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台湾の名品が勢ぞろいした「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」がVRメタバースで公開

武者良太ガジェットライター
台湾エクセレンス公式キャラ・福熊(ふくくま)の像が飾られたパビリオン(筆者撮影)

9月23日、VRメタバースであるVRChatに優れた台湾ブランド製品が展示されるバーチャルテーマパーク「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」が公開されました。

このワールドは台湾の九份(ジゥフェン)を模したエントランス部、製品展示ブースを兼ねたパビリオン、バーチャルなバッティングセンター/ボルダリング体験ゲームコーナー、台湾スイーツや料理が並ぶ屋台街に、全域を見下ろすことができる観覧車で構成されており、自宅にいながら台湾観光気分で各エリアを巡ることができます。

生活環境の改善や健康に関連した13製品が展示

エントランス側からパビリオンに一歩足を踏み入れると、そこには超小型でテーブル上に置ける空気清浄機「LUFT Duo」や、旅行時の衣服圧縮に便利なポケットサイズの真空パック機「VAGO Z」、首と頭の高さを空気量で微調整できる枕「枕上人」など、2016~2023年の台湾エクセレンス賞を受賞した製品13品の展示ブースと、カンファレンスが行えるステージがありました。

台湾の一般家庭に広く普及してきた万能調理器、大同電鍋の最新モデル(筆者撮影)
台湾の一般家庭に広く普及してきた万能調理器、大同電鍋の最新モデル(筆者撮影)

一部製品は日本のECサイトでも販売されていますが、メーカー・ブランドを含め、日本での知名度は決して高いとはいえません。しかし性能も品質も台湾の経済部国際貿易局が認めたモノばかり。私達の生活改善に直結するイノベーティブな製品もあり、個性豊かな海外製品を集めたショールームにいる気持ちで見てまわることができます。

手のひらサイズながらホコリ、花粉、カビなどを分子レベルで除去する空気清浄機・LUFT Duo(筆者撮影)
手のひらサイズながらホコリ、花粉、カビなどを分子レベルで除去する空気清浄機・LUFT Duo(筆者撮影)

仮想空間内となるため展示物は現実の商品ではなく3D CGモデルとなりますが、アバターの手で持って製品を見ることが可能です。日本ではまだあまり見かけることができない製品ゆえ、バーチャルとはいえ細部まで見られるメリットがあります。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

同パビリオンでは、台湾の観光地、フード、文化を捉えたフォトアワード入選作品も展示。カラフルで艶やかなスポットから自然豊かなエリアまでバリエーションが豊かで、台湾の魅力を俯瞰して眺められます。

製品だけではない"台湾らしさ"も展示

名観光地である九份を思わせるエントランスエリア(筆者撮影)
名観光地である九份を思わせるエントランスエリア(筆者撮影)

パビリオンの外側には、新旧様々な台湾の姿を感じさせてくれる景観が広がります。

台湾グルメの屋台が並ぶ夜市フードコートエリア(筆者撮影)
台湾グルメの屋台が並ぶ夜市フードコートエリア(筆者撮影)

台湾といえば食文化を思いつく方も多いでしょう。古くから伝わる台湾料理のほか、色鮮やかなスイーツも台湾の大きな魅力となっています。そういった台湾グルメと、夜市・ナイトマーケットの雰囲気をもったエリアもあります。

タピオカミルクティは飲み進めるとカップの中にタピオカが残るギミックが使われている(筆者撮影)
タピオカミルクティは飲み進めるとカップの中にタピオカが残るギミックが使われている(筆者撮影)

仮想空間ゆえに食事を楽しむことはできません。しかし食べる・飲めるという雰囲気を体験してもらうべく、様々なギミックが使われています。マンゴーかき氷やタピオカミルクティの3Dモデルを持ったまま、ワールド内を探索することもできます。

屋台の中に入ることもできるため、店員のロールプレイをして遊ぶことも(筆者撮影)
屋台の中に入ることもできるため、店員のロールプレイをして遊ぶことも(筆者撮影)

台湾で人気のコンテンツもバーチャル体験できる

野球、ソフトボールの人気が高い台湾。都市部にはバッティングセンターも多いという(筆者撮影)
野球、ソフトボールの人気が高い台湾。都市部にはバッティングセンターも多いという(筆者撮影)

ストラックアウト方式。高得点を得ると、記念撮影ブースの色が変わる(筆者撮影)
ストラックアウト方式。高得点を得ると、記念撮影ブースの色が変わる(筆者撮影)

台湾といえば、バッティングセンター、ローラースケート、ボーリングなど、身体を動かすアトラクションが揃っている大規模なアミューズメント施設も目立つ存在です。そんな台湾のイメージもインストールしたのでしょうか。「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」にはストラックアウトが楽しめるバッティングゲームと、ボルダリングが楽しめるスポットが用意されていました。

難易度設定がされているのだろうか。各色のホールド(突起物)見ると、黄色が簡単で青のコースが難しそうだと感じる(筆者撮影)
難易度設定がされているのだろうか。各色のホールド(突起物)見ると、黄色が簡単で青のコースが難しそうだと感じる(筆者撮影)

バッティングゲームは得点で、ボルダリングはクリアするまでの時間で競えるため、VRChatの友人同士で何度も遊びに行きたくなる魅力があります。

1つのゴンドラに4人(4アバター)まで乗ることができる観覧車(筆者撮影)
1つのゴンドラに4人(4アバター)まで乗ることができる観覧車(筆者撮影)

高い位置からの景観は、台湾都市部のカラフルな夜景のイメージそのもの(筆者撮影)
高い位置からの景観は、台湾都市部のカラフルな夜景のイメージそのもの(筆者撮影)

台湾の文化と日本のアーリーアダプターをつなぐ架け橋となるか

(筆者撮影)
(筆者撮影)

オープニングセレモニーでは、日本の中華民国対外貿易発展協会 台湾貿易センターの王・サイモン氏が登壇。御本人のスーツ姿をもとに作られたと思われるアバター姿で登場し、「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」や、台湾エクセレンス賞の解説を行いました。

「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」内各地にある解説文は日本語・繁体中文・英語から選べるようになっていましたが、動画のテロップや画像内の注釈等は日本語で記されていたこと。展示製品の一部は日本のECサイトである楽天で購入できるとの案内があったこと。

これらの理由から「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」は、VRChatという先端を行くVRメタバースにログインしている、日本人のアーリーアダプター向けに台湾製品をはじめとした台湾の魅力を強くアピールするのが目的だとみました。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

VRChatにはWindows PCのみログインできるワールドと、Androidスマートフォン/Meta Questシリーズ/Windows PCでログインできるワールド、その2種類がありますが、「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」はPCユーザーのみ対象。そのため、アクセスするためのハードルは高めです。

しかしWEBページや写真、動画などでは伝わりきらない"台湾らしさ"が満ちている場でした。PC版VRChatを動かせる環境がある方は、ぜひ「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」に遊びに行ってみてください。

VRChat World: TAIWAN EXCELLENCE WORLD

Created by: TWEX_TBD

ガジェットライター

むしゃりょうた/Ryota Musha。1971年生まれ。埼玉県出身。1989年よりパソコン雑誌、ゲーム雑誌でライター活動を開始。現在はIT、AI、VR、デジタルガジェットの記事執筆が中心。元Kotaku Japan編集長。Facebook「WEBライター」グループ主宰。

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