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阪神ファームは1ヶ月ぶりの紅白戦

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
練習が終わった後の鳴尾浜。写真は20日の17時半です。夕暮れが早くなりましたね。

鳴尾浜での紅白戦は、オールスター明けに2試合を行ってから1ヶ月ぶりのこと。その時は2試合とも結構ヒットが出て、5対3、6対3という結果でした。そういえばホームランも1試合2本ずつ出ていますね。でも、きのうは6安打と3安打で3対0。3得点にはエラーも絡んでおり、その1イニング以外はほとんどチャンスなしの状態です。紅白戦が終わった14時半ごろから2時間半、みっちりと打撃練習が行われました。とはいえ、裏を返せば投手陣が抑えたともいえるわけで、紅白戦ってのは複雑ですね。

きのうも、スタンドの皆様にご協力いただいたおかげでスコアが書けました。いつもありがとうございます。記録や数字は公式のものではありませんので、ご了承ください。ちなみに球審は高田打撃投手、ボールボーイ役は岩本投手、島本投手、松田投手でした。

《紅白戦》8月22日 (鳴尾浜)

紅組 000 030 =3

白組 000 000 =0  ※6回まで

◆バッテリー

【紅組】秋山-歳内 / 清水‐小宮山(4回~)

【白組】岩崎-建山-吉見 / 藤井-小豆畑(4回~)

◆二塁打 紅組:清水

◆打撃(打-安-点/三振-四死球/盗塁/失策)

【紅組】※打者10人

1] 中:柴田   ( 3-1-0 / 1-0 / 1 / 0 )

2] 二:北條   ( 3-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

3] 一三:原口  ( 3-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

4] 遊:陽川   ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

5] 左:狩野   ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

6] 指:高山   ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

7] 三一:黒瀬  ( 2-1-1 / 1-0 / 0 / 1 )

8] 右:中谷   ( 2-0-0 / 0-0 / 1 / 0 )

9] 捕指:清水  ( 2-1-1 / 0-0 / 0 / 0 )

10] 指捕:小宮山 ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

【白組】※打者10人

1] 中:横田   ( 3-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

2] 二遊:荒木  ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 1 )

3] 右:緒方   ( 2-1-0 / 0-1 / 0 / 0 )

4] 一三:森田  ( 3-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

5] 三二:西田  ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

6] 指:日高   ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

7] 捕指:藤井  ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

8] 遊一:阪口  ( 1-0-0 / 1-1 / 1 / 0 )

9] 左:田上   ( 2-0-0 / 1-0 / 1 / 0 )

10] 指捕:小豆畑 ( 2-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

◆投手(安打-三振-四死球/失-自)

【紅組】

秋山  3回 14人 57球 ( 3-4-2 / 0-0 )

歳内  3回 10人 39球 ( 0-5-0 / 0-0 )

【白組】

岩崎  3回 10人 45球 ( 1-3-0 / 0-0 )

建山  1回 7人 16球 ( 0-1-0 / 0-0 )

吉見  2回 10人 30球 ( 5-2-0 / 3-1 )

連打があったのは5回表のみ

まず先攻・紅組の攻撃から。白組先発の岩崎に対し、1回は柴田が右前打と盗塁で無死二塁としますが北條は二飛、原口が見逃し三振、陽川は空振り三振で0点。2回と3回は三者凡退でした。つまり先頭の柴田以外は完璧に抑えられたわけです。4回は建山に三者凡退で1安打無得点のまま。

しかし5回、3人目の吉見から狩野が右前打、高山の左前打で1死一、三塁として黒瀬が左前タイムリー(サードの右横を抜けていったもの。黒瀬選手は「あれはサードゴロ」と繰り返します)。なおも一、二塁で中谷は投ゴロ。吉見が捕って二塁へ送ったところ西田は無理で、ショートの荒木が何とか捕球して封殺。ただし一塁へは悪送球となり高山が生還します。中谷の盗塁で2死二塁、清水が中越えのタイムリー二塁打。この回3連打を含む4安打と相手エラーで、紅組は3点を先取しました。6回は1死から右前打した北條が牽制死するなど3人で終了です。

次に後攻・白組。1回は紅組先発の秋山に2死を取られてから、緒方の四球と森田の右前打で一、三塁としますが西田は二ゴロ。2回は2死後に阪口が四球を選んで二盗を決めますが、得点にはつながらず。3回も小豆畑の中前打などで2死一塁としただけです。2人目の歳内に対して、4回は2三振などで三者凡退。5回に田上がファースト黒瀬の捕球エラーで出て盗塁成功、しかし小豆畑と横田が連続で見逃し三振。6回は三者凡退でした。

試行錯誤をしながら前進

岩崎投手は17日のオリックス戦(佐藤薬品)で2回を投げ、ホームランと2本の2点タイムリー二塁打など5安打され5失点(自責1)。そこから「いくつか修正したところはある」と言います。その中のひとつを聞くと「バランスをチェックしました。良くはなっています」とのこと。1回表が終わった時に平田監督から「もうちょっとテンポを上げられるか?」と注文があり、2回以降はそれを実践したようです。

「ちょっと考えすぎているところがあって、そうするとバッターにも考える時間を与えてしまうわけで。間合いを短くすると余計なことを考えずに済むとは思います。これも、ひとつの引き出しとして使っていければ」。1軍の登板が飛んだ形となったことについて「悔しいのもありますが、当然といえば当然。しっかり受け止めて、またチャンスをもらえるように頑張ります」と話していました。

秋山投手は紅白戦が終わったあと「足の上げ方、変えました」とひとこと。久保投手コーチによれば「モーションのタイミングを変えてみたんですよ。ちょうど彼がやりたいことと、私の思っていたことが合致したので。まだ着手したばかりだけど、変わっていますね。これで進めていけば」と手応えあるという様子。“間”を作るための取り組みでしょうかね。

続いて、先月の紅白戦以来となるショートの守備についた陽川選手です。「久しぶりですねえ。ちょっと心配でしたけど、ほとんどボール飛んでこなかったんで。ショートフライ1つだけでしょ?」。確かに。あとは荒木選手の一ゴロで3-6-3の併殺を狙った送球があったくらいですね。一塁がセーフで併殺にはなりませんでしたけど。紅白戦後は延々とショートの位置で守備練習をしていた陽川選手。途中で原口選手も加わり、最後は平田監督がつきっきりでした。

練習が終わり、たわむれる陽川選手(左)と西田選手。西田選手、何を食べてるのかな?
練習が終わり、たわむれる陽川選手(左)と西田選手。西田選手、何を食べてるのかな?

高田球審のストライク、右手と左手の違いは?

最後に球審を務めた高田打撃投手の話も少し。いつもは筒井守備走塁コーチの担当で、元気いっぱい大きな声でジャッジをしてくださるので助かります。驚くのはピッチャーの投球がキャッチャーに届く前に「ストライーク!」と聞こえること。だってミットの音より確実に早いんですよ。その筒井球審に比べるとかなり物静ではありましたが、暑い中で頑張って高田球審。ただストライク判定の際に上げる手が右だったり左だったり…。

その理由を聞いたら、高田打撃投手は思わず笑って説明してくれました。「審判だから右手を上げようと思ってやっていたんですけど、ボールかな?ストライクかな?と迷った時は、とっさに利き手を上げてしまって」。なるほど、そういうことでしたか。それはわかる気がします。でも結構、左手が上がるのも多かったような。「コースはわかるんですけど、ひざ下付近とかキャッチャーがミットを下げて捕っているところは見えないんですよ。それで、どっちかな~と」

球審をしたのは2回目だそうで「審判の気持ちがよくわかりました」とグッタリ。そして「僕のせいで小宮山が三振したんですよ。そういう低い球をストライクと言ったから追い込まれて、次の球を空振り三振してしまった」と、ちょうど横を歩いていく小宮山選手を見ながら反省しきり。その直後に筒井コーチが「僕のすごさがわかったでしょう?」と、満面の笑みで引き揚げていきました。

きょう23日は京都大学、あす24日は大阪商業大学を鳴尾浜に迎えて交流試合が行われます。大学との試合は今季初だし、プロ注目の選手もいるので楽しみですね。きょうは白仁田投手、あすは島本投手が先発の予定です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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