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赤ちゃん連れOKの映画館・暑い日や梅雨時の気分転換にも

なかのかおりジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員
乳幼児連れで気兼ねなく楽しめる映画館もある(イメージ)(写真:アフロ)

乳幼児のいる家庭は、梅雨時や、熱中症が心配な暑い日は外で遊べず、持て余してしまいますね。移動の心配が少なければ、映画館という選択肢も。「泣いて、周りに迷惑がかかる」「音響や照明の刺激が、乳幼児にはどうなの?」といった不安を解消してくれる上映会が広がっています。最近も、実写版「アラジン」や夏休みに向けてのアニメなど、気になる作品が。娘が2歳のころに行ってみた、ママシアターについて紹介します。

ママシアターで「アナと雪の女王」(子育て支援NPOのサイトに連載した「アラフォー初めてママのときどきドキドキジャーナル」より)

●産後は遠ざかった映画館

発売されたDVDも大人気ですよね…映画「アナと雪の女王」。街角で歌い出す子どもたちがまた増えそう。うちも、2歳の娘が初めて映画館で見た作品なのです。

春ごろ、娘が「ままのー、ありのー、ままのー」と歌い出してなんだろうと思ったら、ラジオで聞いた主題歌を覚えていたみたい。娘と見たいけど…アニメでも2歳児を連れて普通の映画館は、まずいかしら? ネットニュースを見たら、「アナ雪を見に行ったら、よその子連れに騒がれて…」というような記事があり、おじけづきました。

私も以前は、映画をよく見ていました。新作を見るため映画館にも行ったし、試写会に足を運び、俳優さんや監督さんに取材する機会もありました。ところが産後すぐは、映画を見る余裕がなかったんです。アラフォー初めてママは、とにかく疲れていて目からの刺激がきついし、授乳で寝不足だし。元気なママなら、DVDやテレビでおうちシアターを楽しんでいるかもしれませんね。

●音は小さめ、照明も明るめ

そしてアナ雪。ネットで調べると、「ママズクラブシアター」という上映会がありました。通常の映画館で、決まった日時の上映のみ、赤ちゃん連れOK。抱っこで見るので料金はママの分だけ。泣いてもお互い様。音は小さめ、照明は明るめにしてあるということでした。自宅近くの映画館でもあったのですが、休日の設定はお台場しかなくて、5月の土曜日に娘とふたりで行ってきました。

入り口近くにはバギー置き場があり、たたまなくてよかったので助かりました。小さな会場でしたが、満員です。映画って予告編が長いんですよね。大人だけなら、いろいろな映画の情報が入って楽しいものですが、娘が飽きてしまうと思い、前もって時間を聞き、予告編が終わるころに席へ。

●あの歌に親子で聴き入る

出入りできるように、通路側をとりました。予告編のあとにミッキーのアニメが入り、本編がなかなか始まりません。娘は喜んでミッキーを見ていましたが、私は娘の集中力が続くかドキドキです。おやつを食べながら、ママのおひざの上に座ってスクリーンをじいっと見ています。本編が始まってしばらくしてママがお手洗いに行きたくなり、娘もちょっと飽きたのでふたりで退席。

席に戻ったら「ありのままで」のシーンが始まりました。これを見なきゃ、来た意味がない! 松たか子さんの日本語の歌に親子で聴き入りました。それから2歳児にストーリーはわかるのかな?と思ったのですが、娘なりに理解して楽しんでいたみたいです。「おねえちゃん、行っちゃった」(姉妹の物語なので)、「ゆきだるまー」「トナカイさん」などとしゃべっていました。

●泣き声・脱走はお互い様

周囲は小さい赤ちゃんが多くて、かわいらしい泣き声が続いています。通路を挟んだお隣は、娘と同じぐらいの女の子とママとおばあちゃん?の3人組。時おり娘ちゃんが泣いたり、走って行ってしまったりするとおばあちゃんが一緒に席を離れていました。ママは映画を見られたかな?

ミッキーも含めて2時間ぐらいあったわけですが、親子で物語を見届けることができました。最後の最後に娘が脱走し、暗い映画館の通路を一周。走って追いかけ、捕獲しました。そしてエンドソングが流れると、娘が「ありの-、ままのー」「よー!」と勝手にシングアロング。前の席に座っていた、赤ちゃん連れのママが笑っていました。

0歳なら、おっぱいを飲んで寝ている間に見られるかも。おむつをかえるときや泣いてあやすときは、パパやおばあちゃんにも頼めたら心強そう。1歳ぐらいだと寝ちゃったらいいけど、2時間ずっと座っているのは厳しいかな。

●親向けのラインナップも

2歳の娘は、お歌やきれいな映像が楽しめる年齢になったものの、全く迷惑をかけずに座っていられるまでは成長していないので、こういう上映会があってラッキーでした。当時、ママシアターの他のラインナップは、「テルマエ・ロマエ」や「相棒」のシリーズ。こちらは、親子で見るというよりも親向けでしょうか。

後日、娘が「ママと、えいがかんいったね」「ミッキーと、ありのままみたね」と言い出したので、記憶に残ったみたい。保育園で先生から「アナ、見たんですか? 上手に歌っていましたよ」と言われてちょっと恥ずかしかった。延長保育で一緒のお姉ちゃんたちが、「ありのままで」以外の歌も教えてくれるんですよ。娘に「ゆきだるまつくろうー、がいい!」と言われても、ママはそちらまで暗譜していません…。

飛行機で移動中にアナ雪を見たという社長さん(女の子パパ)に、ママシアターの話をしたら、「そんな上映会があるの?」と知らなかったみたいです。最近も、「映画館でアナ雪を見たら、子どもがうるさかった」「子どもが楽しめる内容だし、いいじゃないの」といった論争が起きていました。ママシアターのような上映会は各地で始まっていますが、まだ会場が限られているので、楽しめる場が広がるといいですね。

ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

早大参加のデザイン研究所招聘研究員/新聞社に20年余り勤め、主に生活・医療・労働の取材を担当/ノンフィクション「ダンスだいすき!から生まれた奇跡 アンナ先生とラブジャンクスの挑戦」ラグーナ出版/新刊「ルポ 子どもの居場所と学びの変化『コロナ休校ショック2020』で見えた私たちに必要なこと」/報告書「3.11から10年の福島に学ぶレジリエンス」「社会貢献活動における新しいメディアの役割」/家庭訪問子育て支援・ホームスタートの10年『いっしょにいるよ』/論文「障害者の持続可能な就労に関する研究 ドイツ・日本の現場から」早大社会科学研究科/講談社現代ビジネス・ハフポスト等寄稿

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