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プレミア12韓国代表監督「日本は千賀が出ないんだって?」 警戒する投手の辞退に驚く

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
韓国代表練習中のキム・ギョンムン監督(写真:ストライク・ゾーン)

11月に行われる野球の国際大会「プレミア12」に出場する前回王者の韓国代表チームは、今月11日から練習を開始。ポストシーズンに出場していないチーム、また敗退したチームの選手がスウォンKTウィズパークに集まり、体を動かしている。

現在韓国は今年の優勝チームを決める韓国シリーズの真っ最中。シリーズに出場中のトゥサンベアーズから6人、キウムヒーローズから5人(今後変更の可能性あり)の代表選手が選ばれているため、代表練習では現在の人員で行えるチームプレーや個々のコンディション維持に励んでいる。

投内連係を行う韓国代表メンバー(写真:ストライク・ゾーン)
投内連係を行う韓国代表メンバー(写真:ストライク・ゾーン)

シートバッティングでは近隣の強豪校・裕信高校の野球部員が守備につき、フリー打撃では成均館大の選手が打撃投手を務めるといった光景は日本では見られないものだ。

練習をサポートした裕信高の野球部員にお礼を言うキム・ギョンムン監督(写真:ストライク・ゾーン)
練習をサポートした裕信高の野球部員にお礼を言うキム・ギョンムン監督(写真:ストライク・ゾーン)

韓国シリーズ移動日の24日、キム・ギョンムン監督は筆者の顔を見るとこう尋ねてきた。

「日本は千賀(滉大=ソフトバンク)が出ないんだって?」

キム監督は日本メディアの記事を伝え聞き、千賀のプレミア12出場辞退(右肩違和感のため)を知っていた。

「日本はどのピッチャーも優れているが、千賀がいるのといないのでは大きい」とキム監督は話した。

プレミア12は12の国と地域のチームが3つのグループに分かれて予選を戦う。日本と韓国は別組で日本はグループB(台湾開催)、韓国はグループC(韓国開催)。両者が顔を合わせる可能性があるのは、どちらも予選各組の上位2チームとなりスーパーラウンド(東京、千葉開催)に進出した場合だ。

キム監督は日々、韓国シリーズで代表選手の状態を確認しつつ、先を見据えて日本シリーズもチェックしていた。

キム・ジェヒョン打撃コーチ(右)と話すキム・ギョンムン監督(写真:ストライク・ゾーン)
キム・ジェヒョン打撃コーチ(右)と話すキム・ギョンムン監督(写真:ストライク・ゾーン)

韓国が大会初戦で対戦するのはオーストラリア。そのオーストラリアは27日から東京・府中市で練習試合(下記参照)を行うが、韓国は今年楽天でコーチ研修を行ったイ・ジンヨンコーチとキム・ピョンホコーチを派遣し、情報収集を行う。

今後、韓国代表チームは29日にサンム(国軍体育部隊)と7回制の練習試合を実施。韓国シリーズ出場選手の合流時期にもよるが、現在練習に参加している選手を中心に出場し、一塁手はシリーズに出場中のパク・ピョンホ(キウム)に代わって、ファン・ジェギュン(KT)が務める予定になっている。

また11月1、2日には日本と同じグループBのプエルトリコとコチョクスカイドームでテストマッチを行う。

キム監督は「練習に参加しているバッターは実戦から離れているので生きた球を打ちたいだろうし、野手も試合での打球を処理して感覚をつかみたいだろう。韓国シリーズに出場している選手たちは、実戦感はあると思うので、けが無く代表チームに合流してくれることを願っている」と話した。

韓国は11月6日からコチョクスカイドームで行われるグループCでオーストラリア、カナダ、キューバと対戦する。

この大会は来年の東京オリンピック(五輪)出場権をかけた予選を兼ね、韓国が五輪出場権を得るにはスーパーラウンドに進出し、同じアジア・オセアニア地域に属するオーストラリア、台湾よりも上位になる必要がある。

(関連項目:プレミア12 日程 韓国代表選手一覧

※野球オーストラリア代表 府中事前キャンプ 練習試合日程

・10/27(日)13時 東京都クラブ選抜チーム(府中市民球場)

・10/28(月)13時30分 セガサミー(府中市民球場)

・10/29(火)9時 立正大学(明治大学野球部グラウンド)

・10/29(火)13時 明治安田生命(明治大学野球部グラウンド)ダブルヘッダー2試合目

・10/30(水)9時 JR東日本(府中市民球場)

・10/30(水)13時 JR東日本(府中市民球場)ダブルヘッダー2試合目

入場無料。試合時間は変更の場合ありとのこと。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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