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日産自動車のデザインの歴史をVR空間で学んだ日

武者良太ガジェットライター
最新型フェアレディZと初代フェアレディZのテールデザイン(筆者撮影)

VRの世界におけるSNS、ソーシャルVR=メタバースを活用する企業の取り組みが増えてきています。3D CGで描かれた仮想空間ゆえに現実とは解像度が異なりますが、展示されている商品をどのような角度からでも見ることができるというメリットがあり、リアルなショールームとは異なる魅力をもっています。

バーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」(筆者撮影)
バーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」(筆者撮影)

2021年2月からソーシャルVRの1つ、VRChat上で行われる展示会イベントに企業出展し、東京・銀座にあるショールーム「日産クロッシング」のデジタルツインとなるVRChatワールド・バーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」も制作した日産自動車は、そのVRChatワールドを用いたイベントを開催しています。

最新型フェアレディZの3Dモデルが展示されているバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」(筆者撮影)
最新型フェアレディZの3Dモデルが展示されているバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」(筆者撮影)

現実のショールームさながら、アバター姿の来場者がフェアレディZのスタイリングに注目していた(筆者撮影)
現実のショールームさながら、アバター姿の来場者がフェアレディZのスタイリングに注目していた(筆者撮影)

昨年末に開催されたイベントは、日産自動車デザイン本部プログラム・デザイン・ダイレクター 入江慎一郎さんによるトークショー。長い歴史を持つ日産自動車のデザインDNAと、各時代の車両デザインを作り出すための技法を学べる貴重な時間となっていました。

ZoomやYouTubeライブを用いたトークショーが増えた現在ですが、ソーシャルVRであればリアルな会場を用いたイベントと同じように、身振り手振りを含めた熱意がこもった解説の様子を間近で感じることができます。

混み合う場所なら背の小さなアバターとなって最前列に、もしくは背の大きなアバターや宙に浮くことができるアバターで最後列から見るなど、観覧の仕方も自由自在。

話している方の声が大きく聞こえるようにボリューム調整することも可能ですし、ソーシャルVRを用いたイベントはバーチャルだけどリアリティがあるし、バーチャルならではの利便性も強く感じるものでした。

以下、イベント中にご説明いただいたスライドのなかから特徴的なシーンを抜粋してお届けします。

日産自動車の創業は1933年だが、ダットサン・ニッサンの源流となった快進社は1911年に創業されていた(筆者撮影)
日産自動車の創業は1933年だが、ダットサン・ニッサンの源流となった快進社は1911年に創業されていた(筆者撮影)

1933年に発売されたダットサン12フェートン。日産ブランドでは最古のモデル(筆者撮影)
1933年に発売されたダットサン12フェートン。日産ブランドでは最古のモデル(筆者撮影)

1935年式ダットサン14ロードスターのグリルの上には、脱兎のイメージとなるうさぎのマスコットが置かれている(筆者撮影)
1935年式ダットサン14ロードスターのグリルの上には、脱兎のイメージとなるうさぎのマスコットが置かれている(筆者撮影)

スカイラインの伝説を作ったプリンス自動車工業、その最初期はEVメーカーだった(筆者撮影)
スカイラインの伝説を作ったプリンス自動車工業、その最初期はEVメーカーだった(筆者撮影)

日産自動車に専門のデザイン部隊となる日産デザインが生まれたのは1954年(筆者撮影)
日産自動車に専門のデザイン部隊となる日産デザインが生まれたのは1954年(筆者撮影)

造形のハイライトとなる部分をスケッチするハイライトレンダリング技法で描かれたダットサン112(筆者撮影)
造形のハイライトとなる部分をスケッチするハイライトレンダリング技法で描かれたダットサン112(筆者撮影)

初代シルビア(1965~)のボディワークはセミハンドメイド。流麗なスペシャリティカーの元祖ともいえる(筆者撮影)
初代シルビア(1965~)のボディワークはセミハンドメイド。流麗なスペシャリティカーの元祖ともいえる(筆者撮影)

「過去に類のないカタチを作る」という思いから生まれたハコスカ(筆者撮影)
「過去に類のないカタチを作る」という思いから生まれたハコスカ(筆者撮影)

FRP製のランプハウジングを開発するなどの挑戦も多かったS30フェアレディZ(筆者撮影)
FRP製のランプハウジングを開発するなどの挑戦も多かったS30フェアレディZ(筆者撮影)

アメリカの戦闘機F100スーパーセイバーをイメージして形が定まっていったケンメリ(筆者撮影)
アメリカの戦闘機F100スーパーセイバーをイメージして形が定まっていったケンメリ(筆者撮影)

周囲の景色が映り込んだときの見栄えとなるリフレクションレンダリング技法が使われた初代テラノ(筆者撮影)
周囲の景色が映り込んだときの見栄えとなるリフレクションレンダリング技法が使われた初代テラノ(筆者撮影)

ポップでキッチュ、ファッションの要素が取り入れられたデザインのBe-1(筆者撮影)
ポップでキッチュ、ファッションの要素が取り入れられたデザインのBe-1(筆者撮影)

力強くもあり、女性的な美しさも兼ね備えているZ32フェアレディZ(筆者撮影)
力強くもあり、女性的な美しさも兼ね備えているZ32フェアレディZ(筆者撮影)

「速いハコ車」であることが求められたR32スカイライン(筆者撮影)
「速いハコ車」であることが求められたR32スカイライン(筆者撮影)

ガジェットライター

むしゃりょうた/Ryota Musha。1971年生まれ。埼玉県出身。1989年よりパソコン雑誌、ゲーム雑誌でライター活動を開始。現在はIT、AI、VR、デジタルガジェットの記事執筆が中心。元Kotaku Japan編集長。Facebook「WEBライター」グループ主宰。

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