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早くも台風21号発生 盛夏に多いと9月も多い

饒村曜気象予報士
マリアナ諸島の東海上の台風21号(図の右下、平成30年8月28日15時)

台風21号の発生

 台風21号が8月28日9時にマリアナ諸島の東海上で発生しました。8月に入って9個目の発生です。

 台風資料が整備されている昭和26年(1951年)以降で、8月の最多発生は、昭和41年(1966年)と昭和35年(1960年)の10個ですので、3位タイの多さということになります。

 また、盛夏期(7月と8月)の発生は14個となり、これも3位タイの多さとなりました(表)。

表 盛夏期(7月と8月)に台風発生数が多い年
表 盛夏期(7月と8月)に台風発生数が多い年

 ちなみに、台風が一番早く21個発生したのは、昭和46年(1971年)の8月10日で、平成30年(2018年)の8月28日は2位ということになります。

盛夏期に台風は多い年の9月

 昭和26年以降で、9月の最多台風の発生数は、昭和42年(1967年)と昭和41年(1966年)の10個です。ついで、平成6年(1994年)、平成10年(1998年)、昭和63年(1988年)、昭和40年(1965年)の8個です。

 つまり、盛夏期に台風発生が多いと、9月も台風発生が多いと言えます。

 そして、盛夏期に台風発生が多いと、台風の年間発生数も多いということができます。

 ちなみに、盛夏期に台風が一番多く発生した昭和42年は、台風の年間発生数が39個と、最多の年でもあります。

 平成30年(2018年)は、これからも台風に注意が必要です。

台風21号の進路

 台風21号は、海面水温が27度以上という暖かい海上を西へ進むことから次第に発達し、強い台風になる見込みです(図1)。

図1 台風21号の進路予報と海面水温27度以上の海域
図1 台風21号の進路予報と海面水温27度以上の海域

 台風の進路予報は、最新のものをお使いください

 そして、来週には進路を次第に北に替え、日本に接近する可能性もあります。日本を覆って猛暑をもたらしていた太平洋高気圧が後退し、日本に向かって台風が北上する可能性があるからです(図2)。

図2 太平洋高気圧の後退(9月2日朝)
図2 太平洋高気圧の後退(9月2日朝)

 来週は、台風21号の動向に目が離せない一週間になりそうです。 

タイトル画像、図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。

表の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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