きのう23日の朝、高知県香南市や安芸市あたりは前日ずっと降り続いた雨のせいか、また気温が朝からかなり高かったためか、すごい霧でしたね。山が霞んで見えないくらい。お天気が回復して青空も広がった安芸市営球場だったんですが、午後になると雲がべったり。でも風がほとんどなくて寒さは感じずに過ごせました。きょうはキャンプ日和になるとの予報です。

25日は午前中で練習が終わるでしょうし、じっくり見学できるのは最後かも。きょう24日は、22日に登板予定だった安藤投手、藤原投手、松田投手、田面投手が午後のシートバッティングで投げるようです。22日に春一番が吹いて、きのう23日には黄砂も観測したとか。PM2.5やら花粉やらも飛んでいるみたいなので、どうぞご注意ください。

4投手がフリー打撃登板

前日の雨によるグラウンド状態を考慮して、バッティング練習はランチタイム後に(といってもランチが早いので12時から)行われました。まず小嶋投手が一二三選手と横田選手に対して計48球を投じて、安打性の当たりは8本か9本くらい。次は岩崎投手で打者・植田選手と俊介選手に計60球を投げて安打性は11本くらい。小嶋投手、岩崎投手とも真っすぐのみです。

そのあとは打者1人ずつで、歳内投手が田上選手に21球。安打性の打球は2、3本だと思われます。最後に横山投手が黒瀬選手に対して24球、安打性は2本程度ながら、かなりボールが多かったみたいですね。なお黒瀬選手はバットを2本折られました。変化球はスライダーとカーブが、合わせて6球あったと聞きました。

古屋監督、久保コーチ、掛布DCの“横山評”

まず古屋監督。「横山はボールがちょっと高かったよね。でも力はある。ブルペンより緊張していたけど、球威のあるボールを投げていた。帰ってもう1回BPをして、シート打撃で登板して、実戦は3月10日くらいかな？」というスケジュール。あくまで予定、だそうですが。また岩崎投手に関しても「安定している。ここで投げられたということで一歩前進。予定通りきています」との答えでした。

続いて久保投手コーチ。「横山は順調に進んでいます。まだあまり力は入れていない。きょうはバッターとの感覚ということで、それは本人に任せていました。これで少しずつ前へ進むきっかけができた。練習の進め方という点でね。あとは質、量を上げて、次はBP(フリー打撃)で10分間くらいは楽にこなせるよう、少し仕込みを入れていきます」

バットを折ったことには「ボールだったからねえ。バッターがボール球でも振ってくれて助かったよ」と、ちょうど通りかかった黒瀬選手に「気を使わせて悪かったね」と声をかけました。続けて「マメができて少し遅れたのはあったけど、最終クールにBPまで入ってきたのは目標通り。しっかり地固めしているところですよ」と久保コーチ。

それから「岩崎も順調です。プルペンで球数もこなして、10分くらいピシッと投げられた。小嶋もそう。歳内もきょう5分でもBPで入って、怖さなく力強く放れているので、安心やね。歳内はまた1軍のオープン戦を狙えるところに上げなきゃいけないし。岩崎や横山も含めて、ここにいる人は、教育リーグとかオープン戦とか、次を狙えるところへ上げてあげないと」と久保コーチ。それが親心ってものですね。

またバッティングケージの後ろ、ピッチャーに相対する状態で横山投手のピッチングを見ていた掛布DCは「バランスがいい。右のインコースへの角度があるしね。カット気味に入ったボール、いいのがあった。僕が思っていた以上のピッチャーでしたね。あれだけ綺麗なストレートを投げられれば。右打者のふところを攻めるボールを持っているのはすごいよ」と、非常に楽しみな様子でした。

横山、開幕1軍を「見ています！」

お待たせしました。横山投手本人のコメントをご紹介しましょう。初めてのBPは「そんなに…よくなかったですねえ。まあ投げられたことが第一歩だと思うので、投げられて、段階を踏んでいって、バッターと初めて対戦できた。それに関してはよかったと思います」という感想。ただし晴れやかな顔ではありません。「ボール自体のキレもなかったし、高めに浮いていたので」と反省。BPでの力加減は「基本7割くらいで、たまに8割くらいを試したけど、それがちょっと浮いてしまった」そうです。

黒瀬選手のバットを折った球は「ちょっとカット気味になったので」とのこと。意図的にではなく？「はい、たまにあるんです。インコ―スに投げた時にそうなるのが、まあ武器でもありますけど」。掛布DCが右打者は打ちにくいだろうと言っていましたよ。「自分は右の方が苦手で、逆に怖いですけどね。今の自分の持ち球として、右打者に対し逃げる球がないと絶対にきつい。真っすぐを張られてスライダーやカーブなどヨコの変化だけだと、前でさばかれる。フォークの精度を上げなければ1軍では通用しない」と冷静な自己分析。

キャンプは遅れてのスタートとなりましたが「焦りは多少ありますけど、今は段階を踏んでやっているので、焦ってプレーに影響するということはないですね。しっかり自分のペースでやっています」と答えた横山投手。開幕1軍を目標に？「そこは見ています！」。力のこもった眼差しでした。

ちなみに、打席に立った黒瀬選手は「うーん、ほぼ高めのボール球だったので…。まあBPなのでわからないところはありますね。シートバッティングなら違うでしょうけど。インコースに来る球もありました。ただ9割くらいはボールだったから」と答えにくそうな感じ。なお初日に痛めていた右ふくらはぎは「まだ100パーセントではないけど、やれる範囲で」とのこと。でも初出場だった21日の練習試合では2点タイムリー二塁打を放ち、走塁もこなしていました。これから暖かくなるので上向いてくるでしょう。

岩崎「普通」、小嶋「順調」

次に岩崎投手です。やはり初めてのフリー打撃登板で、真っすぐのみ24球。「普通、ですね」と少し微笑んだあと「きょうはあんまりボールが走っていなかったけど、高め、低めと投げ分けたりして、低めはちゃんとゴロが取れたし、高めではフライという感じ。そこは悪くないですね」と話していました。課題としては？「まだボールの質にバラつきがある。そういうのはやっぱりヒット性(の当たり)になる。そういうところは、もっと精度を上げていければいいなと思います」

力の入れ具合は？「へばったりしましたが(笑)、一応きょう出せる全力を出しました！張りとか、へばりとはありますけど」。“へばり“を繰り返して苦笑いです。

小嶋投手も打者に対して投げるのは、きのうが初めて。投げたのは「真っすぐだけ」の48球。「慎太と横田のバッティングに圧倒されました！カンカンいかれた」と笑います。振り返って「よくもなく悪くもなく。投げられたことがよかったです」との感想。昨年12月に右ひざ内側半月板のクリーニング術を受けて、今キャンプは別メニュースタートでした。それにしては早い登板では？「前に左ひざをやった時も同じくらいですよ。それより1週間ほど早いかも。順調です」

じゃあ3月にゲーム登板もありそうな？「そうですね。3月中に試合で投げられるようにしたいと思っています」。まだ本隊のメニューをすべてはこなせていない小嶋投手ですが「ダッシュとかも問題ないと思いますけど、キャンプはあと2日で終わりなので、帰ってからはアップから最後まで入れるでしょうし、その辺もキッチリやっていきます」と気合十分。左ピッチャーが揃ってきましたね。

少し別メニューになっていた加藤投手や伊藤和投手もブルペン入りし、久保コーチは「これでフルゲート！みんな揃ってきたね。3月でも4月でも、とにかく1軍を目指す土俵に立たせてあげたい」と話しています。