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冬の気配 猛烈残暑も明日まで

饒村曜気象予報士
View through window pane with raindrops(写真:アフロ)

今年の最後の暑さか?

 移動性高気圧に覆われ、晴れて日射がでたために気温が上昇し、沖縄県下地で33.6度を観測するなど、沖縄県と東海から九州南部を中心に78地点で真夏日(最高気温が30度以上)を観測しました。アメダスには気温の観測地点が929地点ありますので、全体の8%が真夏日ということになります。

 暦の上では、立秋(8月8日)過ぎの暑さを「残暑」といいますが、1年間を通しての平均気温は、立秋の前後が一番高く、最高気温が30度以上という真夏日の約半分は立秋後です(表)。残暑の方が暑くなるということは、珍しいことではありません。

表 平年の真夏日
表 平年の真夏日

 今年は、夏(8月)の残暑が厳しくなく、秋の残暑(9月、10月)が厳しいという印象があります。

 しかし、9月に入ってからの全国の真夏日の累計では、昨年の半分位しかありません(図1)。

図1 全国の真夏日日数(2016年と2017年9月1日からの累計)
図1 全国の真夏日日数(2016年と2017年9月1日からの累計)

 今年は夏に涼しかった分だけ、9月から猛烈残暑になったというイメージがあるのではないかと思います。

移動性高気圧の後は低気圧

 移動性高気圧が通過したあとは、低気圧が発達しながらやってきます。その後、再び高気圧が移動してくるのですが、高気圧は北に偏って移動してくるため、本州の南岸に前線が停滞する見込みです(図2)。

図2 予想天気図(平成29年10月12日9時の予想)
図2 予想天気図(平成29年10月12日9時の予想)

 このため、関東から西の太平洋側では、曇や雨の天気が続き、気温が平年より低い状態が続きます。

 東京の週間天気予報は、信頼度がB、あるいはCという予報です。信頼度が低い予報ですが、10月13日(金)以降は、連日、雨の日が続きます(図3)。

図3 東京地方の週間天気予報(10月10日17時発表)
図3 東京地方の週間天気予報(10月10日17時発表)

 夏の暑さは終わるのですが、雨に注意の一週間です。

図1の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

図2、図3の出典:気象庁ホームページ

表の出典:饒村曜(2014)、天気と気象100、オーム社。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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