韓国配備のTHAADレーダーと日本配備のXバンドレーダーの関係

アメリカ陸軍よりTHAAD用Xバンドレーダー「AN/TPY-2」

韓国に配備することが決まった在韓アメリカ軍のTHAADですが、これに使われているXバンドレーダー「AN/TPY-2」は日本の青森県車力と京都府京丹後に配備されているXバンドレーダーと同じものです。これらはデータリンクで繋がり、お互いをカバーし合う事が出来ます。

このレーダーは車載移動式で、左右には回転せず上下方向の角度調節機能があります。左右方向にはフェイズドアレイ方式で左右各60度、合計120度の捜査範囲があります。探知距離に付いては詳細は不明ですが、射撃管制モードで500km以上、捜索モードで1000km以上の性能があるとされています。(実際の性能はそれ以上とする資料や報道もありますが、アメリカ軍は機密として公式発表していません)

Xバンドレーダー(探知距離500kmの場合)
Xバンドレーダー(探知距離500kmの場合)
Xバンドレーダー(探知距離1000kmの場合)
Xバンドレーダー(探知距離1000kmの場合)

このように日本海は日本配備のXバンドレーダーが大部分をカバーしているため、北朝鮮が日本海配備の潜水艦からSLBMをどの位置から発射しようと探知が可能です。京都のXバンドレーダーで韓国配備のTHAAD迎撃ミサイルを管制し誘導することも可能であり(リモート射撃)、潜水艦のSLBMで奇襲攻撃する事は難しいと言えるでしょう。

(追記:それならまず最初に日本配備のXバンドレーダーを破壊すればいい、という方法については、弾道ミサイルの命中精度では小さな目標は狙っても当たらないという問題があるため、潜入させた特殊部隊による破壊工作といった手段が考えられます。)

対馬海峡や津軽海峡といった狭い海峡には海上自衛隊や韓国海軍が待ち構えてるため、有事の際に突破は困難です。そうなると平時のうちにミサイル潜水艦を黄海側に配備しておいて、有事の際に奇襲発射できる位置まで進出させる方法が考えられます。現在、北朝鮮のミサイル潜水艦は試験の為に日本海側で建造され配備されていますが、将来的に黄海側に配備された場合には、日本に第三のXバンドレーダーを九州ないし沖縄に配備する必要が出て来るかもしれません。

Xバンドレーダー(探知距離1000km、沖縄に追加配備の場合
Xバンドレーダー(探知距離1000km、沖縄に追加配備の場合