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バルサのラウタロ獲得の行方は?新エース継承者を迎え入れる可能性。

森田泰史スポーツライター
ラウタロ(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

ラウタロ・マルティネス獲得を目指してインテルと交渉を続けているバルセロナだが、オペレーションの成立に向けてターニングポイントを迎えているようだ。

この夏にラウタロを引き入れるため、積極的に動いているバルセロナ。一方、インテル側にラウタロ売却の意思はなく、契約解除金1億1100万ユーロ(約127億円)が支払われない限り、アルゼンチン人ストライカーを手放すつもりはないという姿勢を貫いてきた。

ただ、ここに来て状況は変わり始めている。バルセロナが提示した選手譲渡候補リスト(サミュエル・ウンティティ、ジュニオール・フィリポ、ネルソン・セメド、アルトゥーロ・ビダル、ラフィーニャ・アルカンタラ、ジャン=クレール・トディボ)に対して、インテル側が複数名に関心を寄せており、交渉に進展があったとみられている。

バルセロナとしては、移籍金6000万ユーロ(約69億円)+2選手で、取引を成立させたいと考えているという。

インテルが強い関心を示しているのはビダルとトディボだ。ビダルに関しては、アントニオ・コンテ監督がビダルの獲得を望んでいるといわれ、今年1月の移籍市場においてもインテル移籍の噂があがっていた。トディボについては、シャルケにレンタル移籍して、評価が高まった。20歳という若さもトディボの魅力のひとつかもしれない。

ビダル(2021年夏契約満了)、トディボ(2023年夏契約満了)の2選手をオペレーションに含めて、移籍金を引き下げたいというのが現時点でのバルセロナの本音だろう。

■複数クラブの動き/ビッグディールの可能性

筆者作成
筆者作成

2019-20シーズン、ラウタロはセリエAで22試合に出場して11得点1アシストを記録している。また、パス本数301本、パス成功本数179本、シュート数59本、枠内シュート数34本、ボール奪取数56回、ボールロスト数254回という数字を残している。

一部報道では、5月15日までに取引が成立する可能性があると伝えられている。その背景にはパリ・サンジェルマン、レアル・マドリーと言ったクラブの関心があった。ただ、最も興味を抱いていたパリSG、ここにきて獲得レースから撤退しようとしている。今季終了時にエディンソン・カバーニが退団するパリSGだが、マウロ・イカルディのレンタル延長に向けて動き始めたようだ。

そして、ラウタロはバルセロナ移籍を希望しているといわれている。バルセロナとしては、その選手の意思を交渉を有利に進める材料にしたいところだ。

インテルは、2018年夏にラウタロを移籍金2500万ユーロ(約28億円)で獲得した。新型コロナウィルスの影響で、今夏、ビッグディールが成立する可能性は低いとみられているがーー。どういった結末を迎えるのか、まったく目が離せない。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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