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ハ・ジェフン(元ヤクルト)韓国代表の抑え役の1人に プレミア12エントリー発表

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
韓国代表入りが決まった元ヤクルトのハ・ジェフン(写真:SKワイバーンズ)

韓国野球委員会(KBO)は2日、今年11月に行われるプレミア12の韓国代表メンバー28人を発表した。

NPBでのプレー経験がある選手では2016年、ヤクルトに外野手として在籍したハ・ジェフン(日本での登録名はジェフン)が代表入りしている。

28歳のハ・ジェフンは四国アイランドリーグplusの徳島に在籍した昨年、KBOドラフトでSKに指名され韓国球界入り。

1年目の今季は4月下旬からクローザーを務め、150キロ台の速球を武器にリーグトップの36セーブを記録した。

28人のエントリーの中にはハ・ジェフンの他、コ・ウソク(LG)、ウォン・ジョンヒョン(NC)が30セーブ以上をマーク。その他にもチームでクローザーを任される投手が複数代表入りしている。

先発は揃うもリリーフ左腕が不足の投手陣

投手陣では球界を代表するエース、キム・グァンヒョン(SK)とヤン・ヒョンジョン(KIA)のともに31歳の両左腕が中心的な存在となる。

その他の先発投手では国際大会ではその特徴的なフォームが有効とされるアンダースローのパク・チョンフン(SK)、国内投手ではキム・グァンヒョンと並んでトップタイの17勝を挙げた、速球派右腕のイ・ヨンハ(トゥサン)らがいる。

今回のメンバーは先発、抑えの頭数が揃う一方で、シーズン中にリリーフを専門とする左投手が1人しか含まれていない。その役割は所属チームでは先発を務めるチャ・ウチャン(LG)、ク・チャンモ(NC)が務めることになりそうだ。

中堅、若手とバランスの取れた野手陣

捕手では今季の首位打者ヤン・ウィジ(NC)が選ばれ、攻守の中心的な役割を担う。もう一人の捕手はパク・セヒョク(トゥサン)が初のトップチーム入りを果たした。

内野手は代表チーム最年長33歳、一塁手のパク・ピョンホ(キウム)と三塁手のチェ・ジョン(SK)に長打力がある。打力と走力を備えた選手では二塁手のパク・ミンウ(NC)、遊撃手のキム・ハソン(キウム)らが代表入りした。

一塁手での選出はパク・ピョンホのみ。しかし打線で中軸に座る外野手登録のキム・ヒョンス(LG)がシーズン同様にファーストも兼ねる。

外野手は一発が期待されるキム・ジェファン(トゥサン)が昨夏のアジア大会に続き代表入り。そして若手ではイ・ジョンボム(元中日野手)の長男で21歳のイ・ジョンフ(キウム)と20歳のカン・ベクホ(KT)がそれぞれ名を連ねた。

イ・ジョンフとカン・ベクホはどちらも打率3割3分6厘の高打率をマーク。6毛差でイ・ジョンフがリーグ4位、カン・ベクホが5位と上位にランクインした。

東京五輪の出場権がかかる大事な戦い

球団別の内訳では公式戦1位のトゥサンが最も多く6人で、次いでキウムの5人、SK、NCの4人と続く。ハンファは10球団で唯一、代表選出がなかった。

韓国代表チームは当初、ソン・ドンヨル元KIA監督(元中日投手)がプレミア12でチームを率い、2020年の東京オリンピック(五輪)まで任期を務める予定だった。

しかしアジア大会の代表選考で、兵役免除に該当する選手の選考に不透明な点があったとする一部の指摘により辞意を表明。今年1月にキム・ギョンムン前NC監督が韓国代表を率いることになった。

キム・ギョンムン監督は2008年の北京五輪でも代表監督を務め、韓国を9戦全勝での金メダルに導いている。

(関連記事:ソン・ドンヨル前監督に代わる韓国の新指揮官は「北京の金監督」 任期は東京五輪まで

プレミア12で韓国は自国開催となる予選グループでキューバ、オーストラリア、カナダと対戦。上位2チームに入ると日本(東京ドーム、ZOZOマリンスタジアム)でのスーパーランドに進出できる。

今回のプレミア12は東京五輪の予選も兼ね、開催国である日本を除く、アジア・オセアニア地域のチームで最上位になることで五輪の出場権を得られる。

野球韓国代表は11日からスウォンKTウィズパークで練習を開始。ポストシーズンに出場していないチームの選手が参加する予定だ。

◇2019 WBSCプレミア12 韓国代表エントリー

投手(13人):イ ヨンハ、ハム ドクチュ(トゥサン)、パク チョンフン、ハ ジェフン、キム グァンヒョン(SK)、チョ サンウ、ハン ヒョンヒ(キウム)、コ ウソク、チャ ウチャン(LG)、ウォン ジョンヒョン、ク チャンモ(NC)、ムン ギョンチャン、ヤン ヒョンジョン(KIA)

捕手(2人):パク セヒョク(トゥサン)、ヤン ウィジ(NC)

一塁手(1人):パク ピョンホ(キウム)

二塁手(2人):パク ミンウ(NC)、キム サンス(サムスン)

三塁手(3人):ホ ギョンミン(トゥサン)、チェ ジョン(SK)、ファン ジェギュン(KT)

遊撃手(1人):キム ハソン(キウム)

外野手(6人):パク コンウ、キム ジェファン(トゥサン)、イ ジョンフ(キウム)、キム ヒョンス(LG)、カン ベクホ(KT)、ミン ビョンホン(ロッテ)

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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