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日本代表の「兄弟対決」で見えた、久保建英のトップ下の可能性と起用法論の問題点。

森田泰史スポーツライター
日本代表対U-24日本代表(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「兄弟対決」に、注目が集まった。

日本代表とU-24日本代表が激突した試合は、ワンサイドゲームになった。長友佑都や大迫勇也といった経験豊富な選手がいるA代表が3-0で勝利。貫禄を見せつける結果になった。

■4-2-3-1の2列目

この試合、フォーカスすべき点はいくつもあったが、特筆すべきは久保建英の「トップ下」だろう。

横内昭展監督は【4-2-3-1】のトップ下に久保を組み込んだ。三好康児と遠藤渓太が久保と共に2列目のポジションに入り、1トップには田川亨介が起用された。

(久保のトップ下)

背番号は仮/以下同
背番号は仮/以下同

チームとして、目指していたのは流動性と連動性のある前線だ。誰かがスペースを空け、そこに他の誰かが走り込む。2人目、3人目の動きが攻撃にダイナミズムをもたらす。対戦相手としては、マークが捕まえ難くなる。

(前線の流動性)

久保はその中で自由にプレーしていた。ピッチ上のどこに動いてもいい、というのは、彼にとって大きなアドバンテージである。

(ライン間のプレー)

ライン間でボールを受け、敵を引き付けて味方にスルーボールを送る。DFが寄せてこなければ、自らドリブルを仕掛けていく。ファールを誘い、危険な位置でFKを得る。そういう「久保らしさ」が、随所に散りばめられていた。

(全2184文字)

■攻撃の機能性

ただ、U-24代表の攻撃が完全に機能していたとは言い難い。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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