台風9号「史上最強クラス」で韓国上陸のおそれ またも記録的台風か 

台風9号の衛星画像 (出典: SLIDER by RAMMB/CIRA)

朝鮮半島では今年、妙なことが起きています。

通常、強い台風が朝鮮半島に上陸することは多くありません。そこに接近する台風は、たいていの場合、日本や中国に上陸するか、仮にそうならなくても、黄海を北上する際に弱まってしまうからです。

しかし、今年はすでに3つの台風が朝鮮半島に上陸しています。中でも8号は北朝鮮の観測史上最大クラスの勢力で上陸しました。さらに9号は、韓国史上最強の台風となる可能性も出ているのです。

台風9号

台風9号は、どのくらいの強さで韓国に上陸する恐れがあるのでしょうか。

韓国気象庁の予想によると、上陸前の2日21時の中心気圧は950hPaで、上陸後数時間経った3日9時には960hPaとなっています。つまり950hPa前半の強さで、韓国南部に上陸する可能性が高いようです。

韓国の記録台風

それでは過去の記録はどうでしょうか。

1904年の観測開始以来、韓国に上陸した台風でもっとも強風をもたらしたものは、2003年のメミ(Maemi)です。観測された最大風速は53m/sでした。その次が、1959年のサラ(Sarah)で51m/sです。

中心気圧はどうだったのでしょうか。メミの上陸時の中心気圧は950~955hPa(※)でした。一方サラはというと、具体的な数値は不明ですが、韓国で951.5hPaの気圧が観測されているようです。

つまり少なくとも1904年以降、韓国では950hPa以下の台風を経験したことがないともいえそうです。もし9号が950hPa前半の強さで上陸するとなれば、観測史上最強クラス、もしくは最強となる可能性も考えられます。

8号は北朝鮮史上最大級

ところで、先週「強い(最大風速34m/s~43m/s)」勢力で北朝鮮に上陸した8号もまた、稀に見る強さの台風でした。

これまで北朝鮮に上陸した「強い」クラス以上の台風は、2つしかありませんでしたから、8号は3本の指に入る強さでの上陸となったわけです。北朝鮮のメディアが異例の台風報道を行ったと日本でもニュースになりましたが、やはりそれほどの強さだったのです。

今年は台風4号も直撃しており、上陸数はすでに2個と、史上最多タイ記録となっています。1951年から2019年にかけての統計では、北朝鮮に上陸する台風の年間平均個数は0.3個でした。ところが2000年代に入ってからは、上陸のペースが倍増しています。

降り過ぎる雨

矢継ぎ早に台風の直撃を受ける朝鮮半島ですが、6月から記録的な大雨が降っているようです。

韓国では、観測史上最長の梅雨を記録したほどでした。結果、6月1日から8月15日にかけての韓国の平均雨量は920ミリとなり、例年の570ミリを大きく上回って、史上2番目の雨量となりました。

その上に台風9号の上陸が予想されているわけですから、災害の発生が心配されます。しかし懸念材料は尽きません。まもなく発生するであろう台風10号もまた、日本接近後に朝鮮半島に近づく可能性が出ています。

止まない雨はない

「空が崩れても飛び出る穴がある―」。

止まない雨はない、という意味の韓国のことわざです。困難な状況が続きますが、いつか終わりは来る。頑張って乗り切ってもらいたい、そんな思いが募ります。

※追加しました。