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もうすぐ連休 赤ちゃんと乗り物デビューの心構え

なかのかおりジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員
連休に乗り物デビューする赤ちゃんも多い(写真:アフロ)

もうすぐ大型連休。赤ちゃんを連れての新幹線や特急デビューをする人も多い。初めての乗り物は緊張する。泣いたらどうする? おむつ替えや授乳は? 事前にある程度の情報があれば助かるもの。経験を紹介する。

「抱っこでバギーで電車デビュー」(子育て支援NPOサイトに連載した「アラフォー初めてママのときどきドキドキジャーナル」より)

この前、駅でぎこちない手つきでベビーバギーをおすママがいました。聞くと、ベビーは7週。1カ月検診が終わって、外出するようになって、電車に乗り始めて…という段階でしょうか。

数駅でもドキドキだった電車

娘は、生まれたとき助産師さんに「こつぶちゃん」と言われたスリムベビー。抱っこひもにすっぽり入っているのが好きでした。出産した病院から帰るときは抱っこ。その後すぐに自宅から病院の母乳外来に行ったときは、おくるみでくるみ、わっかになった布(スリング)に入れて。3キロを超えたら「マンジュカ」という腰と肩にベルトがあるしっかりタイプの抱っこひもを使い始めました。

生後1カ月とちょっとのとき、お出かけの練習もかねて抱っこで産後ヨガのクラスへ。ほんの数駅なのに、ドキドキしながら電車に乗りました。のちに「アップリカ」の抱っこひもを追加、いまもおんぶや抱っこに使っています。

お出かけ初心者のときは階段や段差、電車の乗り換えに自信がなく、抱っこがほとんどでした。いまは体重も増え、お昼寝するのでエレベーターがある路線ならバギーです。

駅のエレベーターは事前に確認

バギーでお出かけするときは、ネットで駅のエレベーターの位置を調べてからというママもいました。私も初めて表参道に行くとき、同じマンションの先輩ママに聞きました。○○駅の乗り換えはエレベーターがない、エレベーターのある出口が遠い…などなど。

バギーのマナーについてもいろいろ言われますが、すいている地下鉄なら、たたまなくても車両の端っこに乗れば迷惑そうにされることもありませんでした。山手線などこんでいる電車の場合は、ちゅうちょしますが…。たためないときってあるんですよね。ぐっすり寝ちゃったときとか、荷物が多くて大人が自分だけのときとか。

片手でたためるバギーも重い

我が家は車がないですし、娘とタクシーやバスに乗るときに備え、片手でたためるバギーを選びました。それでもバギーは約7キロ、ベビーを乗せていたら10キロを超えてしまいます。

バスや階段で、ひとりで持ち上げるのはやっぱり重い! 可能なら、私が娘を抱っこして、バギーは駅員さんや周りの人に声をかけてお願いするようにしています。

抱っこひもは身軽に動けますが、大きなバッグにおむつ、着替え、授乳ケープ、おもちゃなどを詰め込み、肩にかけて出かけるので肩こりや腰痛がひどくなりました。いまよりうんと軽かったのに、初めてなのでつらく感じました。

授乳も慣れないし、腱鞘炎(けんしょうえん)になります。それを、もう息子くんが中学生になった幼なじみにこぼすと、「大きくなったら、抱っこしたくても抱っこできない。小さいときに、いっぱい抱っこしておいてよかった」と言われました。この言葉で気持ちは楽になりました。そうだよね、いっぱい抱っこしよう、って。

生後3か月で新幹線デビュー

初めての遠出は、娘が3カ月のとき。抱っこひもで新幹線「のぞみ」に乗って京都へ行きました。海外に単身赴任中だった夫が、急に京都に出張になったためです。2時間以上、娘は泣かないかしら?おっぱいやおむつは?と心配になったのですが、新幹線には「多目的室」があるとの話を聞きました。

多目的室に近い席を指定しにJRの駅まで行くと、若い駅員さんに「授乳室はありません」と言われ、驚きでした。聞くと、体の不自由なかたや具合が悪くなったかたのために設けられているので、乗務員に声をかけてあいていれば鍵をあけ、使わせてもらえるとのことでした。授乳が目的の部屋ではないといっても、ベビーづれにとっては重要なことですよね。

多目的室が空いていたら避難できる

私も、以前は出張でのぞみによく乗りました。ビジネス人でいっぱいの車両で娘が泣いたらと思うと恐怖。仕事を控えていると、寝たり資料を読んだり、静かな空間がほしいと経験からわかります。ベビーと避難できるお部屋があって助かりました。必要なかたがいるので、長居はできませんが。おむつが替えられるシート付きのトイレもあったと思います。

伊豆に行くときにおすすめなのが「スーパービュー踊り子」。子どもが遊べる車両がついているのです! 娘が0歳で温泉と海デビューしたときは知らなかったのですが、近所のママから聞きました。普通の「踊り子」ではなく「スーパービュー」です。

キッズスペース付きの特急も

スーパービュー踊り子の子ども向け車両 なかのかおり撮影
スーパービュー踊り子の子ども向け車両 なかのかおり撮影

本数は限られますが、2階建て車両の1階部分がキッズスペースでクッションがしいてあり、景色を見ながら遊べます。授乳やおむつ替えのための小部屋もあります。近い車両の座席は人気なので、前もって指定しておくと安心です。

娘が1歳になる直前、つるしびなを見に伊豆稲取に行くときに乗ってみました。座席で持参したごはんを食べさせたあと、キッズスペースへ。同じぐらいのベビーを連れたママさんグループも来て、「みんなでお座敷のある宿に泊まる」と言っていました。そういう旅も楽しそうですね。娘はしばらく遊んだら眠くなって、座席に戻って抱っこでぐっすり。日帰りの母娘ふたり旅でしたが、いい思い出になりました。

こういう情報があるだけで、違いますよね。娘が生後7カ月のとき飛行機で夫に会いに行きましたから、新幹線はウォーミングアップでした。娘の初フライトは7時間ぐらい。電車は泣いたらデッキに出られるし、具合が悪くなったら途中で降りられます。そう思えば心配いりませんよ。

ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

早大参加のデザイン研究所招聘研究員/新聞社に20年余り勤め、主に生活・医療・労働の取材を担当/ノンフィクション「ダンスだいすき!から生まれた奇跡 アンナ先生とラブジャンクスの挑戦」ラグーナ出版/新刊「ルポ 子どもの居場所と学びの変化『コロナ休校ショック2020』で見えた私たちに必要なこと」/報告書「3.11から10年の福島に学ぶレジリエンス」「社会貢献活動における新しいメディアの役割」/家庭訪問子育て支援・ホームスタートの10年『いっしょにいるよ』/論文「障害者の持続可能な就労に関する研究 ドイツ・日本の現場から」早大社会科学研究科/講談社現代ビジネス・ハフポスト等寄稿

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