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VRゲームの世界が進化しそうなヘッドセット「Meta Quest 3」は7万4800円で発売

武者良太ガジェットライター
(写真:Meta)

Metaから新型のVRヘッドセット「Meta Quest 3」が発表されました。価格は7万4800円。今年秋に発売予定です。現段階でわかっている機能・性能を見ていきましょう。

パワフルなSoCを搭載し高精細な仮想空間を描写可能に

(写真:Meta)
(写真:Meta)

Meta Quest 2に使われていたSoCはSnapdragon XR2。2019年に発表されたVR/AR/MR機器用チップセットです。Meta Quest 3で採用されるチップセットの名前は未公開ですが、MetaいわくMeta Quest 2の2倍のグラフィック性能を持つといいます。

ブルームバーグの記事によればSnapdragon XR2の第2世代のものが採用されるとのことですが、実はメーカーのQualcommからは未発表のものの様子。そのためMetaも、「Meta Quest 3のチップセットの詳細については今年後半に発表する予定」とMeta Questブログで記しています。

ディスプレイの解像度も向上します。従来よりも高精細な描写が可能となり、ディティールの描写も鮮明となります。没入感もさらに高まるでしょう。VRゲームはPS5のようなゲーム機ほどの解像感がないと言われてきましたが、ハードウェアが進化することで目を見張るような素晴らしいCG空間のなかにダイブできると予想できます。

新しい光学系を採用。40パーセント薄型化

(写真:Meta)
(写真:Meta)

レンズはパンケーキレンズを採用しました。そのおかげで、Meta Quest 2よりも40パーセントもスリムになりました。重量は未公開ですが、軽くなっていることでしょう。

コントローラも小型化、ハプティクスも内蔵

(写真:Meta)
(写真:Meta)

両手に持つコントローラは、Meta Quest Proのようにリング部がなくコンパクトなものとなりました。またMeta Quest Proコントローラで採用された、TruTouchハプティクスを内蔵しています。

コントローラから伝わる振動によって、仮想空間のなかのオブジェクトに触れているという感覚が得られる構造によって、視覚、聴覚だけではなく、触覚も楽しませてくれます。

カラーパススルーを実現、MRヘッドセットとしても魅力あり

(写真:Meta)
(写真:Meta)

フロントパネルにある黒い意匠部には、2つの4メガピクセルのRGBカラーカメラと、プレイエリアをより正確に表現する深度センサーが内蔵されています。RGBカラーカメラは現実空間を、立体感を保ったまま表示するカラーパススルー機能に使います。Meta Quest 2と比較して10倍以上の画素数で表示可能です。

完全な仮想空間が楽しめるVRと違って、MRは現実空間にCGによる情報を重ねて表示する、現実空間と仮想空間を合わせる複合現実技術です。アメリカ陸軍が導入したり、工場やインフラ管理、デザインの現場でも多用されていますが、7万4800円と安価なMRヘッドセットが登場することにより、ゲームやコンシューマー用途のアプリも開発されていくことでしょう。

詳細はMeta Connectで発表

具体的なスペックリストなどはまだ公開されていません。Metaは9月27日(米国時間)に開催する「Meta Connect」で詳細な情報をプレゼンテーションするとしています。

ガジェットライター

むしゃりょうた/Ryota Musha。1971年生まれ。埼玉県出身。1989年よりパソコン雑誌、ゲーム雑誌でライター活動を開始。現在はIT、AI、VR、デジタルガジェットの記事執筆が中心。元Kotaku Japan編集長。Facebook「WEBライター」グループ主宰。

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