選抜優勝校、神戸弘陵が登場、三冠向け好発進

第27回 全国高等学校女子硬式野球選手権大会 2日目

第27回 全国高等学校女子硬式野球選手権大会2日目は、3会場で11試合が行われ、日本ウエルネス高校が2019年優勝校、作新学院に対し、最終回2死からサヨナラ勝ちを収めるなど熱戦が繰り広げられた。つかさグループいちじま球場(兵庫県丹波市)では、第4試合に神戸弘陵高校が日本ウエルネス宮城高校と対戦し、11-1と快勝、ユース大会、選抜大会との三冠へ向け好スタートを切った。

日本ウエルネス宮城　000 01 1

神戸弘陵 142 4x 11　（５回コールド）

【バッテリー】

日本ウエルネス宮城　千葉、佐藤－大槻

神戸弘陵　樫谷、岡田、阿部－田垣

　神戸弘陵は初回、1番・田垣朔來羽(そらは2年)さんが安打で出塁すると、3番・三村歩生さん(3年)が左中間を破る適時打で1点を先制。2回には、無死一三塁から9番・西田真梨さん(3年)のスクイズで2点目をあげるなどして4点を追加、4回で11点得点と貫禄を見せた。

投げては、選抜大会で好投した先発・樫谷そらさん(3年)、2番手・岡田未来(2年)さんが今試合も好投。3番手には1年生の阿部さくらさんが登板させ、春よりもさらに投手陣が厚くなったことを感じさせた。

スクイズが大量得点のカギ

大量得点した打線について神戸弘陵・石原康司監督は試合後、2回にスクイズで2点目を取った場面をあげ、「あそこで攻撃に勢いが出た」と話した。三村さんの適時打で先制、一死三塁の場面でスクイズをさせなかったが後続が続かず初回は1点止まり。「嫌だな」と感じた2回表、相手打線に三塁線を破られ一死三塁のピンチを招き、逆にスクイズを警戒することに。「結局はスクイズをしなったが、いつ(相手打者に)合わられるかもわからなかったので、早く2点目をとりたかった」。スクイズ成功と手堅く得点できたことで余裕ができたと語った。

投手陣については、リードが広がったことで継投にも余裕ができたとしながらも、「全選手、大事な戦力。1回でも投げて経験を積ませ、次戦」　今回、唯一1年生でベンチ入りしている阿部さんについて「非常に力のあるピッチャー。1失点したことは本人も悔しいだろうが、次に生かして欲しい」と力投を労った。

今大会も好守に大活躍、2年生捕手、田垣朔來羽さん

　攻守ともに存在感を放っているのが1番で捕手の田垣さん。特に打撃は好調、適時打を含む2安打と活躍した。「どの大会も初戦は大事なので、自分が打つことでチームに勢いを付けたい」という思いで打席に立ち、初打席で右前安打で出塁、先制ホームを踏んだ。大会前は調子を落としていたというが、「メンバーにサポートしてもらいながら好きなだけ打撃練習させてもらった」という。それだけに、「緊張は全せず、楽しむ気持ちで試合に臨めました」と笑顔で話した。

守っては3投手を好リード。下級生の阿部さんの登板時には、何度もマウンドに足を運び、声をかけた。「何とか緊張をほぐしてあげたかったけれど、失点させてしまったことが反省点」と話し、「もっとコミュニケーションを密にして彼女が投げやすいようにリードしたい」と次戦へ向けて抱負を語った。

先輩の分まで頑張る

　先制適時打を放った、3番・三村さん。「頼れる4番がいるので、気持ちを楽にして打席に立てた」と振り返った。主将でもあり、三冠へ向けてチームを引っ張るが、「自分たちの野球は守り勝つ野球。そこを忘れず、一戦一戦勝ち上がるだけ」と気を引き締めていた。昨夏は、初戦突破後、新型コロナのため、チームが次戦を辞退するという悔しい思いを経験した。「試合ができなかった先輩方がいる中で、自分たちはこうして戦わせてもらっています。今日も応援に来て下さった方もいて嬉しかったです。先輩方の分まで一つでも多く勝ちたい」と無念を晴らす決意を新たにしていた。

その他の試合結果

作新学院 2-3 日本ウエルネス、啓明学館 6-1 丹波連合、叡明 5-16 日南学園、佐久長聖 0-5 開志学園、埼玉県立大宮商業 4-7 蒼開、高知県立室戸 3-7 旭川明成、高知中央 1-2 神村学園、惺山 0-7 福井工大福井、神戸国際大付属 2-10 島根県立島根中央、至學館 12-9 岩瀬日大