ジダンを悩ますヴィニシウスの起用法…連勝街道に乗るレアル・マドリーに忍び寄る「魔の手」

ジダン監督とヴィニシウス(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

クラシコというタイトルの行方を占う一戦が、刻一刻と近づく。ビッグマッチに照準を合わせるように、レアル・マドリーが調子を上げている。

リーガエスパニョーラ第16節、マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにエスパニョールを迎え、勝利した。サンティアゴ・ソラーリ前監督が記録した以来の4連勝、また直近9試合無敗(7勝2分け)とジネディーヌ・ジダン監督が復帰してから最高の戦績でバレンシア戦とバルセロナ戦に備えている。

■ヴィニシウスとロドリゴ

エデン・アザール、ガレス・ベイル、マルセロ、ルーカス・バスケス、ハメス・ロドリゲス、マルコ・アセンシオ...。ここにきて負傷者が相次いでいるマドリーは、重要な試合でベストメンバーを組めないかもしれない。

そういった状況で、ジダン監督を悩ませているのがヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴ・ゴエスの起用法だ。ソラーリ前監督の下でトップチームに引き上げられ、その後レギュラーポジションを確保したヴィニシウスだが、ジダン監督の復帰後、苦しんでいる。リーガ第9節マジョルカ戦で先発したものの、その試合でマドリーが敗れると、ベンチウォーマーとしての日々が続いた。第16節エスパニョール戦で先発に戻るまで、出場時間はわずか57分だった。

一方、ジダン監督に重宝されているのはロドリゴだ。ジダン解任の可能性が取りざたされたチャンピオンズリーグ・グループステージ第3節ガラタサライ戦で先発に抜擢されただけではなく、それからコンスタントにプレータイムを得ている。

プレータイムでは、ロドリゴ(出場時間551分)がヴィニシウス(出場時間533分)を上回る。得点力という点においても、ロドリゴ(5得点)がヴィニシウス(1得点)に優っている。オフ・ザ・ボールと守備面の貢献を売りとするロドリゴ、突破力が武器のヴィニシウス、現在ジダン監督が欲しているのはロドリゴの特徴なのだ。

■中盤の戦力

ジダン監督はヴィニシウスを左サイドハーフ、ロドリゴを右サイドハーフにと考えている。だが、もうひとつ、問題がある。中盤のオーバーブッキングと、システム変更の可能性だ。

イスコの復調、フェデ・バルベルデの台頭で、中盤を4枚にするプランが浮上している。事実、チャンピオンズリーグ・グループステージ第5節パリ・サンジェルマン戦で、ジダン監督は4-4-2を選択した。

イスコは、以前からジダン監督に信頼されていた。第一次ジダン政権で、114試合に出場。ルーカス・バスケス(121試合)に次いで、トニ・クロース、クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマと同率2位に位置する数字だった。

F・バルベルデは今季、14試合出場している。「ボックス・トゥ・ボックスの選手」とジダン監督が評するように、ピッチを縦横無尽に走り、高齢化が懸念されてきたマドリーの中盤にフレッシュな力を注いでいる。

前線では、リーガ11得点で得点ランク2位につけるベンゼマが気を吐く。また今季、ベンゼマはアリツ・アドゥリス(アスレティック・ビルバオ/158得点)を抜き去り、リーガ現役選手としてリオネル・メッシ(バルセロナ/431得点)に次ぐ159得点達成という記録を残している。

2019-20シーズンのリーガエスパニョーラは、マドリーとバルセロナの一騎打ちになる様相を呈している。ウィンターブレーク直前に行われるクラシコの重要性は増しており、ジダン監督はそれまでに大きな決断を下さなければいけない。