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東京でホワイトクリスマスの可能性は

饒村曜気象予報士
プレゼントを持って雪山を歩くサンタクロース(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

暖かい12月中旬

 週末は日本海を低気圧が発達しながら通過し、北海道の東海上で発達する見込みです(図1)。

図1 予想天気図(12月14日9時の予想天気図)
図1 予想天気図(12月14日9時の予想天気図)

 北海道では大雪が降った後の低気圧通過ですので、気温が上がって雨が降り、その後、寒気で雪面がアイスバーン状になったあとに雪ですので、表層雪崩が発生しやすくなります。

 また、寒冷前線が通過する北陸から北日本では大気が不安定となって雨や雪が降りますが、東日本の太平洋側から西日本では天気の崩れがなく、大掃除日和の天気が続きます。(図2)。

図2 雨と風の分布予報(12月14日9時の予想)
図2 雨と風の分布予報(12月14日9時の予想)

 週明けは、北日本を中心とした冬型の気圧配置によって一時的に寒気が南下し、日本海側を中心に曇りや雪または雨の天気となる見込みです。

 ただ、寒気本体の南下は北日本どまりですので、来週は、寒気が一時的に南下してくる北日本も含めて、全国的に気温が高い状態が続きます。

 そして、再来週はクリスマスの週で、今年も残りわずかです。

==12月下旬の長期予報==

 気象庁が12月12日に発表した一ヶ月予報によれば、1週間後(12月21日から27日)の天気は、北日本では日本海側は曇りや雪の日が多く、太平洋側では晴れの日が多いという平年並みの天気を予報しています。

 また、西日本の日本海側では曇りや雨または雪の日が多く、沖縄・奄美では曇りや雨の日が多いという、これも平年並みの予報です。

 しかし、寒気が北日本までは南下しても、それ以上の南下がないため、東日本の日本海側では平年より曇りや雨または雪の日が少なく、逆に、東~西日本の太平洋側では、平年より晴れの日が少ない予報となっています。

 気温は、北日本で平年並みのほかは、平年より高い予報となっています。

 それも、確率予報で、気温が高いが60パーセント、並みが30パーセント、低いが10パーセントという、高い確率での高温予報です(図3)。

図3 地方別の12月21日~27日の気温予報
図3 地方別の12月21日~27日の気温予報

クリスマスの頃の天気予報

 ウェザーマップの16日先までの天気予報でも、気象庁の一ヶ月予報と同じ傾向がでています。

 クリスマスを含む再来週の各地の天気予報をみると、クリスマス前日の23日(月)は、札幌を除いて全国的に傘マークで、仙台には雪ダルママークがついています(図4)。

図4 各地のクリスマスの頃(12月23日~25日)の天気予報
図4 各地のクリスマスの頃(12月23日~25日)の天気予報

 また、24日(火)も多くの地点で黒雲マーク(降水の可能性がある曇り)や傘マークがついており、仙台には雪ダルママークもついています。

さらに、25日(水)はお日さまマーク(晴れマーク)や白雲マーク(降水の可能性が少ない曇り)が増えています。

 降水の有無の信頼度が5段階で1番低いEや、2番目に低いDが多い予報ですが、クリスマスイブの前日は、クリスマス当日より雨や雪の可能性が高いといえそうです。

関東地方の雪の可能性

 再来週の北海道や東北は、気温から見ても雨ではなく雪が降ります。

 東海から西日本・沖縄は、気温から見ても雨が降ります。

 問題は、関東や北陸です。

 最低気温が3度ですが、この3度という温度は、雨の可能性が高い温度ですが、湿度が低くなれば雪として降る可能性がある温度です。

 東京では、クリスマスの日に雪が降るホワイトクリスマスになる可能性が少しあります。

図1、図3の出典:気象庁ホームページ。

図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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