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沖縄便の切符は誰が…。タイガース安芸キャンプに動きあり?

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

8日の日本列島は広い範囲で雪が積もり、大混乱でした。東京では積雪が20センチを超えたとか。9日も東日本は要注意みたいですね。近畿もあちこちで積雪の影響が出ています。ところが高知県安芸市は普通の雨だっただけでなく風も弱くて、どちらかというと前日より過ごしやすかったくらい。午後は一気に天気が回復して夕方からはもう晴れていたので、関東の吹雪をニュースで見て驚くばかりでした。

タイガースの安芸キャンプは第2クール2日目。土日を利用して選手の親御さんや親戚の方々が見学に来られています。7日からは岩崎投手のご両親と阪口選手のご両親が、8日には陽川選手のご両親と、横田選手のおばあちゃんとおばさんも。阪口夫妻は8日午後に車で帰られましたが、問題なかったでしょうか。午後、球場に到着された真弓明信さんも急きょ空路に変更しての移動だったようです。

活気あふれるブルペン、全投手が投球披露

そして沖縄キャンプから黒田ヘッドコーチ、加えて中村GMも視察に訪れたため一段と賑やかな安芸でした。朝は雨が残り前日と同じく野手の練習は安芸ドームだけだったものの、ブルペンでは投手陣14人全員がピッチング。中村GM、黒田ヘッド、平田監督、掛布DCをはじめスカウト陣らがズラリと並んで熱視線を送ります。この状況で、ルーキーに力むなという方が無理ですよねえ。

久保投手コーチによれば「調子よく投げられるコンディション作りがうまくいっていて、その状態がいいものを作り出している。それを覚えていてほしい。数をたくさん投げたって残るのは疲労だけ。今はみんないいですよ。質の高いボールが多い」とのこと。確かに球数をそれほど投げている選手は少ないかもしれません。でも質のいいボールを、しっかり放れているということでしょう。

「よくなかったので投げていたら135球」と岩崎

そんな中で、この日最多の135球を投げたルーキー・岩崎投手。最初から予定していた?「いえ。全然ダメだったんで…」。修正しようとしたら135球に?「はい。体重移動がバラバラで、球もバラバラでした」。受けた岡崎選手が、いいよ!と声をかけた球もあったでしょう。「何球か、内角の方はいいボールが決まったこともあったんですけど、外角があんまりいい感じではなかった。きょうは、あからさまによくなかったので考えてやりました」

大学時代は土日に集中して投球練習をすることが多かったという岩崎投手。1日に投げた球数では、それよりも多いとのことです。この日は中村GMや黒田ヘッドが正面から見ていましたが「ブルペンの時は周りを気にせず、と考えてやっていますし、まだそんな選手じゃないと思っているので」とサラリ。ご両親が見学されていたのは?「気にならないです」と笑います。お母さんは「投げる姿は久しぶり」と喜んでいらっしゃいましたよ。

平田監督は「岩崎は思ったよりいいねえ!けん制もうまいよね。今の子はうまい。岩貞は力んでいたなあ。GMやヘッドが見ていて。きょうのブルペンで、みんな力が入りすぎるくらい、いいピッチングをしていた。いい刺激になったと思うよ。小嶋も(伊藤)和雄も田面も島本もよかった」と次々に名前が出てきます。ブルペンでは投手陣を鼓舞するためか、本人ではなく打席に立った野手をけん制してみせた平田監督。たとえば田面投手が投げる時、打席の阪口選手に「哲、打てるか?田面のあの球。打てんやろ!」と大きな声で“アピール”するわけです。応えるように投手陣がビュンビュンと投げ込み、また「ナイスボールだよ!」と監督のよく通る声が響く。そんな時間でした。

小嶋が順調、シートで結果を出し沖縄へ?

キャンプ中にコーチが沖縄から安芸へ、というのも珍しいことですね。黒田ヘッドコーチは9日も練習を視察する予定。いつかはわかりませんが投手1人、野手1人を連れていくと話していたそうです。既に小嶋投手の名前が挙がっていたとか。平田監督は「まだ決まってないよ。あすのシートを見て報告、相談してからじゃない?」と言っています。人数が減ると安芸も練習試合があるので困るのではないかと聞かれ「何人抜けたって問題ないよ。沖縄に連れていってもらった方がいいやん」と一蹴。

小嶋投手について久保コーチは「去年の秋から取り組んでいることができて、バランスがよくなった。前はリリースが早いから力が入らなかったけど、今は軸足を少し長めに残しておくことでできている。ひじの故障から学び取れたことがよかったのだろうと」と分析しています。小嶋投手本人は「(故障して)時間があったから」と笑うものの、バランスに関しては「投げ終わったあと上体がちょっと高いなと思って、左足を後ろに残すようにしてみた。すっと前に持って来ずに。そしたらいい感じになった」と説明してくれました。とにかく左ひじを痛めた昨年6月3日以来の実戦マウンドです。復活の一歩目を見せてください。

そのシートバッティングは、9日のお昼頃から行われます。登板する投手は小嶋、玉置、藤原、伊藤和、田面、島本。そして、この6人が11日の練習試合・西武戦(春野)にも投げる見込みです。また平田監督は「シートには横田も入るよ」と明言。9日から本隊にも合流し、陽川選手とともに初めて屋外での打撃練習をします。シートバッティングのメンバー入りはまだ聞いていなかった横田選手に、楽しみかと尋ねたら「楽しみですけど、間隔が空いているので…ちょっと不安の方が大きいです」と苦笑いしていました。私たちは期待の方が断然大きいんですけど。

ちなみに、この日来られたおばあちゃんとおばさんは横田選手のお父さん(横田真之さん)の、お母さんとお姉さん。高知県南国市にお住まいです。会うのは「僕が中学3年の時以来だと思います。2、3年ぶり」だとか。11日の練習試合に出るなら「春野の方が安芸より近いので、見に行きたい」と、おばあちゃんは張り切っておられましたよ。そのためにも、初のシートバッティングでアピールしておきましょうか。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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