北朝鮮KN-25超大型ロケット弾の蓋の謎

北朝鮮公表映像より11月28日発射の超大型ロケット弾。2連射していることが分かる

 11月28日に北朝鮮が発射した2発の超大型ロケット弾(アメリカ軍コードネーム:KN-25)について、11月29日の朝と夕に北朝鮮が公式発表を行っています。その中で11月29日の夕方に公開された映像に興味深い点が見受けられます。

北朝鮮の公表映像より超大型ロケット弾
北朝鮮の公表映像より超大型ロケット弾

 11月28日の発射は2発が30秒間隔で発射されたと韓国軍が観測しています。北朝鮮の発射時の公開写真を見る限り、4本ある発射筒(キャニスター)の左上を先に発射し、次に右上を発射していることが分かります。しかし金正恩の視察する様子の写真からは、一見すると1本だけしか発射してないように見えます。しかし30秒間隔で2連射している以上、1発目を発射した後に要人が近くで視察して退避してから2発目を発射することは時間的に不可能です。

北朝鮮公表映像より超大型ロケット弾。蓋が空いている発射筒は1本のみ
北朝鮮公表映像より超大型ロケット弾。蓋が空いている発射筒は1本のみ

 しかし2発発射されている事は確かなので、考えられるのは「金正恩の視察写真は発射前である」という可能性です。つまり左上の発射筒のみを上下の蓋を予め外してから発射試験に臨み、左上を先に発射し、2発目の右上の発射筒は蓋が付いたまま発射したという可能性です。この蓋は発射時の噴射炎のガスで高まった筒内の圧力で吹き飛ばします。

北朝鮮公表映像より超大型ロケット弾の蓋?
北朝鮮公表映像より超大型ロケット弾の蓋?

 発射機の奥をよく見ると赤い物体と黒っぽい物体が落ちているのが見えます。解像度が低い写真なのではっきり分かりませんが、これは発射筒の上蓋(赤色)と下蓋(灰色)の可能性が高いでしょう。もし蓋を装着したまま発射したなら落ちている場所がおかしいですし、上蓋は噴射時のガス圧で綺麗に外れることはあっても、下蓋は噴射の直撃を受けて粉々になっている筈です。

 しかし何故わざわざ1本目だけ予め蓋を外しておくようなことをしたのか理由がよく分かりません。推測としては、超大型ロケット弾はあまりにもサイズが大きいので蓋の破り方に何らかの問題が出ているのかもしれません。1本目を予め蓋を外しておけば蓋が原因での不具合は出ないので、蓋が付いたままの2本目と比較する実験の要素があった可能性です。

 なお超大型ロケット弾の蓋については9月10日に発射した時にも疑問が生じています。9月11日に北朝鮮が発表した写真では、発射前には4本の発射筒の全てに蓋が付いていたのに発射後には3本の蓋が無くなっていたのです。しかし同時に発表された北朝鮮の声明文では発射は2発でしたし、9月10日の発射当日に韓国軍が観測した発射数も2発でした。その為、北朝鮮は実は9月10日に3発発射したが1発が発射直後に墜落して韓国軍が観測できなかったという疑惑が生じています。

北朝鮮が再び超大型ロケット弾を試射(2019年9月11日)