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トナカイさんへ伝える話(108)裁判傍聴・滋賀医科大生事件3

小川たまかライター

 女性に集団で性的暴行を行ったとして強制性交等の罪に問われた滋賀医科大学の元学生・長田知大被告の論告求刑公判が11月15日に大津地裁で行われ、検察側が懲役8年を求刑し結審した。

 法廷では被害に遭った女性が遮蔽措置の内側から意見陳述を行い、「(被告人らは女性を)性欲を満たすだけのおもちゃのように、性奴隷のように扱った」「屈辱的、そんな言葉では言い表すことはできません」「(犯行時に撮影された動画が)被告人たち以外のグループLINEにアップされていることを知り、本当に絶望的な気持ちになりました」と5分以上にわたって心情を語った。

 検察側は、自宅という自らの支配領域内で侮辱的な言葉を浴びせながら3時間にわたって3人で行為に及び女性に強い精神的苦痛を与えたことや、長田被告が主導的立場だったことを指摘し「極めて悪質」と懲役8年を求刑した。

 滋賀医科大生らによる嘆願書が出ていることにも触れ「被告人側の不合理な供述」のみを聞いて署名が行われたものと考えられ、量刑に与える影響はないと強い口調で断じた。

 一方、弁護側は「極めて悪質とまでは言えない」と述べ、「動画の撮影は犯行発覚を防ぐためではない」「十分争う余地があるものの、被害者の心情を考えて争っていない」「実名報道による社会的制裁を受けており、大学も退学処分となっている」などとし、酌量減軽の上での執行猶予判決を求めた。

 頭を丸刈りにし黒のスーツを着用した長田被告は最終意見陳述で「今回の事件を通して、自分が目指してきた方向とは全く異なる行動をしてきたことがわかりました。自分が社会に出るのがいつになるかわかりませんが、少しでも社会に貢献できるよう模索していきたいと思います」と述べた。

 以下、詳細。(約3000字)

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ライター

ライター/主に性暴力の取材・執筆をしているフェミニストです/1980年東京都品川区生まれ/Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット大賞をいただきました⭐︎ 著書『たまたま生まれてフィメール』(平凡社)、『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』(タバブックス)、共著『災害と性暴力』(日本看護協会出版会)『わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点』(合同出版)など

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