Yahoo!ニュース

タイガース安芸キャンプの練習試合でルーキー左腕・岩崎が好投!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
22日に行われた高揚(韓国)との練習試合で3回無安打4三振と好投した岩崎投手

22日に高知県安芸市は素晴らしい晴天に恵まれ、昼間はコートが要らないほどの陽気でした。安芸市営球場では韓国の独立プロ野球チーム・高陽ワンダースとの練習試合が行われ、投手陣は3人で1安打完封リレー。打線は、前回の対戦(15日)で好投した高陽のゴンザレス投手の制球難やバッテリーエラーなどもあり8得点。そのうち一二三選手と北條選手が2打点ずつ挙げています。

《安芸キャンプ練習試合》

阪神-高陽(安芸)

高陽 000 000 000 = 0

阪神 000 005 300 = 8

※特別ルールにより9回裏まで

◆バッテリー

【阪神】岩崎-藤原-伊藤和/原口-小豆畑(7回~)

【高陽】ソリアーノ(4回)-チェ・ヒョンナム(1回)-ゴンザレス(2回)-キム・ソンハン(2回)/ジョン・ギュシク-キム・ジホ(7回)-チェ・ボンチョン(8回~)

◆本塁打 なし  ◆三塁打 なし

◆二塁打 【阪神】原口(2回)

◆打撃(打数-安打-打点/三振-四死球/盗塁/失策)

【阪神】

1]三: 坂    ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 1 )

〃一遊: 阪口  ( 2-0-0 / 0-1 / 2 / 0 )

2]二遊一: 荒木 ( 4-1-0 / 1-1 / 0 / 0 )

3]遊二: 北條  ( 3-1-2 / 1-2 / 1 / 0 )

4]左: 一二三  ( 4-2-2 / 1-1 / 0 / 0 )

5]右: 狩野   ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

〃指捕: 小豆畑 ( 1-0-0 / 0-2 / 0 / 0 )

6]捕指: 原口  ( 5-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

7]中: 横田   ( 4-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

8]一三: 陽川  ( 4-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

9]指右: 田上  ( 2-0-0 / 1-2 / 1 / 0 )

◆投手(安打-三振-四死球/暴投-失策/失点-自責)

【阪神】

岩崎   3回 43球 ( 0-4-0 / 0-0 / 0-0 )

藤原   3回 35球 ( 1-2-0 / 0-0 / 0-0 )

伊藤和  3回 53球 ( 0-4-3 / 2-0 / 0-0 )

投手陣は、岩崎が1回に2死から坂のエラーで走者を出しただけで、他はパーフェクト!3イニングを投げ見逃し2つ、空振り2つの計4奪三振の好投でした。藤原は4回の先頭にヒットを許したものの、やはり他はキッチリ抑えて3イニング無失点。そして伊藤和は三振を4つ奪って無安打無失点ながら、毎回の3四球。そのため、ちょっと球数を要しています。

打線は5回まで原口の左中間二塁打と陽川の中前打のみで無得点。しかし6回、ゴンザレスの3連続四球で1死満塁として一二三が右前タイムリー!以降は暴投や捕逸、エラーなどで4点。7回は1死一、二塁から田上と阪口が重盗!北條の2点タイムリーを呼びました!北條も盗塁を決め、続く一二三が中前タイムリー。半分はもらった得点ですが8対0で勝ちました。

岩崎、平田監督も絶賛の好投

試合後のコメント、まず平田監督です。「岩崎はいいねえ!この前いいピッチングしただけに、力んでコントロール乱すんじゃないかと余計な心配したよ。ボールが垂れないというか、生きとるもん。低め低めに集めて。スピードガン以上にボールが来ている感じ、あるんじゃない?ちょっと振り遅れとる。今回はクイックもしっかりできていた」と絶賛。また一二三選手について「慎太はヒットをこの前3本、きょう2本。今までチャンスに力みまくって大振りになってたが、きょうはうまくライト前に打った。4番は自覚させるためにやっている。ヒットが出ると調子も上がってくる。最後の打席も狙っていってた。あれぐらいでいい。ちょっと自覚出てきたんちゃう?守備でも去年と全然違う。シートノック見てもね。スローイングもよくなったよ」と成長を評価しました。

岩崎投手は「この前よりいい感覚がありました。ストレートの質は前よりよかった。それで変化球も生きたかと。課題としては、ゾーンをもう少し広く使っていこうと原口とも話していました。追い込んでからだとか、ストライクゾーンに集まりがちだったので。ボール気味で、きわどいところに投げられたら、広く使えて投球の幅も広がると思います」。ファウルで粘られた打者もありましたが「そこは粘り強く投げられた」と“粘り勝ち”に笑顔です。

和田監督が見てみたいと。「自分ではあまりそういったことを考えてはいませんが、結果を出していけば現実味を帯びてきますかね。でも今はまだ。目の前の課題に向かってやるだけ」。先発とリリーフについては「大学4年は先発でしたが、それまではリリーフ。どちらかと言えばリリーフの方が慣れていますけど、どちらでもチャンスがあるなら」と、度胸満点のマウンドとは違い、あくまで謙虚なルーキー左腕でした。

ついで藤原投手は「いやー先発ピッチャーがインパクトありすぎて」と、代わりっぱなで許したヒットに苦笑い。結局、試合全体でもこの1安打だけなんですね。「前回の反省をして、前は2死からの四球がムダだったので、そういうのはなくそうと。きょうは集中です!ムダな四球を出さないよう、追い込んでから1球ごとに意図を持って投げました。全部、結果球にするつもりで。そうすれば相手も早い段階で振ってくれます」。もう3試合目の登板で計10イニング。「ピッチャーが少ないから、イニングをたくさん投げられる」とのこと。次はオープン戦かな?「ザキが先でしょう」。インパクト十分だった先発、岩崎投手の名前を挙げています。

伊藤和投手は「きょうは全然ダメです。あかんかった!」という、ため息まじりの第一声。「監督にチェンジアップを試すよう言われていました。だけどコントロールつかなかった…。フォークもよくなくて。しっかり四球を出さずにやっていかないと」。それでも真っすぐで空振りも結構取れていたのでは?「真っすぐはだいぶよくなってきた感じはある。チェンジアップとかが次の課題になると思います」

一二三は“好きなゴンザレス”から2安打

変わって野手陣。6回1死満塁で右前に先制タイムリーを放った一二三選手。この回5得点のうち唯一の打点でした。「絶対に還さなあかんなっていう感じで、結果が出たんでよかったです」。掛布さんのアドバイスが生きている?「そうですね。だいぶ。まだまだですけど。トップを早く作る、タイミングを合わせるという2つだけは忘れないように。あとは反応ですかね」。さらに7回は1死二塁で中前タイムリー。こちらは「若干つまったような気はしますがタイミングは合っていた」そうです。掛布DCは、あれを1発狙いで上げてほしいと。「はい。まあ、のちのちですね(笑)。僕も打ちたいんですけど。結果がよかったのでいいです」と振り返りました。

帰り際に「もっと…ホームラン打ちたいっすねえ!」と言い、9回の空振りの三振に「あれはかなり狙ってました。ホームランを」と一二三選手。ただし「あの最後のピッチャー、コントロール悪くて的を絞れなかった」と悔しがっていました。タイムリーを2本打ったゴンザレス投手も今回は荒れていたけど?「僕、ゴンザレス好きですよ。真っすぐしか投げないから」。なるほど、球速も145キロくらいまでで、それほど速くないし。

「死ぬほど球が速く見えた…」

という話をしていたら、右太もも裏痛から復帰して、この日がことし初実戦だった小豆畑選手が「それが…僕にとっては、めちゃくちゃ速く感じましたよ」とポツリ。すると一二三選手が「あ、それでバットを短く持っていたんですか?」と聞きます。仲野トレーナーにも「えらい短いなあって思ってた!」と思い出し笑いをされた小豆畑選手。「最初から短めに持とうとは思っていたんですけど、5回裏の初打席でボールを見てから、もっともっと短く持ちました」

四球を2っ選んで(もしかすると手が出なかった?)走って「問題なかった。足はもう大丈夫です」とのこと。「ケガしなくてよかったです。全然まだついていけていない。死ぬほど球が速く見える」というのが、小豆畑選手の初実戦の感想。

右手の指からヒジにかけての違和感で第3クールから安芸キャンプに合流している白仁田投手。第4クールの最後にブルペン入りし、捕手を立たせたままながら今月5日以来となるピッチングを再開していました。そして22日は座らせて30球。「悪くはなかったんですけど、開きが早くなって。まだこわごわですね。これから徐々に」と話しています。

また右ひじ痛のため安芸へ移動となった松田投手は、22日からリハビリと別メニューでのトレーニングを開始。山下トレーナーによれば「本人は、もう痛みもなく投げられると言っていますが、まずはじっくり治すことを優先。焦らず治療して、じっくりリハビリしていくことになります」とのこと。松田投手自身は「リハビリとか、やることをしっかりやって焦らずにいきたい」と明るい表情で安心しました。

23日も安芸市営球場では四国銀行との練習試合が行われます。こちらは関本選手らベテラン勢も出場予定。そういえば昨年のこの対戦、前半は安藤、加藤、久保田という豪華投手リレー。スタメンは荒木、阪口、西田、中谷、藤井宏、北條、一二三、橋本、黒田。1年しか経っていませんが、ちょっと懐かしさもありますね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事