コンサドーレ河合竜二が2016年の伝説の千葉戦を振り返る 内村圭宏の逆転弾には布石があった

現役を引退し、コンサドーレのフロントスタッフになった河合竜二(スタッフ撮影)

浦和レッズ、横浜F・マリノス、北海道コンサドーレ札幌とクラブを渡り歩いてきた河合竜二が現役を引退し、J1リーグ第3節札幌対清水の試合前に札幌ドームにて引退セレモニーが行われた。その直後にインタビューを行い、コンサドーレ在籍時代で最も印象に残っている試合について伺った(取材日:2019年3月9日)。

2016年千葉戦でFW内村圭宏に伝えた指示

アシシ:河合さんはコンサドーレ在籍の8年間の中で、公式戦191試合に出場しました。最も印象に残っている試合を教えてください。

河合:やっぱり2016年のアウェイの千葉戦ですかね。

アシシ:あの試合、僕の札幌サポーター人生の中でも、ダントツ1位で感動した試合です。J2の第41節、この試合含めて残り2試合のシーズン終盤で、コンサドーレのJ2優勝を大きくたぐりよせた逆転勝利でした。今思い出すだけでも鳥肌が立ちます。

河合:アシシさんもあの試合、スタジアムにいたんですか?

アシシ:当然いましたよ。試合後に大泣きしました。当時、このYahoo!個人でもこの千葉戦の観戦コラムを書いたんですが、反響が非常に大きかったです。

河合:サポーターにとっても思い出深い試合なんですね。

アシシ:そうですね。あの試合、後半50分の逆転弾のアシストは河合さんでした。最終ラインから河合さんが最前線にロングフィード、ヘイスがヘディングで競って、触らずに裏にボールが抜けて、うっちー(内村圭宏)がダイレクトボレーを決めました。

河合:あのシーンの数分前に僕はうっちーに、ことづてしてたんですよ。

アシシ:何を伝えたんですか?

河合:チーム全体としてはこのまま1-1で終わらせるつもりでいくけど、うっちーだけは前線でゴールを狙っておけよと伝えたんです。スカパー!の中継を後で見返したんですが、解説の水沼さんが「河合が内村に何か言ってますね」と指摘してました。

アシシ:そんな伏線があったんですね。その指示出しているシーンが映像で抜かれたんですか?

河合:映像では抜かれなかったんですが、たしかボールがタッチラインを割って、誰かが倒れてた時間帯だったはずです。給水しながらうっちーにそういう指示をしたんですが、解説の水沼さんがそのシーンに言及してました。

内村圭宏は「持ってる男」

アシシ:当時は四方田監督でしたが、ベンチから「1-1のままでいけ」という指示が出てたんですか?

河合:直接そういう指示はなかったんですが、前節に負けていたじゃないですか。

アシシ:徳島戦ですね。

河合:そう。暗黙の了解として最低限、連敗だけは避けたいという思いは皆、共通していました。

アシシ:でも、河合さんはうっちーにだけは異なる指示をしていたと。

河合:守備一辺倒っていうのもだめかなと。うっちーならワンチャンあるんじゃないかと思ってましたし。

アシシ:その予感が見事的中したわけですね。

河合:うっちーは2011年最終節のJ1昇格をかけたFC東京戦でもゴール決めてますし、やっぱり持ってる男ですよね。

歓喜の輪に入らなかった理由

アシシ:逆転弾の後、うっちー含めてフィールドプレーヤーのほとんどが看板を乗り越えて、札幌ゴール裏の目の前で歓喜の輪を作ってました。

河合:すごく盛り上がってましたね。

アシシ:負傷交替した選手までベンチから全力疾走してきてました(笑)。でも、河合さんはセンターサークルに留まって、試合のリスタートをさせないように気を配ってましたよね?

河合:それ、聞いちゃいます?

アシシ:あれ? 違いましたっけ?

河合:たしかにあのシーン、センターサークルに留まってました。もちろん、試合を始められないようにという意味合いもあったんですが、ぶっちゃけるともう疲労度が半端なくて、あの距離を走っていく気力が残ってなかった、というのが正直なところです(笑)。

アシシ:河合さんのポジションからだと50m以上離れてましたもんね。

河合:はい、遠すぎました。

アシシ:あの千葉戦の勝利が、今J1で躍進しているコンサドーレの礎を築いたといっても過言ではないですよね。

河合:そういう歴史的な試合に出られて、勝利に貢献できた経験は一生の財産ですね。