アントニオ猪木に喝を入れる

2014/09/26日付、アントニオ猪木議員が行ったツイート。

「アントニオ猪木議員がスリランカをバカにしている」との噂が流れており、どうやらツイッターでの発言が原因のようである。ことの真相を探るべく本人のツイッターを覗き見ることに。

今回、話題になっているスリランカだが、この国は、最近国内外から一気に注目を浴びている。国家首脳として24年ぶりとなる日本の安倍首相のスリランカ訪問。その10日後というわずかな間隔で同じく国家首脳として28年ぶりとなる習近平国家主席の同国訪問。世界から最も注目されているのは、他ならぬスリランカを舞台に繰ひろげられている日中の陣取り合戦についてである。

この国に何故か姿を現したのは、国会議員のアントニオ猪木である。余談ながら猪木議員は16日スリランカに向かっており、習近平の同国滞在と重なっている。猪木議員といえば、8月30と31日に北朝鮮の平壌市内でプロレス大会を開催させるなどしてメディアを賑わせたことが記憶に新しい。ツイッターを見る範囲では、スリランカは彼にとって北朝鮮の次の海外訪問先となる。ここで、スリランカに関する猪木議員のツイッターいくつかをピックアップしたい。

16日に、飛行機に乗っている写真とともに次のような2つの呟きがみられた。

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(1)元気ですかー!今日からスリランカを訪問します。近年、日本人にとってあまり交流が活発な国ではありませんでしたが、実は日本の大変な恩人なんです。第二次大戦後、1951年のサンフランシスコ講和会議において、後のスリランカの初代大統領のジャヤワルダナ氏のスピーチが感動を呼びました。

(2)それは「憎しみは憎しみによっては止まず、ただ愛によってのみ止む」という仏教の教えに基づいたもので、各国政府団に深い感動を与えました。結果、主権の問題、戦後賠償を含めて、日本に対して寛大な対応が実現した

出典:2014/09/16午前1:44(アントニオ猪木のツイートより)

上記は、1951年サンフランシコ講和会議において日本を許し、独立を助ける内容の演説をした、ジャヤワルダナ、スリランカ初代大統領についての呟きである。(ちなみに9月7日にスリランカで演説した安倍首相はサンフランシコ講和会議については触れなかったものの、ジャヤワルダナ蔵相の名前を口にした。)上記と同じ時間に投稿された猪木議員のその次のツイートもスリランカと日本のつながりについてである。

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「今年は、そのスリランカの仏教復興、建国の父と言われるアナガーリカ ダルマパーラ師の生誕150周年ということもあり、ご招待されました。ダルマパーラ師は、日本を度々訪れるなど、大変に縁の深い方だったそうです。では行ってきます!

出典:2014/09/16午前1:44(アントニオ猪木のツイートより)

ツイートに書かれている通り、猪木議員のスリランカ訪問は、アナガーリカ ダルマパーラの誕生150周年記念式典に参加するためであった。習近平のスリランカ滞在の時期と重なっているためか、例えば、猪木議員はスリランカの大統領に会った、またはスリランカで他の活動を行ったなどの情報は見当たらない。そして最後に紹介したいのは、今回、問題視されている帰国後の猪木議員のツイートである。

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元気ですかー?

スリランカから帰国したら、現地のテレビ放送が送られてきました。カジノに行かなくてよかった。お金はスリランカ。

出典:2014/09/26午前2:48(アントニオ猪木のツイートより)

スリランカに向かう前と帰国後のツイートの内容の質の落差があまりにも大きい。つまり日本の国会議員が仮に悪意がないにしても結果として、彼が直前に訪問した国家の名を使って遊んだ内容の公言を行った。当然ながら「アントニオ猪木議員はスリランカをバカにしている」と捉える人が出てきてもおかしくはない。

2013年の参議院選挙に日本維新の会から比例代表で立候補し356,605の得票数で(党内でトップ)当選を果たし、現在、次世代の党に所属のアントニオ猪木参議院議員が招待を受けてスリランカを訪問した報告として「カジノに行かなくてよかった。お金はスリランカ」と公式アカウントでツイートするとはどういう意味なのか。国会議員として他に呟く内容はなかったのか?国会議員である以上、彼の言動には本人はもちろん、日本の国会議員全体、公認政党、所属政党、そして有権者の質と品格までも映し出しているということにはならないか。

アントニオ猪木は、議員と失職を繰り返してきている背景を踏まえて考えると、アイデンティティーの在りかについて本人の中で区別がついていない可能性は考えられる。しかし、現時点で猪木議員は一般国民ではなく、国内外において責任ある立場の代議士であり、日本を代表する国会議員であることを忘れてはならない。

言葉の壁もあり、このダジャレを読み、理解できるスリランカ人は限られている。幸いにもこのダジャレが解るスリランカ人は猪木議員のキャラクターも知っており寛容であると考えられる。その点、スリランカ側で今回のことは大きな問題になる可能性は低い。

しかし猪木議員の言動は、スリランカ以上に「日本をバカにしている」という解釈がより正しいのではないか。そうなると今回のことについて「日本人はどう思うか?」ということが自ずと大事になってくる。

アントニオ猪木と言えば、人をビンタし喝を入れることで有名。最後に伝えたい。国会議員アントニオ猪木自身も、たまには喝を入れてもらったらどうか?