40代を直撃する深刻な危機の回避策かも! ある40代女性が「結婚ってすごいな」という理由とは
7040問題、黄昏同居、おひとりさま貧困・・・アラフォー世代を直撃する、深刻な危機とは?
昨年末(12月14日)、NHKのクローズアップ現代では「アラフォー・クライシス」というタイトルでアラフォー世代が置かれた現状と危機を特集していました。
内容を要約すると・・・
- (アラフォー世代は)収入が低く、結婚もままならない。
- 世代ごとの月収を5年前と比較した結果、35歳から44歳のアラフォー世代の給与だけがダウン。40代前半では、ひと月2万3000円も下がった。
- 最新の調査によれば、親などと同居する40代から50代の未婚女性の7割近くが、親に生計を支えられていると回答。親は70代で年金頼み、子は40代になっても稼げない「7040問題」に。中には、親の介護に追われ、共倒れしかねないケースも。
アラフォー世代より上の独身者が親と生活することを、「黄昏(たそがれ)同居」と呼ぶそうで、社会問題となっているようです。
日経ネットにもアラフォー世代の現実を書いた記事がありました。
内容を要約します。
- 40~50代になっても親と同居する未婚者が増えている。親の収入を頼りにする人が6割近いとの調査も。
- 1995年の国勢調査(総務省統計局)では40~50代の「未婚一人暮らし」は120万人、「未婚同居」は112万人。 2010年には「未婚一人暮らし」が206万人に増え、「未婚同居」はさらにそれを上回る263万人に。
- みずほ情報総研の藤森克彦・主席研究員が約2300人を対象にしたインターネット調査を分析。親や兄弟らと同居する40~50代の未婚者のうち、男性の4割、女性の6割が主な生計維持者を「親」と回答。年収100万円未満の男性が25%、女性は38%いた。同世代の未婚一人暮らしよりも正社員率が低く、無職が多かった。無職の未婚同居者のうち、男性の21%、女性の37%が「親の介護」を理由に挙げた。
ある40代女性が教えてくれた、「おひとりさま貧困」を回避する方法
40代から50代の未婚者が置かれる現状、「低収入」「7040問題」「黄昏同居からのおひとりさま貧困」について、筆者は専門家ではないので、この問題を解説する立場にありません。
ただ、「黄昏同居からのおひとりさま貧困」を回避する策として「結婚」が1つの選択肢なのではないか、と考えています。
40代以降の結婚は、もしかしたら「子どもを産み、育てる」ことは、結婚の延長線上にないかもしれません。
けれど、経済的にダブルインカムとなって、精神的に安定するかもしれませんし、介護や家事などは分かち合えるかもしれません。
「支え合い補い合う」ことが結婚の延長線上にあれば、ひとりで耐えるのが厳しいような状況でも、前向きに、幸せに変えるパワーがあるのではないか、と思うのです。
筆者がそう考えるきっかけをくれたのは、黄昏同居しながら両親を介護していたある40代女性でした。
40代のその女性は、介護のために2度の休会をしましたが、結婚相談所で婚活し、何度もお見合いをして、40代半ばで結婚相手と出会いました。
インタビュー形式で話した中のほんの一部ですが、結婚相談所を成婚退会するときの、彼女の話をご紹介します。
--お相手はどんな方?
楽しい人で、いつも笑わせてくれるんですよ。
一緒に暮らすには、こういう人がいいのかな、って思って。
--婚活中、2回休会したのは?
父と私で母を介護しているんですけれど、その父が2度入院したんです。
休会期間を入れて、婚活したのは2年ちょっとですね。
婚活しているとき、両親の両方が元気なときって一度もなくて、「婚活するの、もうダメかも」って思ったこともありました。
--2度の休会があって、「ダメかも」と思いつつ、2度とも再開。婚活を頑張れた理由は?
両親を介護していて(涙ぐみながら)親は先に逝ってしまうと痛感したんです。
先の不安・・・冷静になって先の不安を考えたときに、「今、頑張らなきゃ」って思って・・・。
諦めないで本当に良かったです。
---婚活していなかったら、と考える?
婚活して、よかったです。
やっていなければ、ズルズルと「出会いがない」と言っている自分が続いたと思います。
行動することで、妄想しなくなった。それまでは「何年後には結婚して~」という風に、理想を妄想していたから。
信頼できる仲人さんと出会って、全てが始まった気がします。
--婚活して良かったと思えることは?
信頼できる人がいる。それがすごく心強いです。
お見合いは出会いのきっかけなだけで、お見合いした相手と恋愛できるんですね。
それまでは「誰か紹介して」「いい人いない?」と公言していたんですけれど、40歳過ぎると現実問題、いるはずもなく・・・。
恋愛にオクテの人はこういうところ(結婚相談所、仲人)で婚活したほうがいいですね。
自分がこういう結果になったから、人にすすめられます(笑)。
--一番の変化は?
うちは老人2人と私の寂しい感じの家だったけれど、彼が明るい人で、彼が遊びに来ることでパーッと明るくなったんです。
彼の家族は明るくて、何の不安もない。彼と縁があって良かった。
結婚が決まってからヘルパーさんに相談して、今後の(介護の)ことを決めています。実家の近くに住むことで何とかなりそうです。
私の母が何より変わってきて、今までは美容院も億劫がっていたのが、「髪染めることにしたの!」とか(笑)。
「(結婚式に着る)服を買おうね」と私が言ったら、「靴も買わなきゃ」って母が(笑)。結婚ってすごいな、って思います。
諦めないで、本当に良かった。今、オッサン(彼)に癒されてます(笑)。
40代半ばの彼女は、本当に柔らかく満ち足りた表情で、話しながら自然と笑顔になっていました。
インタビューの2年ちょっと前、婚活前に会って話したときとは全く違って、そこには悲壮感も不安な表情もありません。
若い年齢同士の“ふたりだけで希望に満ちた明るい未来に向かって進む”結婚というより、“信頼できる相手とあたたかく穏やかに支えあっていく”、40代ならではの結婚。
さらに、結婚が決まったことが実家の雰囲気に明るい変化をもたらしたのです。もちろん介護は続きますが、違う場所から関わることで、介護でもこれから変化が起きるでしょう。
「結婚ってすごいな」という彼女の言葉に、7040問題、黄昏同居、おひとりさま貧困といった社会問題を少しでも回避するための希望の光が少し見えた気がしました。
もちろん、婚活した人全員が彼女のように出会えるかどうかはわかりません。
ただ、行動しなければ、今の生活が続くだけではなく、いつか「おひとりさま貧困」に向かう可能性は低くないのではないかと思います。
40代の婚活は無理でも無謀でもない、大事なのは諦めないこと
リクルートブライダル総研の調査「婚活実態調査2017」によると、2016年に婚活サービス(結婚相談所、婚活サイト・アプリ、恋活サイト・アプリ、婚活パーティ・イベントの4サービス)を利用して結婚した人は11.3%。
2013年は4.7%、2014年は6.7%、2015年は8.3%、2016年は11.3%と、割合は急増しています。
ところが同調査によると、婚活サービス利用経験がない恋愛もしくは結婚意向のある独身者で【「婚活サービス」を利用しなくても、結婚できると思う】と回答した人の割合を見ると、
20代が39.3%、30代が23.3%、40代は29.1%。
30代より40代の割合のほうが高くなっているのです。
仲人としての経験から申し上げると、40代からの婚活は、決して無理でも無謀でもありません。
それでも、「婚活は必要ない」とか「もう無理」など個々の判断で行動しない方も少なくないようです。
今の行動が未来を変える、行動した人が未来を変えている、と成婚者から話を聞きながら、いつも感じています。
前出の40代女性が、何度も「諦めないで良かった」と言った通り、アラフォー世代に穏やかな未来を諦めてほしくはないですし、どんな形であっても「結婚ってすごいな」と思ってほしい。そう願っています。