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この6年間、若者政策の実現に貢献した立候補者は誰か?【参院選2022】

室橋祐貴日本若者協議会代表理事
(写真:つのだよしお/アフロ)

いよいよ7月10日の投開票日が迫ってきた、参議院議員選挙。

普段から政策よりも政局報道、選挙期間中も個人報道(各候補者のバックグラウンドや実績等の紹介)の少ない日本では、個人の政策実績よりも、知名度や政党のラベル(知名度や人気)で選ばれる可能性が高い。

結果的に、集票を求める政治活動よりも、政策実現に尽力した人の方が落選することも珍しくない。

そこで、超党派で、最も現場に近い立場から、若者政策の動向を見てきた一人として、この6年間で若者政策の実現に貢献した立候補者は誰なのか、紹介したい。

また各党の若者政策比較は下記の記事にまとめている。

ワカモノのミカタ政党はどこだ!若者政策の各党比較【参院選2022】(室橋祐貴)

昨年の衆院選の前に取材してもらった、各党の特徴をまとめた下記の記事も参考になる。

衆院選、若者目線で選ぶなら…? 主要6政党を室橋祐貴さんが分析(withnews)

貢献度の高い候補者から紹介

とはいえ、大小様々貢献している人は多いため、特に貢献したという人物を順に紹介する。

公明党・三浦のぶひろ(神奈川選挙区)

給付型奨学金の実現をはじめ、与党の若者政策立案に欠かせない人物。毎週「ユーストークミーティング」を開き、若者と対話するなど、最も多くの若者と対話してきた国会議員。

コロナ禍では、日本人留学生への緊急対応や、学生特別給付金、若手研究者への緊急支援など、多くの若者を救った。

関連記事:博士課程学生からの要望を受けて、学振特別研究員の延長、奨励金繰り越しが可能に(室橋祐貴)

公明党 三浦信祐 参議院議員(神奈川選挙区)候補者インタビュー【参院選2022】

国民民主党・伊藤孝恵(愛知選挙区)

野党の中で最も若者政策の実現に貢献した人物。

ヤングケアラー対策では、高校生の声を聞き、すぐさま厚生労働省に働きかけ、実態調査の実現、骨太の方針(政府の重要方針)に入れるなど、大いに推進。

国家公務員の労働環境改善のためにも、事務局長を務める、超党派のママパパ議員連盟などを動かしながら、尽力した。

また生理の貧困でも、学生の声を聞き、政策を推進。

日本若者協議会が実施した、「若者が選ぶ、2021年活躍した国会議員はだれか?」でも、国民民主党の玉木雄一郎代表に続き、2番目に名前が多く上がった。

国民民主党 伊藤孝恵 参議院議員(愛知選挙区)候補者インタビュー【参院選2022】

自民党・自見はなこ(全国比例区)

自民党の山田太郎議員と一緒に、こども家庭庁、こども基本法の成立に尽力。自民党内の保守派議員を説得するため走り回った。

日本共産党・田村智子(全国比例区)

鋭い国会質疑で度々ネット上でも話題になるが、こども基本法の審議では、校則の見直し過程で子どもの意見が尊重されるべきことを確認するなど、子どもの目線に立った質問も光った。

国民民主党・矢田わか子(全国比例区)

コロナ禍で働く妊婦さんからの声を国会で取り上げ、妊婦の方々のための政策を次々に実現。最近では、子育て支援の所得制限撤廃に向けても注力。

公明党・竹谷とし子(東京選挙区)

公明党のネットワーク力の強さを生かし、全国で生理用品の無償配布などを実現。フードロス削減、女性のデジタル人材育成のためのプラン策定、痴漢対策強化に向けた取り組みを推進。

自民党・三原じゅん子(神奈川選挙区)

自民党総裁選に、野田聖子議員を立候補させるために尽力し、「こどもまんなか」を自民党内でアジェンダ化した。

こども家庭庁、HPVワクチンの奨励再開、不妊治療の保険適用など、女性政策を推進。

日本共産党・山添拓(東京選挙区)

田村智子議員と同じく、鋭い国会質疑で有名。中絶の堕胎罪(自己堕胎罪)の問題など、ジェンダーに関する質問も多い。

公明党・谷合正明(全国比例区)

若者の自殺対策、LGBTなど、小さい声に向かい合いながら、子ども、若者のための政策を推進。

公明党・西田まこと(埼玉県)

未婚のひとり親への税制控除の実現、軽減税率の実現など、税制のプロフェッショナル。

最近ではリカレント教育の税制見直しを求めたところ、すぐに動いてくれるなど、公明党の税制調査会長という重役であるにもかかわらず、フットワークが軽い。

立憲民主党・宮沢ゆか(山梨選挙区)

子育て支援活動の経験が長く、子ども中心の社会実現に向けて尽力。高校生からの声を受けて、校則見直しの相談に乗るなど、一人一人の声に向き合って動くことのできる議員。

社民党・福島みずほ(全国比例区)

子どもの貧困対策推進議員連盟など、子ども、女性という弱い立場の人のための政策を推進。

公明党・伊藤孝江(兵庫選挙区)

「ダブル・伊藤たかえ」でヤングケアラー対策を推進。

日本若者協議会代表理事

1988年、神奈川県生まれ。若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事。慶應義塾大学経済学部卒。同大政策・メディア研究科中退。大学在学中からITスタートアップ立ち上げ、BUSINESS INSIDER JAPANで記者、大学院で研究等に従事。専門・関心領域は政策決定過程、民主主義、デジタルガバメント、社会保障、労働政策、若者の政治参画など。文部科学省「高等教育の修学支援新制度在り方検討会議」委員。著書に『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(光文社新書)など。 yukimurohashi0@gmail.com

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