真夏日

　令和5年（2023年）4月18日は、高気圧の縁辺をまわるように暖かい南よりの風が流入し、九州を中心に気温が上昇し、熊本県・水俣では最高気温30.2度を観測しています（水俣では4月の最高記録）。

　最高気温が30度以上の日を真夏日と言いますが、4月18日の水俣は真夏日でした。

　そして、今年全国初の真夏日となりました。

　4月19日の全国一番の最高気温は、沖縄県・盛山で29.1度で、真夏日がありませんでしたが、夏日を観測した地点数は18日を上回る106地点（気温を観測している912地点の約12パーセント）で今年最多となりました。

　4月20日は、東シナ海から九州の南海上に前線が停滞しますが、近畿以北は日本の東海上にある高気圧の周囲をまわるように暖気が北上しますので、気温がより上昇する見込みです（図1）。

　主要都市の予想最高気温は、長野県松本市が30度、福島市、福井市、京都府舞鶴市、京都市、兵庫県豊岡市で29度となっていますので、新たな真夏日の観測や、夏日の地点数の更新があるかもしれません。

　令和5年（2023年）は、1月25日が今冬一番の寒波襲来で、全国の半分が冷凍庫に入ったような厳しい寒さとなったのですが、その後は気温が高い日が続き、3月は記録的な暖かさとなり、北日本でも真冬日を観測しなくなっています（図2）。

　4月に入ると、最低気温が氷点下という冬日になっても、日中の気温は高くなることが多くなり、最高気温が25度以上という夏日も増えてきました。

　そして、4月19日は、夏日を観測した地点数が、冬日を観測した地点数を上回っています。

　気温からみると、夏近しです。

南西諸島の梅雨入り

　南西諸島では、東シナ海からのびる停滞前線の影響で、19日夜から激しい雷雨となっており、雨が降りやすい状態はしばらく続く見込みです。

　鹿児島県奄美諸島の名瀬では、19日の降水量が157ミリに達しましたが、20日以降も雨の日の予想が続いています。

　名瀬の16日予報をみると、4月20日から5月5日までの16日間に、傘マーク（雨）が11日もあり、黒雲マーク（雨の可能性がある曇り）が13日もあります（図3）。

　お日様マーク（晴れ）や、白雲マーク（雨の可能性が少ない曇り）はともに2日しかありません。

　降水の有無の信頼度が5段階で一番低いEや、二番目に低いDが多い予報ですが、雨の降り方から見れば、4月20日に梅雨入りです。

　奄美地方の梅雨入りの平年は5月12日、過去最早は平成10年の4月25日ですので、来週の週明けまでに梅雨に入れば、過去最早の梅雨入りとなります（図4）。

　那覇の16日先までの天気予報を見ると、名瀬よりはお日様マークや白雲マークが多い予報になっており、名瀬のように曇りや雨の日が続く予報ではありません（図5）。

　沖縄地方は、来週後半のお日様マークや白雲マークが雨よりに変われば、来週にも梅雨入りの可能性があります。

　沖縄地方の梅雨入りの平年は5月10日ですが、昭和26年（1951年）の統計開始以来、最も早い梅雨入りは、全国的に冷夏となった昭和55年（1980年）の4月20日です（図6）。

　つまり、沖縄地方も、梅雨入りしてもおかしくない季節に入っています。

　梅雨の状況からみても、夏近しです。

台風1号の発生か？

　マーシャル諸島の熱帯低気圧が北上しながら発達し、台風1号となる可能性がでてきました（図7）。

　熱帯低気圧があるのは、台風が発達する目安となる27度をおおきく上回る29度以上の海域ですが、上空の場が台風の発達を促進させない見込みであることから、台風に発達しても、23日には熱帯低気圧に変わるという予報になっています。

　筆者が過去に調べた4月の台風の平均経路では、マーシャル諸島の台風はほとんどが北緯10度以南を西進し、一部は、東経140度位から北上してくるというものです（図8）。

　日本には影響がほとんどないと考えられますが、台風の季節が始まったということで、ここでも夏近しです。

タイトル画像、図3、図5、図7の出典：ウェザーマップ提供。

図1の出典：気象庁ホームページ。

図2の出典：ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図4、図6の出典：気象庁ホームページをもとに筆者作成。

図8の出典：饒村曜・宮澤清治（昭和55年（1980年））、台風に関する諸統計　月別発生数・存在分布・平均経路、研究時報、気象庁。