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淡路決戦2日目は惜敗 秋山投手が好投、岡崎は今季1号!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

25日も好天に恵まれた兵庫県の淡路佐野運動公園野球場(ボールパークあわじ)での中日戦。5回までノーヒットピッチングを披露した秋山投手が、6回に不運なヒットから失点してしまいます。8回に岡崎選手の代打ホームランで追いついた直後に、頼みの玉置投手が勝ち越し打を浴びて敗戦。前半で毎回のようにあったチャンスを生かせなかったのが、もったいなかったですね。悔しい敗戦でした。

《ウエスタン公式戦》5月25日

阪神-中日 11回戦 (淡路)

中日 000 001 001 = 2

阪神 000 000 010 = 1

◆バッテリー

【阪神】秋山-●玉置(1敗8S) / 小宮山

【中日】伊藤(7回)-小林(1/3回)-○鈴木義(1勝)(2/3回)-S小熊(1勝3S)(1回) / 桂

◆本塁打 岡崎1号ソロ(小林)

◆二塁打 北條、高山

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:荒木  (5-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .322

2]遊:北條  (2-1-0 / 1-2 / 0 / 0) .218

3]三:西田  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .254

〃打:岡崎  (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .263

〃三:阪口  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .238

4]右:伊藤隼 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 1) .281

5]指:高山  (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .429

6]一:中谷  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .188

〃一:黒瀬  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

7]捕:小宮山 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .108

〃打:原口  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .174

8]左:一二三 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .175

9]中:横田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .171

〃打:狩野  (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

秋山 8回 111球 ( 3-8-2 / 1-0 / 2.17) 145

玉置 1回 22球 ( 2-2-1 / 1-1 / 3.07) 143

中日打線を翻弄した秋山

秋山は1回、2番の森越に死球を当てますが、他はすべて三振で無失点の立ち上がり。2回はフライ3つの三者凡退で、3回は連続三振を含む三者凡退。4回は森越の代打・溝脇から三振を奪ったあと藤井の強烈なゴロをファースト中谷が弾いた(記録はエラー)ものの、小宮山が盗塁を阻止して3人で終了。5回はまた三者凡退で、秋山はここまでノーヒットノーラン!奪三振7、与死球1、味方の失策1という内容でした。

打線は5回まで伊藤から4安打4四球と毎回ランナーが出るのに得点できません。1回は北條が前日のリプレイを見るような左翼線二塁打!しかしそのままセカンドに残塁。2回は高山の四球と一二三の右前打があったものの生かせず。3回は1死から北條が四球→西田の併殺打。4回は先頭・伊藤隼が左前打して高山の四球で無死一二塁となるも中谷のバント失敗などで後続が断たれ、5回は2死から北條の四球と西田の中前打で作った一、三塁のチャンスでしたが無得点…というわけで5回までに早くも7残塁です。

一方、5回まで残した走者は1人だけだった秋山は6回、先頭の赤坂を内野安打(ライン際でバウンドが変わったらしく捕球しづらかったよう。西田はボールを握り直したのか送球までに一瞬の間があり)で出します。なんとも不運な初ヒットに続き犠打、そして次の吉川が右前打で1死一、三塁。と思ったらライトの伊藤隼が捕って投げようと前へ来ますが、ボールは置き去りのまま…確か伊藤隼は2日前にも同じミスをしていますねぇ。このエラーで赤坂が生還。

岡崎が粘って粘って14球目を…

不運が重なったとしか言えない1点を先取された秋山ですが、8回はいきなり先頭にストレートの四球を与えました。あまりにはっきりと外れた球もあり小宮山選手がマウンドへ。それから犠打のあと吉川は空振り三振(6回以降の三振はこれ1つだけ)、溝脇を二ゴロに打ち取って終了。秋山はここで交代となりました。8回を投げ3安打8三振2四死球で1失点、もちろん自責点は0です。

このまま負けがついたら気の毒すぎると思っていた、その裏の攻撃。先頭・西田の代打で出た岡崎が、2人目の小林から8連続ファウルなどで粘りに粘って、なんと14球目をレフトへホームラン!これで追いつき、さらに勝ち越しをと期待したものの後続がピシャリと抑えられて同点のまま最終回へ。

リリーフした玉置は1死後に高橋へ四球、福田を三振に仕留めて2死となったあと堂上剛に右前打を浴びます。これで2死一、三塁となってゴメスに真っすぐを左前へ…土壇場で勝ち越しタイムリーを許してしまいました。その裏は代打・原口が2球で追い込まれながらボールを見極めてフルカウントとなり、最後は体が回りかけただけに見えた反応でスイングを取られて三振。一二三は三ゴロで2死。続く代打の狩野が一二三と同じような打球で内野安打としますが、荒木は中飛で試合終了です。

「何かを変えないといけない」

中日に連敗して対戦成績が5勝5敗1分け。2日前、1か月ぶりにできた貯金を喜んだのも束の間で再び借金1となりました。「鳴尾浜へ帰って練習や!」と平田監督。ミーティングもそこそこにチームのバスが出発したのは、試合終了から15分くらいしか経っていなかったような気がしますねえ。

秋山投手は「このままでは何度1軍に行ってもダメなので、何かを変えないといけないと思いました。きょうは本当にたまたまうまくいった。真っすぐで勝負できた」と話しています。また「展開もあったけど、後半ももっと真っすぐを使えばよかった。フォークがもうひとつだったけど、変化球で三振が取れたので」というコメントもありました。淡路佐野運動公園野球場は4年前、ルーキーだった秋山投手が公式戦5度目の先発で初勝利を手にした場所。相性がいいですね。この時の話は明日またご紹介します。

久保投手コーチは「きょうはよかった!大きなピッチャーなんだから、マウンドと自分の背の高さを利用してボールを高く上げて投げ下ろす、そういう原理を使っていかないとね。1軍から帰ってきた後その練習をしてきて、それが出せてよかった。こうしてやっていかなきゃ、うまくいかない。迷いをなくして」と言います。それにしても立ち上がりから雰囲気が違っていたような。「そうでしょう?今までと違うよ!って感じで。よかったですね。これを続けてほしい」と久保コーチ。8回に乱れたのは「その原理を使えなくて、自分が下に入ってボールを突き上げてしまう悪いパターンが最後に出たね」という分析でした。

逆風をついた同点弾

8回に今季1号ソロを放ち、好投・秋山投手の負けを消した岡崎選手は「打ったのはスライダーです。手応えはよかったですね。風が風やったんで、抜けてくれって感じでした」というコメント。この日はかなりの強風が、逆のライト方向に吹いていました。しかしカウント2-2になってから8球連続でファウルして13球目がボール、その次を打ったわけで。四球でも粘り勝ちというところ、一時は同点に追いつくホームランなんて、さすがですねえ。

前日に続きスタメンでフル出場した高山選手は、2試合で二塁打2本を含む3安打3四球の1打点。故障から復帰してまだ6試合目、12打席ながら3安打と5四球で打率.428、出塁率は.667です。なかなか好調ですね。「いい感じ。でも普通ですよ。普通」と言いながらも親指を立ててニッコリ。

北條選手も2四球で、今季19個目。高橋周選手と並びリーグ最多となっています。また二塁打はこの日で7本目。こちらはチーム最多ですがリーグではトップと2本差の5位タイ。2試合で二塁打3本、よって「お米が30キロになったね」と言ったら「ぶっ!」と吹き出してバスへ。もし要らなかったら、いくらでもいただきますけど。ねえ、皆さん。

ゴメスの前に堂上剛vs玉置

残念ながら9回に勝ち越しを許し、今季初黒星を喫した玉置投手は「ゴメスより堂上さんを仕留めないといけなかった。勝負にいった球が抜けてしまった」と猛省。ゴメス選手には外の真っ直ぐを打たれたのですが、堂上剛選手はフォーク?中日は阪神よりも出発が遅かったので本人にも聞いてみました。

「あそこは低めでボール球のフォークか、スライダーだと。真っすぐだけはないと思っていたんです。玉置の真っ直ぐが今日はよくなかったんで。スライダーかフォーク、フォークかなと思っていました」と堂上剛選手。読み通りの球が、しかも抜けて甘く入ったもの。堂上剛選手はこの日2安打、23日も二塁打2本のマルチで「今、調子いいですね。メッチャいいですよ!でも昨日の白仁田だけ打てなかった~」と苦笑い。次は甲子園で会いましょう。「はい、頑張ります!」。あす27日で29歳、まさに働き盛りです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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