イージスアショアとSM-3ブロック2A

米ミサイル防衛局よりイージスアショア

 イージスアショアとは陸上に置いたイージス・システムの事で、艦船と違って定期修理の為にドックに入る必要が無いので、連続して警戒監視任務に就ける事が利点となります。能力的には海上を航行するイージス艦と全く変わりがありません。システムの新旧バージョンによる能力差はありますが、陸と海で差は無いのです。

 つまり、日本がイージス艦を取得した時に何も言わなかったにも拘らず、イージスアショアを取得すると決めた途端に異議を唱える行為は、能力面についてその主張に整合性が全く無いという事になります。

  • こんごう型イージス艦4隻(1993年~1998年竣工)
  • あたご型イージス艦2隻(2007年~2008年竣工)
  • 8200トン型イージス艦2隻(2021年~2022年竣工予定)
  • イージスアショア2箇所(2023年竣工予定)

 これまで日本はこのようにイージス・システムを増やしてきました。将来、陸海で合わせて合計10ユニット保有する事になります。これに加えてアメリカ海軍のイージス艦も連携するため、有事の際は日米のイージス・システムは合計で数十ユニットが日本防衛に就き、数百発のSM-3迎撃ミサイルが用意される予定となっています。イージスアショアはその中の2ユニットに過ぎません、イージスアショアだけで迎撃するわけではないのです。

 なおイージス・システムのバージョンの違いにより、使用する迎撃ミサイルは「こんごう」型はSM-3ブロック1A、「あたご」型はSM-3ブロック1B(1Aの小改良型)を用い、性能が大幅に上がるSM-3ブロック2Aはこれから取得する8200トン型イージス艦とイージスアショアで運用する事になります。「こんごう」型と「あたご」型はSM-3ブロック2Aを運用できません。

 この為、能力面において従来と大きな変化があるのはイージスアショアかどうかではなく、SM-3ブロック2Aを運用できるかどうかという点に掛かって来ます。SM-3ブロック2Aは日本周辺に2箇所に配備すれば北朝鮮のノドン弾道ミサイルを相手に日本全土を防御範囲に置ける能力があります。またそれだけではなく、グアムに向かう火星12号を日本周辺から迎撃できる能力を持つ事は確実な上に、ハワイに向かう火星14号をも条件が良ければ迎撃が可能と推定されます。つまり集団的自衛権の行使に直結する迎撃ミサイルなのです。