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巨人が阪神相手に左打ち9人のスタメン 2年前の韓国に共通点が

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
2年前のトゥサン、左打ち9人打線の3~6番打者(写真:トゥサンベアーズ)

9月16日の読売ジャイアンツ-阪神タイガース(東京ドーム)、巨人の先発ラインアップには1番から9番まで左打者が並んだ。

(右)松原聖弥

(遊)吉川尚輝

(一)亀井善行

(中)丸佳浩

(捕)大城卓三

(二)若林晃弘※

(三)田中俊太

(左)立岡宗一郎

(投)田口麗斗

※6番若林晃弘は両打ち

同じようなオーダーは2年前の韓国KBOリーグでもあった。2018年4月21日のトゥサンベアーズ-KIAタイガース(チャムシル)のトゥサンのスタメンだ。

(遊)リュ・ジヒョク

(右)クク・ヘソン※

(三)チェ・ジュファン

(指)キム・ジェファン

(一)オ・ジェイル

(二)オ・ジェウォン

(捕)パク・セヒョク

(中)チョ・スヘン

(左)チョン・ジンホ

※2番クク・ヘソンは両打ち

2018年4月21日のトゥサンのオーダー(写真:トゥサンベアーズ)
2018年4月21日のトゥサンのオーダー(写真:トゥサンベアーズ)

この試合でトゥサンのキム・テヒョン監督は打撃コーチに、「主力を休ませるオーダーを組むように」と指示。捕手のヤン・ウィジ(現NCダイノス)、三塁手ホ・ギョンミン、外野手パク・コンウ選手の代表経験もある面々がベンチスタートとなった。

この試合のKIAの先発投手は右のサイドスローのイム・ギヨン。今回の巨人も相手の先発投手は右の横手投げ青柳晃洋だ。

しかしキム・テヒョン監督はオーダーの背景について「イム・ギヨンは横手投げでも特に左打者を苦手とする投手ではなく、主力の休養のタイミングとたまたま重なった」と後にコメント。元々、右投げ左打ちの選手が多いという選手構成が、左が並ぶ打順を組む一因となった。

巨人は2位に10.5ゲーム差をつけての首位。リーグ制覇への優勝マジック38が点灯している(9月15日現在)。

一方のトゥサンが左打線を組んだのは春先だったが、最終的に2位に14.5ゲーム差をつける独走で公式戦を制した。両チームとも強豪チームによる策という点も同じだ。

もう一つの共通点に、どちらのチームにも後藤孝志コーチが在籍しているということがある。2年前にトゥサンで打撃コーチを務め、打順作成を任されていたのが後藤コーチだった。

(関連記事:「原巨人に加わる『得点コーディネーター』 韓国で実績残した後藤孝志コーチ」スポーツナビ)

トゥサンの2年前の左打ち打線は、先発イム・ギヨンから5回7安打4得点。試合はトゥサンが10-5でKIAに勝利している。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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