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知らないと怖い…「夫婦別姓」が注目されてわかったのは、見落とされてきた「事実婚の不都合なリアル」

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
(写真:アフロ)

夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は「合憲」であるとの最高裁の判決が話題になっています。

夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定が「両性の平等」などを保障した憲法に違反するかどうかが争われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は23日、「合憲」と判断した上で、別姓での婚姻を求めた男女3組の特別抗告を棄却した。

夫婦別姓を認めない民法規定、最高裁が再び「合憲」…「国会で判断されるべき事柄」(読売新聞オンライン)

筆者は結婚相談所を運営する仲人なので、法律的なことや夫婦別姓の良し悪しは専門外です。論じる立場にありません。

ただ、今回の裁判関連の記事で事実婚の持つ不都合な一面が記載されていましたので、これから事実婚を選択肢として考える方の参考にと、書かせていただくことにしました。

では早速、東京都に3人の息子さんと暮らす有本信さん(46)=仮名=と真島幸乃さん(47)=同=たち原告カップルに関する記事をご紹介します。

2001年に事実婚をした。

(中略)

双方の両親を説得し、結婚式を挙げたすぐ後に妊娠した。当時は遺産相続などで婚外子に法的な差別があったため、出産直前に婚姻届を、出産後に離婚届を出した。

日常生活で不都合はほぼ感じないが、病気になった際や、相手が亡くなった場合の法的手続きなど「万が一」のときに関係性を証明するのが難しいと考えている。昨年4月の緊急事態宣言時には、いつでも出せる婚姻届を準備した。

(中略)

別の東京都の40代カップルは、子どもが「結婚するときは姓を変えたくない」と話していたこともあり、「次世代のため」と申し立てた。お互いを尊重するため事実婚を選んだが、出産や配偶者控除を受けるため計6回婚姻届を出すなどの不都合にさらされてきた。

「自分の名でいる権利守って」 審判申し立て事実婚カップル 最高裁23日判断(時事通信)

記事によると

・病気になった際や、相手が亡くなった場合の法的手続きなど「万が一」のときに関係性を証明するのが難しい

・出産や配偶者控除を受けるため計6回婚姻届を出す

などの不都合があったそうです。

男性の4分の1が希望する「事実婚」、一見ラクそうだけど、不都合があることも考えて

事実婚は、婚姻届など一定の手続きを踏まずに、両者が結婚の意思を持ち、ともに生活することです。

手続きがないぶん簡略で、自由で、不都合などないように思えますし、「相続などを考えて子どもが反対している」などの理由で、事実婚を希望される方はいらっしゃいます。

総合婚活サービスのIBJ(東京都新宿区西新宿)が自社の婚活サービスを利用中の独身男女にアンケートを行い事実婚についての意識調査を実施したところ、「認める。自分もしたい」と回答した人が男性は24%、女性は12%でした。

「事実婚、あなたは認める、それとも認めない? 女性の8割が選んだ回答は」(婚活情報メディアbyIBJ)より
「事実婚、あなたは認める、それとも認めない? 女性の8割が選んだ回答は」(婚活情報メディアbyIBJ)より

婚活情報メディアbyIBJ「事実婚、あなたは認める、それとも認めない? 女性の8割が選んだ回答は」

男性の約4分の1が「したい」と思う事実婚ですが、不都合があることもまた、事実のようです。

パートナーと十分話し合って、慎重に選択する必要がありそうです。

ちなみに、結婚相談所で婚活して結婚する場合、婚姻届けを提出することが原則として求められ、事実婚の選択肢は基本的にありません。

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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