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大阪天満宮初天神の続編ー“福玉”に乗せた小虎たちの抱負

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

大阪天満宮初天神梅花祭での福玉まきは現在、オリックスと阪神の2チームが24日と25日に分かれて参加しています。オリックスもことし2年目を迎える5選手でした。その昔には(福玉まきだったかどうかは未確認ですけど)阪神、阪急、南海、近鉄の選手たちがやっていたとか。そういえば関西に4球団もあったんですよね。

では前回に引き続き、25日の福玉まきで見事な肩を披露した選手の話をご紹介しましょう。きょうは北條選手、田面投手、小豆畑選手の3人です。

2月1日から飛ばしてアピールする北條

北條選手は大阪天満宮は初めてだそうで、とにかく人の多さに驚いていました。これまでで最多らしいと告げたら「藤浪効果や!」とニヤニヤ。何度も「藤浪効果、藤浪効果」と連呼して、藤浪投手から「何がやねん!」と突っ込まれ、また楽しげに笑います。藤浪投手はじめ沖縄キャンプ組は27日から既に宜野座で合同自主トレを開始。この同期2ショットも、しばらくお預けになるんですね。

福玉まきを終えた北條選手。キャンプに向けての気合いは髪型にも表れていますね。
福玉まきを終えた北條選手。キャンプに向けての気合いは髪型にも表れていますね。

「安芸スタートですけど、2月1日から飛ばして少しでも多くアピールできたらいいと思います。沖縄?そら行きたいですよ~。シーズン中にスカウトの方と面談があって、目標を聞かれました。1軍で活躍するのは最終目標だけど、近くの目標としては1軍キャンプに呼ばれることって答えたんです。それができなくて残念で悔しかったけど、入れ替えがあると聞いているので頑張っていけたら」と気持ちを切り替える北條選手。

アピールするのは「打」かと尋ねたら、少し悩みました。「打撃は好きだし、やっぱり打った方が目立つから自分としてもそれがいいと思うので、アピールポイントを“打”にできるように頑張ります!」と決意表明。そして「拝んでもらっている時、去年はファームでももうひとつだったので今年の成績、というか1軍にいけるようにと祈っていた」と言います。なるほど、心の中でね。「いえ、頭の中です」…そこチェックしますか。

今年こそ1軍で投げたい!という田面

次に田面投手です。こういう行事に参加したことは?「もちろん初めてです」。思いきり投げた?「いえ軽く。本気で投げる人はいないでしょう」。いや、小豆畑選手は本気だったかも。「ああ(笑い)」と納得のうなずきで、言った私も笑ってしまいました。この日は天満宮に来る前の鳴尾浜自主トレで、4度目のブルペン入りをして真っすぐのみ30球。「順調です。徐々に上がってきています」とのこと。

キャンプは「安芸でしっかりピッチングとか、実戦的なことも入ってくると思うのでアピールして成長できたら」と言います。去年も安芸スタートですが、途中で沖縄に呼ばれましたね。残念ながらそのまま帯同とはいかなかったので、田面投手自身も「今年こそ1軍で登板できるように」と目標を掲げました。

「去年の終わりから良くなってきたので、それを継続して少しずつ上げていければと思います」。直球のスピードも?「去年は真っすぐでストライクが入らず変化球に頼っていたところがあるので、真っすぐを基本としたピッチングができれば自然と変化球を投げられ、打者とも勝負できると思う。今はバランスや感覚的にまだまだですが、悪くはないです。キャンプでもランニング、ウエートとかでピッチングにつなげていけるよう、一つ一つ良い方向に向かっていけるようにしたい」

また安芸にはベテラン投手陣もいるので、積極的に。「それが…自分からは、なかなか話しかけられないんですよねえ」と困った顔。大丈夫、近くで見ることでも勉強はできますよ。「そうですね。いろんなもの吸収していけたら」と目を輝かせています。

まだ2年目、でも「あとがない」覚悟の小豆畑

最後は「沖縄でも安芸でもやることは変わらない。一生懸命頑張ります!」という小豆畑選手。「去年は今成さんが安芸スタートから1軍で活躍したという例もある。逆に僕は沖縄キャンプに連れて行ってもらったのに、ファームでもダメだった。下で鍛え直すようにということ、今の自分の力では1軍にはいられないということだと思う。それを真摯に受け止めて今後の力にしていきたい」

キャンプでやるべきことを聞かれて「春のキャンプはシーズンに向けての準備を並行しなくてはいけない。実戦感覚を身につけ、秋季キャンプより試合に即した練習を意識して。そういう意味ではやることがいっぱいです」と意気込みを語っています。さらに「まず試合に出るための技術を上げることが必要。単純に野球がうまくなりたい」という言葉。

小豆畑選手らしいコメントで締めくくってくれましたが、キャンプメンバーの発表があった23日にこんな話をしていたんです。「逆にふっきれました。去年は即戦力という期待に応えなくては…とずっと焦りがあった。でも今年は鶴岡さんも加わって、自分はまず自分を向上させることだけ考えてやればいいんだと」。もし1軍のキャッチャーに何かあった時は行かなきゃ。「それはもう!そのためにしっかり準備しますよ」

安芸スタートとなったキャンプにも「関係ないです。去年は沖縄へ行ったけど、あとはずっとファーム。それじゃダメなんです。だからスタートはどちらでもいい。上がれれば」とキッパリ。そのあと続けて「あとがないと思っていますよ」と意外なひとことが…。昨年で自由契約となった野原選手や橋本選手を差し「将志や良平は同い年ですからね。いつまでも猶予がある年齢じゃない。やらないと」と真剣な眼差しでした。

それぞれの思いを抱えて、まもなく春季キャンプが始まります。安芸組の若手は30日まで鳴尾浜で合同自主トレ、31日に高知へ移動。31日は休日なのでスタンドは閉まっています。ご注意ください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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