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阪神ファームは6連敗で最下位に…

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
甲子園の2軍戦風景。日なた部分と日陰では相当な気温差…上段はいまだに寒いのです。

ゴールデンウィークも残り少なくなってきましたね。5日の子どもの日、近畿はあいにくの空模様になりました。沖縄は梅雨入りしたとか。平年より4日早いそうです。このところファームの試合が多かった甲子園球場は、写真のようにスタンドの前方は日差しで暑いのに、上段は完全に日陰で寒いのなんの!コートやひざ掛けは今も必須なんですよ。でも暦の上では立夏。いい季節はすぐに去って梅雨の覚悟が必要になりますねえ。やがて鳴尾浜に訪れる灼熱地獄…今からもう思いやられます。

さて試合は、序盤に先取点を奪われながら一気に逆転!と喜んだのも束の間、すぐにひっくり返されて負け。先月23日に9勝目を挙げてから6連敗で借金5となっています。リーグで唯一、2ケタ勝利に到達していません。勝率も4割を切り、試合のなかった中日と入れ替わって最下位に転落してしまいました。首位の広島と、もう7ゲーム差です。

なお3日のヤクルト戦で負傷した上本選手は『右手親指末節骨骨折』で4日に登録を抹消され、荒木選手が昇格。上本選手は5日、鳴尾浜でリハビリを開始しました。

《ウエスタン公式戦》5月4日

阪神-ソフトバンク 7回戦 (甲子園)

広島 300 102 011 = 8

阪神 000 050 000 = 5

◆バッテリー

【阪神】白仁田-●筒井(1敗)-小嶋-西村-島本 / 小豆畑-小宮山(6回表)-日高(7回~)

【ソフ】オセゲラ(4回1/3)-○二保(2勝)(1回2/3)-巽(2回)-S江尻(1敗2S)(1回) / 山下

◆本塁打 吉村3号2ラン(白仁田)、塚田6号ソロ(白仁田)

◆三塁打 真砂

◆二塁打 高田、中谷、塚田、釜元

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .273

2]二:北條  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .141

3]指:狩野  (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .189

〃打指:緒方 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .292

4]右:伊藤隼 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 1) .279

5]一:中谷  (2-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .188

6]三:陽川  (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .143

〃打:森田  (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .230

〃走遊:阪口 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .333

7]左:一二三 (3-2-0 / 1-1 / 0 / 0) .182

8]捕:小豆畑 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .333

〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .150

〃打捕:日高 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .286

9]遊三:西田 (4-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .175

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

白仁田 5回 80球 (6-3-2 / 4-3 / 3.46) 145

筒井  1回 22球 (2-0-1 / 2-2 / 5.40) 143

小嶋  1回 12球 (0-0-0 / 0-0 / 9.31) 142

西村  1回 25球 (3-0-0 / 1-1 / 6.00) 140

島本  1回 14球 (1-1-0 / 1-0 / 0.00) 140

2発を浴びた白仁田

白仁田は1回、先頭の亀澤に中前打され、次の高田の右前打を伊藤隼がエラーして無死一、三塁といきなりピンチを迎えます。1死後に李杜軒の中犠飛で1点、続く吉村がレフトへ2ラン。2回は先頭の牧原に右前打を許すも小豆畑が盗塁を刺して3人で終了。3回は高田の中前打のみ。4回に今度は塚田の6号ソロを浴びました。5回は連続四球や暴投などで1死一、三塁としたあと福田を二ゴロ併殺打!白仁田は5回6安打4失点(自責3)。

打線は苦手なオセゲラに対し、3回に先頭の一二三が中前打するも小豆畑の併殺打などで無得点、4回は2死から四球を選んだ狩野が盗塁失敗。4回までキッチリ3人ずつで片づけられます。しかし5回、先頭・伊藤隼の中前打に続き、中谷が左翼線二塁打!伊藤隼が一気に生還し、陽川と一二三の連続四球で無死満塁。1死後に西田が右前2点タイムリー!これで1点差と迫りました。

さらにオセゲラのボークで一二三が還って同点。柴田は左前打を放ち1死一、三塁となってオセゲラが降板します。代わった二保がまたボークを取られ、これで勝ち越し!ソフトバンク側が説明を求めて何分か中断したのち、北條は左前打を放って一、三塁。次が狩野だっただけに差を広げたいところでしたが…残念ながら投ゴロ併殺打。それでも今季1イニング最多の5点を取って逆転です。

グラウンド整備の間に、エレベーターで一緒になった掛布DCは「打てるんだよね、ちゃんと」とホッとした笑顔でした。記者席で試合を見ながら、ヒットが出るたびファンの皆さんと同じように拍手をして大喜びだったとか。でも試合は後半に入り「あの5回、あと1点欲しかったよね」とつぶやいた掛布DCの言葉が現実となります。

せっかく逆転したのに…

ところが6回、筒井が先頭の李杜軒に四球を与え、吉村の右前打で無死一、三塁としてしまいます。塚田の左前タイムリーで追いつかれ、続く牧原の左犠飛。あっという間に再逆転を許しました。7回の小嶋は内野ゴロ3つで三者凡退。ついで8回の西村が先頭の釜元に左翼線二塁打を許し、犠打で三塁へ。吉村の中前タイムリーを浴びています。さすが吉村、この日は3安打3打点でした。

9回は島本が登板。先頭の真砂に初球を打たれ、打球はレフトへぐんぐん伸びて追いかけた一二三が届かず。内野へ返ったボールを中継したショート阪口が三塁へ送球するも、少し逸れてサード西田は捕れません。これ見て真砂はホームイン。1安打で、というか1球で1点追加されました。記録は三塁打と阪口のエラー。でも島本はそのあとをしっかり3人で片づけています。

5回に打者9人で5点を取った打線は、6回に中谷の四球と一二三の左前打、8回に中谷の死球と代打・森田の四球でtもに2死一、二塁としただけ。このカード3タテでソフトバンクにも3勝4敗と負け越し、ついに6連敗となりました。

今季の公式戦は、まるでリミッターがあるかのように5点までしか取れませんねえ。その“今季チーム今季最多の”5得点も、3月23日のオリックス戦(5対2で勝利)、4月8日のオリックス戦(5対5の引き分け)についで、まだ3試合目です。

試合後の平田監督の話は「筒井、ストライクが入らん。球に力もなかった。1軍ではしんどいよ。白仁田も去年はよかったけど、バッターが嫌がるピッチングをしなきゃ。きれいに投げてちゃダメ。時間がないよ」と投手陣への苦言から始まりました。そして「5点取っても8点取られるんだから。向こうの真砂や塚田は違うやろ?やっぱい他のチームとの、地力の差が出る」と打撃力についても同様。

失投を悔やむ白仁田、島本

白仁田投手は、中2日での先発に「それは気にならなかった」と言いますが、この日の内容は「ちょっと失投が多すぎました。いいボールは(低めにいって)いいけど、浮くボールは高くて打ちやすくなる。はっきりした投球になってしまった」と反省しきり。吉村投手のホームランは「スライダーが真ん中へいってしまった。ベルト付近の高さです」とのこと。約2週間ぶりの先発で「全体的に高いボールが多いので打たれる。それをなくさないと。でも今日投げてみてわかっているので、投げられれば今日みたいなことはないと思います」と話していました。

2日のソフトバンク3連戦初日にストライクが入らず自滅してしまった小嶋投手は「あの時ちょっと足を滑らせてしまったので、それが気になってしまって…」と立ち直れなかったことを悔やんでいます。でも4日はゴロアウト3つ、12球でピシャリ!「きょうは大丈夫でした。よかったですね」と納得の表情。

島本投手は、守備の乱れで打者走者を還したことより「初球です。入りが悪すぎました。スライダーが抜けてしまって。甘かった。超甘かった」と打たれた初球を猛省。あとは完ぺきに抑えられた?「はい」。亀澤選手は真っすぐで二ゴロ、高田選手はスラーブで二ゴロ、最後の釜元選手もスラーブで空振り三振でした。

「もっと大きな当たりを」

左翼線にタイムリー二塁打を放って反撃の口火を切った中谷選手は「今、自分のイメージの中でやれているのでいいかなと思います。とりあえず軸足に乗って、ボールをよく見る、あとは考えすぎずに」と振り返っています。ヒットでなくても当たりがいい、と言ったら「でも抜けなきゃいけないので」といつもの答え。左中間を真っ二つに割るとか、外野の頭を越えていくとかという打球を、平田監督にも注文されているんでしょう。それだけのパワーがあるからですね。

今季公式戦初スタメンでマスクをかぶった小豆畑選手は、自分に対して「0点です」とひとこと。また2点タイムリーの西田選手は、気づいたらもう帰ってしまっていて話を聞けませんでした。すみません。

余談ですが、北條選手の“ひげダンス”の件を少しご紹介します。先月中旬に甲子園であったソフトバンク戦で打席に入る際、キャッチャーの山下選手から登場曲『ひげのテーマ』について突っ込まれたと笑っていた北條選手。今回もまた何か?「踊ってこいよ、って言われました(笑)」。あ、真砂もちょっと踊っていましたよ、ライトで」。ふむ、それで守備の動きがよかったのかも。

4日のお出迎え。タイガースガールズに挟まれた4選手です。表情が硬いなあ…
4日のお出迎え。タイガースガールズに挟まれた4選手です。表情が硬いなあ…

最後に4日の開門時の写真を載せておきます。選手は左から島本投手、田面投手、緒方選手、原口選手の4人。原口選手はプロ5年目でお出迎え初体験でした。次の甲子園開催は今月31日と6月1日、イースタンの巨人と対戦するファーム交流試合です。ジャイアンツとの交流試合は何度かあるけど、甲子園に迎えるのは初めて。お客様も多いでしょうね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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