百田尚樹氏が朝日新聞社主催囲碁名人戦前夜祭に参加

宝塚ホテルの名人戦前夜祭に訪れた百田尚樹氏=2019年9月24日、筆者撮影

囲碁を愛する文化人は多い。宝塚ホテルで行われた第44期囲碁名人戦第3局の前夜祭に、放送作家・小説家の百田尚樹氏がやってきた。主催の朝日新聞社の招待に応じたのだ。百田氏は囲碁愛好家でアマ高段者としても知られる。

愛棋家の百田尚樹氏

「19歳の名人が誕生するか」と注目されている第44期囲碁名人戦七番勝負。第3局が兵庫県宝塚市「宝塚ホテル」にて9月25、26日に打たれた。

それに先だって24日に行われた前夜祭に、百田尚樹氏は主催の朝日新聞社に招待されて参加された。百田氏は大の囲碁ファンで、アマ六段の実力者だ。

以前にも朝日新聞社主催の囲碁名人就位式で、名人となった井山裕太四冠に百田氏は祝辞を述べている。

井山裕太四冠の名人就位式で祝辞を述べる百田氏=2013年12月6日、筆者撮影
井山裕太四冠の名人就位式で祝辞を述べる百田氏=2013年12月6日、筆者撮影

井山四冠が最初の七冠を達成するシリーズでは、産経新聞紙上に観戦記も載せるなど、囲碁界とも深いつながりがあるのだ。

江戸時代の囲碁棋士を描いた作品、「幻庵」(文藝春秋、2016年)もあり、読んだかたも多いと思う。

作家と囲碁

文筆家の囲碁ファンは多く、作品も多い。

川端康成は囲碁棋士との交流も多く、世襲制の最後の本因坊の引退試合の観戦記を小説にした「名人」を残している。

遠藤周作、夏樹静子や江崎誠致の囲碁好きも有名だ。

囲碁を扱った作品として、内田康夫の「本因坊殺人事件」、最近では水原秀策の「黒と白の殺意」、竹本健治の「囲碁殺人事件」などがある。新井素子は囲碁エッセイ「素子の碁-サルスベリがとまらない」で囲碁の魅力を語っている。

こうしてみると、推理作家、ミステリー作家の多いことに気づく。

将棋と違い、囲碁は何もない盤面に石を打って、自分を表現していく。自由に創造してくところに、芸術家との共通項があるのかもしれない。

「囲碁を愛するものどうし……」

百田氏の愛棋家ぶりは筋金入りだ。息子さんに、江戸から明治期に活躍した囲碁名人の名前をつけるほど。ちなみに、その息子さんはプロを目指して修業した経験もあり、前夜祭では修業時代の仲間との旧交を温めていた。

囲碁関係のパーティで百田氏が顔を見せることは珍しくなく、参加していた囲碁ファンもとくに騒ぐことも注目することもなかった。

囲碁担当記者が百田氏に声をかけて立ち話が始まった。

「朝日はけしからん」と百田氏が持論を展開する場面もあったが、記者の「囲碁を愛するものどうし、囲碁を盛り上げていきましょう」という記者の言葉で和やかに終えた。

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「NHK囲碁講座」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等に出演。棋士の世界や囲碁の魅力を発信し続けている。著書に「井山裕太の碁 強くなる考え方」(池田書店)、「それも一局 弟子たちが語る『木谷道場』のおしえ」(水曜社)、「囲碁の人ってどんなヒト?」(マイナビ出版)。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

有料ニュースの定期購読

内藤由起子の「花見コウ」〜囲碁観戦記者 ここだけの話〜サンプル記事
月額330円(初月無料)
月4回程度
囲碁界取材歴20年を超える囲碁観戦記者・囲碁ライターが、囲碁界のオモテウラをお話しします。小耳にはさんだ最近の話から今だから話せる昔あったあの事件の裏側、記事にできなかった取材こぼれ話など、現場で見聞きしたここだけのとっておきの話をランダムに発信します。

あわせて読みたい

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

Yahoo! JAPAN 特設ページ

  1. 1
    「どうぶつの森」の驚異的人気 20年前から時代先読みの“怪物”ゲーム 河村鳴紘3/28(土) 10:30
  2. 2
    「トップにはなれない」遠藤章造が見すえる50代のカタチ 中西正男3/29(日) 11:32
  3. 3
    「麒麟がくる」の明智光秀ってどんな人物? 「信長の野望」ではスーパー武将の側面も 河村鳴紘3/29(日) 10:00
  4. 4
    西山朋佳女流三冠(24)日曜午前のひととき、テレビで豪腕を披露して逆転勝利 NHK杯本戦出場決定 松本博文3/29(日) 13:15
  5. 5
    女流三冠・奨励会三段の西山朋佳さん(24)は竜王戦6組で女性初の昇級者、優勝者となれるか? 松本博文3/28(土) 15:14
  6. 6
    ウイルスへの危機感が薄いのは若者よりメディアの方だ 境治3/28(土) 7:00
  7. 7
    アメリカはミュージシャンにも現金給付だ! フリーも自営も見捨てず「文化と人」を守る姿勢に日本も学べ 川崎大助3/29(日) 12:00
  8. 8
    ドラマ『テセウスの船』 隠されていた真のテーマ 堀井憲一郎3/25(水) 7:31
  9. 9
    「令和の覇者」争いが激化した一年 ~将棋界2019年度振り返り~ 遠山雄亮3/28(土) 11:05
  10. 10
    新型コロナウイルス対策に 長い春休みを乗り切る無料のエンタメコンテンツまとめ【随時更新】 河村鳴紘3/18(水) 10:02