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西野采配を批判するのは損している人、「結婚相手とは自然な形で出会いたい」という独身男女によく似ている

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

6月28日のロシア・ワールドカップサッカーのグループH第3節、日本はポーランドに0-1で敗れましたが、フェアプレーポイントの差でセネガルを上回り、2位で決勝トーナメント進出。

この試合で、終盤に西野朗監督が選手に指示したプレーをめぐって、賛否両論あるようです。

タレントの武井壮は「卑怯でもなんでもない」、俳優の和田正人も「逃げの采配ではない」と西野采配を評価した。

出典:西野采配、武井壮は「卑怯でもなんでもない」和田正人も「逃げの采配ではない」(デイリースポーツ)

日本国内ではツイッターなどネット上で(中略)消極的な戦いに「負けているのに時間稼ぎしてフェアプレーポイントで突破狙うって、フェアプレーに欠けている」との意見も出るなど、批判も続出した。

出典:西野ジャパンの時間稼ぎは是か否か…ネット上では賛否両論(スポーツ報知)

スポーツで喜怒哀楽を感じるのは、試合やプレーの意味が自分の生き方と重なるから

今はスポーツジャーナリストではない筆者に、西野采配を語ることはできませんが、賛否両論で思い出したのが、1998年5月のサッカー、キリン杯パラグアイ戦(1-1ドロー)です。

フリーキックを得た日本が相手の守備態勢が整わないうちにボールを蹴り出し、ゴールしたシーンがありました。

相馬直樹選手(当時)が城彰二選手(当時)に「パスを出してくれ」と言い、パスを受けてネットをゆらしたと記事にしたことを憶えています。

ルール内のことで問題ないのですが、このときも、筆者が取材したサポーターの中には「何となく後味が悪い」という方がいらっしゃいました。相手を待たないプレーは、武士道とか、日本人の美意識にそぐわない雰囲気があり、サポーターはそこを指摘されたのです。

筆者が取材を通して感じてきたのは、スポーツ観戦して感動したり怒りやとまどいを感じるのは、その試合やプレーが、観る人の行動や生き方などに重なるからだ、ということです。

西野采配を否定するのは「結婚相手とは自然な形で出会いたい」という独身男女によく似ている

もし西野采配で「フェアプレーじゃない」と憤りを感じるのでしたら、その方は何に対してもフェア(公明正大)で正直なのだと思います。

そして、正直でフェアな行動をしているのに、ルール内ぎりぎりを攻める人や出来事と比べて、ちょっとだけ損をしているように思っていらっしゃるのではないでしょうか。

だから憤りを感じるのではないでしょうか。

今は仲人である筆者のところに結婚相談にいらして「(結婚相手とは)自然に出会えると思っていた」という方は少なくありません。

結婚相手と自然に出会えると信じて、毎日正直に、一生懸命に仕事しながら暮らしてきたのに、「自然な出会いがないまま年齢を重ねた」と、少し切ない顔で話されます。

仕事で王道を歩いた故に課せられた立場や忙しさもあって、どこかでちょっとだけ損をしてきたような感覚をお持ちなように感じます。

だから、西野采配を否定したり批判するサポーターと「結婚相手とは自然な形で出会いたい」という独身男女は似ているなぁ、と思うのです。

目標達成のために評価も価値観も手放した西野采配を婚活の参考に

自然に出会って結婚することを「恋愛結婚」と定義すると、恋愛自体が減っている現状では、結婚するためには、自ら「自然ではない活動」をする必要が高まっています。

あくまでも、「自然に出会いたい」という思いを貫くか、より出会える場所を探して行動(婚活)するかは、ご自身の選択になります。

自然に出会おうとして自然に出会えるかもしれませんし、出会えないかもしれません。

婚活したら婚活の場所で出会えるかもしれませんし、自然に出会えるかもしれません。当然ですが、出会えないかもしれません。

今の筆者の立場から、西野采配の見習うべき点をお伝えすると、「目的を決めて、そのためだけに行動した」ということです。

決勝トーナメントに出場するという目的のために、最後は試合を捨てたのではなく、戦いを放棄したのでもなく、戦略的に戦ったのです。

別の言い方をすると、目標のために、目先の評価やご自身の抱いている価値観、観戦するサポーターの満足度などを手放した、ということです。

結婚という目標があるのなら、誰がどう思おうと、婚活すればいいのです。

結婚相談所や仲人に相談するとか、婚活パーティーや婚活アプリを探してみるとか、お友達に「誰かいい人いない?」と聞いてみるとか、どの婚活方法を選ぶかは自己責任ですが、ご自身に合う方法を始めてみればいいと思います。

婚活での出会いも、出会いは出会い。

ご自身が幸せだと思う、結婚相手との出会いがあれば、そのうち「どこで出会ったか」なんて全く気にならなくなりますよ。

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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