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板倉滉、2節連続ベストイレブン選出。「チームのおかげ。勝ったから僕は選ばれる」

中田徹サッカーライター
堅守のフローニンゲンの要・板倉滉 【中田徹】

■2節続けてベストイレブンの板倉 

 フローニンゲンは12月12日、RKCを2対0で下した。CBを務める板倉滉は「今日はいい試合ができました」と嬉しそうだった。

相手にイニシアチブを握られた前半だったが、0対0のまま耐えてハーフタイムを待った。ロッカールームでバイス監督がシステムの変更、選手の交代、戦い方の指示などチームに修正を施したことが功を奏し、後半はフローニンゲンがペースを握って2点を奪った。

 

「前半はハマらず厳しい内容のまま終わってしまったけれど、その時間帯を失点ゼロで終わらせたことが良かった。後半、自分たちのペースが来たときに得点し、そのまま失点ゼロで終わることができたのは大きかったです。ハーフタイムに監督がちゃんと修正をいれてくれたのが、後半に生きました」(板倉)

 12節を終え、フローニンゲンは5位に付けている。好調フローニンゲンを支えるのが、今季5回も相手を完封しているという固い守備。その中心にいる板倉は前節のAZ戦では全国紙『デ・テレフラーフ』の、今節は専門誌『フットボール・インターナショナル』のベストイレブンに選出された。

『フットボール・インターナショナル』誌選出オランダリーグ第12節ベストイレブン

 週間ベストイレブンに選ばれることについて、板倉はこのような感想を述べている。

「そうやって評価してもらえるのは嬉しいですね。評価するのは周りの人たちですから、そういう意味でも嬉しいです。ただ、自分はやるべきことをやるだけ。僕はフローニンゲンのために戦っている。そして、勝ったからこういう結果(ベストイレブン)を得られているわけです。特にディフェンダーは、負けたらベストイレブンに選ばれない。だから、やっぱりチームのおかげですよね」

■「『点を取るディフェンダー』のイメージはある」(板倉)

 一対一のデュエル、味方のカバーリング、危機を察知する能力、ビルドアップといった点で高いレベルにある板倉だが、そろそろ攻撃面でも結果が欲しいところ。セットプレーのチャンスには、バイス監督が吠えるように「コー、上がれ!!」とゴールの期待を込めて板倉に指示を出すが、オランダに来てからまだノーゴールだ。

「セットプレーで自分が点を取れるようになったら、それがフローニンゲンの強みになってくると思うので、そこは狙っていきたいですね。自分では『点を取るディフェンダー』だと思ってるんです。日本にいた時は結構、点を取っていたんですよ。だから、『点を取るディフェンダー』のイメージはあるんだけど、フローニンゲンに来てから1点も取れてないから『あれえ、おかしいなあ!?』って思ってるんです(苦笑)。ゴールでチームを助けることができたら最高ですよね。狙っていきますよ」

 フローニンゲンの年内の日程は以下のように続く。

 12月15日 KNVBカップ 対エメン(アウェー)

 12月19日 オランダリーグ 対スパルタ(アウェー)

 12月23日 オランダリーグ 対ヘラクレス(ホーム)

 上位チームとの対戦はないため、カップ戦を勝ち上がり、リーグ戦では勝ち点を積み重ねておきたいところ。しかし、いずれもラクな相手でないことも確かだ。この3連戦に向けて、板倉は「ここで勝ち点をどれだけ積み上げられるか。それが今後のフローニンゲンの順位に大きく影響してくると思うから、全試合、勝利を狙ってやっていきますよ」と力を込めた。

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

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