サウジアラビア戦闘機がフーシ派のドローン多数を撃墜し防空に成功

サウジアラビア国防省の発表した動画より、フーシ派のドローンを撃墜する直前の映像

 サウジアラビアで3月7日に東部ラスタヌラにある石油積み出しターミナルが弾道ミサイルとドローンで攻撃されました。イエメンの武装組織フーシ派が弾道ミサイル8発とドローン14機の合計22機を用いて攻撃したと犯行声明を出しています。なおサウジアラビア軍の迎撃で目立った被害は出ていません。

 弾道ミサイルに対してはパトリオット地対空ミサイルによる迎撃が成功、ドローンに対してはF-15戦闘機による迎撃が成功しており、赤外線映像で撮影した撃墜する様子の動画が公開されています。

 2019年9月14日に起きたサウジアラビアのアブカイクとフライスにある国営石油会社サウジアラムコの石油施設への攻撃では、巡航ミサイル7発とドローン18機による合計25機の攻撃を受けて大きな被害を出しました。この時はフーシ派を支援するイランによって発射され迂回飛行しながらイラク内陸部を経由するという、予想外の方向から奇襲攻撃されて対応できなかったことが大きな要因でした。(当時サウジアラビア軍が警戒していたのはイエメン方向とペルシャ湾の海を隔てたイラン方向だった)

【関連】サウジ石油施設への攻撃はイラン製の新型巡航ミサイルと初確認の新型自爆ドローン(2019年9月19日)

 これに対し今年3月7日の東部ラスタヌラへの大規模攻撃ではF-15戦闘機によってドローンを複数撃墜する動画がサウジアラビア軍から発表されており、空中からの警戒をしっかりしていたことが分かります。また3月2日にサウジアラビア南部に侵入してきたドローンを撃墜する動画も公開されており、侵入を繰り返すドローンに対しては戦闘機による空中邀撃が上手く行っていることを大きく誇示しています。弾道ミサイルに対しては以前からパトリオット地対空ミサイルが迎撃成果を出し続けています。

 巡航ミサイルやドローンは低空を飛ぶため、地上のレーダーから少し離れると地平線の陰に隠れてしまい捕捉できなくなってしまいます。そのため、広域を監視して防空するためには空中からの警戒と迎撃が不可欠であり、早期警戒機と戦闘機を組み合わせて上空から見下ろして目標を発見し迎撃するのが基本になります。

 サウジアラビア軍は2年前の失敗から戦訓を踏まえて巡航ミサイルとドローンに対する空中からの防空態勢を強化しています。ただし早期警戒機と戦闘機で国土上空をくまなく常時滞空させて警戒する態勢の維持は大変な労力と予算が掛かります。常に戦時下での濃密な密度で早期警戒機と戦闘機を飛ばし続けていたら、何時か息切れしてその隙を狙われることが無いとも限りません。

 2015年にサウジアラビアがイエメン内戦に本格介入してから6年目になろうとしています。その間、イエメンのフーシ派がイランから供給を受けた弾道ミサイルと巡航ミサイル、ドローンによる攻撃によって、サウジアラビア本国が脅かされ続けています。