリー!阪神先発の岩崎は、2本のヒットを許して2死一、三塁のピンチを切り抜けましたが、4回は先頭の石川慎に二塁打を許し、1死後に5番・市川の中越えタイムリー三塁打で追いつかれます。続く高濱にも左前タイムリー。2死後に荒張の左越え二塁打で二、三塁として、9番・森本に中前タイムリーを浴び、この回5安打で3失点。

打球を見ながら走り出した梅野選手。結果は逆転3ラン!右は増渕投手です。
打球を見ながら走り出した梅野選手。結果は逆転3ラン!右は増渕投手です。

その裏は梅野の右前打のみで得点なし。しかし5回は、2人目の増渕から中前打を放った横田が一二三の左飛で二塁へ進み、北條は四球。続く黒瀬の左前打で横田が生還します。なおも2死一、二塁で梅野が左中間へ第3号の逆転3ラン!新井が左中間二塁打を放ったところで交代した森内に、中谷が見逃し三振を喫して攻撃終了。今度は阪神が4安打で4点を取り、5対3と逆転に成功しました。

6回は原口と一二三のヒットで2死一、三塁としますが無得点。7回は梅野の四球のみ。8回は先頭の原口が死球、1死後に代走の緒方が盗塁失敗で2死となり、田上はショート内野安打と盗塁を決めたものの追加点はありません。

最後を締めた玉置投手。左に四球で出た高濱祐仁選手がいます。
最後を締めた玉置投手。左に四球で出た高濱祐仁選手がいます。

そして岩崎は5回、6回と1安打ずつの計9安打されながら6回まで3失点。ついで7回を三者凡退に斬って取った筒井ですが、8回は1死から石川慎の第10号ソロホームランをライト芝生席へ運ばれます。もう10本も打っているんですねえ!筒井は2イニングで、この1安打のみでしたが、1点差と迫られます。9回は玉置が登板。先頭の高濱に四球を与え、犠打で二塁へ進めるも、代打・佐藤賢をチェンジアップで空振り三振、代打・北は二ゴロで試合終了。無事に逃げ切って、借金を1まで減らしました。

4回を反省のバッテリー

まず最初に、岩崎投手'''は「状態はよかったと思うんですけど、ムダな球が多くて自分から不利な状況に持っていってしまって。全体的によくなかったですね。ボール先行で、苦し紛れのとこを打たれました。あの場合は変化球も高かったし…」と4回の失点を悔やみます。

リードした梅野選手はこんなコメントでした。「ピンチになる前に、ピンチを作らないための投球をしっかり求めてやっていこうと。コース、コースというより、持ち味にボールを振らせる、いい真っすぐがある。両サイドに強く投げられるよう状態を良くしてあげられたらという反省も…。この反省を生かして、上でいいピッチングするのが一番。そのため、お互いに頑張っていこうと思います」

“ヒーロー”・梅ちゃん!

梅野選手は逆転3ランを放って『ヒーロー賞』を獲得しました!「打ったのはフォークじゃないですか。その前も、これがフォークかなというのがあったので。どちらかというとツーシームに近いような?」。逆転のチャンスに打った1発で「とにかく前の2打席とも内容がよくなかったので、それを引きずらないよう集中していきました。得点圏だし、(黒瀬)春樹さんがつないで1点返してくれたので、何とか二塁ランナーを返したいと思って打った。いい結果になってよかったですね」と振り返ります。

また「(武田勝投手は)初めて当たるので振って合わせていこうとしたんですけど、経験のあるピッチャーですからね。ピッチャーが代わって1打席目で、追い込まれたところをコンパクトに、なおかつ振れたというのはよかった」とも言っていました。

横田「そろそろ打たないと…」

ベテラン・武田勝投手のことは知っているかと尋ねたら「知ってますよ」と答えた横田選手。どこまで知っていたかはわかりませんが、その武田勝投手から左翼線二塁打を放って、先制のホームを踏みましたうまく打てた?「はい。打ったのは真っすぐです」。逆転されたあと、5回も先頭で森内投手からカーブを中前打。黒瀬選手のタイムリーで生還しています。「試合に出し続けてもらっているんで、そろそろ打たないとヤバイと思って」マルチヒット。よかったですね。先日、スタメンを外れたことは「気にしていません」とのことです。

新井選手も右前打と左中間二塁打のマルチでした。「しっかり自分のスイングができたのでよかったです。(左ヒザも)問題ないです」と話しています。

そして昨年に続き、ご両親が観戦に来られた原口選手。ことしは妹の美佳さんも一緒です。美佳さんは、プロのユニホームを着るお兄ちゃんのプレーを見るのは初めてだとか。そんなご家族の前でヒットを打ちました。しかし…ちょうど私がご挨拶にスタンドへお邪魔していた時で、しかも皆さんの写真を“後ろ向きで”撮影中。お父さん、お母さん、美佳さん、そして原口選手、ごめんなさい!試合後に伝えると「え、見てないの?」と言われました。本当にすみません。

野球教室のこと、賞品のこと、日本ハム・高濱祐仁選手のことなどは後日ご紹介します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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