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ロシア軍の新型防空システムS-500の新型ミサイル試射が初公開

JSF軍事/生き物ライター
ロシア国防省公開動画よりS-500防空システム

 7月20日、ロシア国防省はロシア南部のアストラハン州北西部にあるカプースチン・ヤール演習場で新型の防空システムS-500が射撃試験を行ったと発表しました。高速弾道標的の撃墜に成功、弾道ミサイル防衛システムになります。

 従来のS-400防空システムの基本形態は48N6ミサイル4本のキャニスターを発射車両に搭載する型式でしたが、S-500はそれよりも大きなキャニスターを2本搭載しています。これはS-300Vの巨大な9M82ミサイルに匹敵する大きさです。(写真を比較したところ、直径は9M82用キャニスターと同等、長さはS-500用の方が長い。)

【比較写真】左:S-300V装輪型(9M82ミサイル)、右:S-500。ロシア軍より
【比較写真】左:S-300V装輪型(9M82ミサイル)、右:S-500。ロシア軍より

 S-500が発射した地対空ミサイルの詳しい種類は公表されていませんが、おそらく新型の40N6ミサイルないし77N6ミサイルだと思われます。40N6は48N6より番号が若いですが、40N6の方が後から採用された新型ミサイルです。これまで40N6は断片的な性能数値しか発表されておらず、77N6に至っては全く正体が不明でした。

 これが77N6だとするとロシア国防省が公開した今回の動画が初公開となります。S-300Vの9M82ミサイルに似た形状の特徴が見えます。

ロシア国防省公開動画よりS-500発射の瞬間。キャニスターの蓋はS-300Vと同様の開閉式
ロシア国防省公開動画よりS-500発射の瞬間。キャニスターの蓋はS-300Vと同様の開閉式

ロシア国防省公開動画よりS-500発射の瞬間。遠距離で新型ミサイルの形状は不鮮明
ロシア国防省公開動画よりS-500発射の瞬間。遠距離で新型ミサイルの形状は不鮮明

写真拡大。不鮮明だが下部に末広がり型のブースター、2段式ミサイルと推定
写真拡大。不鮮明だが下部に末広がり型のブースター、2段式ミサイルと推定

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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