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北海道を中心に全国的に気温が高い1週間 仙台と東京・名古屋・大阪・福岡で夏日も

饒村曜気象予報士
ハンディ扇風機 ハンディファン 手のみ(夏のイメージ)(写真:イメージマート)

大きな気温差  

 令和6年(2024年)4月10日は、低気圧の通過により、ほぼ全国的に雨となった前日とは一変し、大きな移動性高気圧におおわれ、高気圧南側の沖縄で雲が多い他は、全国的に晴天となっています(図1)。

図1 移動性高気圧におおわれ、晴天域が広がった日本列島の地上天気図と衛星画像(令和6年(2024年)4月10日15時)
図1 移動性高気圧におおわれ、晴天域が広がった日本列島の地上天気図と衛星画像(令和6年(2024年)4月10日15時)

 春は、もともと気温の変化が大きい季節ですが、今年は特に北日本を中心に顕著となっています。それも、季節先取りの暑さと、平年並みの気温との大きな気温差となっています。

 札幌の最高気温の推移を見ると、2月19日に13.9度と4月下旬並みの暑さのあと急降下し、その後は、高くなって平年並みという日が続いていました(図2)。

図2 札幌の最高気温と最低気温の推移(4月11~17日は気象庁、18~26日はウェザーマップの予報)
図2 札幌の最高気温と最低気温の推移(4月11~17日は気象庁、18~26日はウェザーマップの予報)

 そして、3月中旬以降は、平年を上回る日も出現するようになり、4月8日に22.0度と6月中旬並みの暑さとなっています。

 しかし、翌9日の最高気温は9.8度と、前日に比べて12.2度も低くなっています。

 ただ、低くなって平年並みです。

 そして、今後は5月並みの気温の日もある予報となっています。

今週末は東京でも夏日

 今週は、大きな移動性高気圧の通過で、札幌だけでなく、ほぼ全国的に晴れて気温が上昇する見込みです(図3)。

図3 各地の10日間予報(4月11~17日は気象庁、18~20日はウェザーマップの予報で、数字はともに最高気温)
図3 各地の10日間予報(4月11~17日は気象庁、18~20日はウェザーマップの予報で、数字はともに最高気温)

 ただ、大きな移動性高気圧の南縁に位置する沖縄では、雲が多く、雨の日もありますが、最高気温は25度以上の夏日が続く予報となっています。

 そして、14日の日曜日は、仙台や東京・名古屋・大阪・福岡でも夏日となる予報です。

図4 各地の4月14日(日曜日)の天気予報
図4 各地の4月14日(日曜日)の天気予報

 この暖かさで、北日本のさくら開花のペースが速まり、西日本から東日本では、お花見最後も花吹雪、花筏になるかもしれません。

 来週の週明けは、西日本から東日本へ低気圧がゆっくり通過する見込みで、これに伴い、雨の範囲が東進しそうです。

 先週までの予報では、低気圧による雨のあと、前線が日本付近に停滞して菜種梅雨になるというものでしたが、最新の予報では、低気圧による雨のあとは、再び晴天が続く予報となっています。

 今週、そして、来週の後半は、気温が高くて過ごしやすい日が多くなりますので、屋外で楽しんでもらいたいと思いますが、気を付けるのは紫外線です。

 紫外線はすでにかなり強くなっていますが、気温が高いといっても真夏の暑さではありませんので、紫外線対策をしないで屋外に長居をしがちです。

 知らず知らずのうちに、多量の紫外線をあびてしまうというのが、「紫外線は春に危険」と言われる所以です。

図1、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図2の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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